ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

京阪バス、京阪京都交通でも路線バスの減便や廃止

2023年11月04日 13時45分00秒 | 社会・経済

 このブログでは取り上げなかったのですが、10月に阪急バスの4路線が廃止されることが報じられていました。2023年10月11日15時付の読売新聞社の報道「阪急バス、空港宝塚線など4路線を来月廃止…運転手不足『地方の話かと』」(https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20231011-OYO1T50038/)には「地方で先行して起きていた路線廃止が都市中心部にも広がり、利用者からは困惑の声が上がっている」と書かれていますが、路線廃止や縮小は、理由などはともあれ、別に「地方で先行して起きていた」訳でもないでしょう。金剛自動車にしても大阪府の企業であり、これまで、首都圏でも時折ですが見られました。その例として「世田谷区でもバスは厳しい 園02系統廃止へ」をお読みください。5年前の話です。

 阪急バスで廃止される路線は、豊中西宮線(阪急石橋北口〜西宮北口および阪急豊中駅〜西宮北口)、阪北線(阪急園田駅〜梅田)、空港宝塚線(宝塚駅〜大阪国際空港)および三宮有馬線(三宮駅前〜有馬温泉)です。どの路線も運行本数が少ないようで、とくに阪急豊中駅〜西宮北口の路線は2019年7月から早朝の1本のみであったとのことです。路線の整理という側面が強いのではないでしょうか。

 〈余談ですが、川崎市にも早朝の1本しかないというような路線があります。私の生活圏に近い所では、東急バス高津営業所が所管する小杉駅前から中原駅前、新城駅前を経由して溝の口駅までのバスです。系統番号はなく、片道だけの路線です。時刻表には小杉駅前6時35分発、溝の口駅6時53分着と書かれています。また、歴史が長いことによって少なくとも関東では有名な路線として、神奈川中央交通の淵24系統、淵野辺駅北口〜登戸があります。時刻表によれば、こちらは土曜日の1往復のみで、行きは淵野辺駅北口7時発、登戸8時着となっており、帰りは登戸8時12分、淵野辺駅北口9時8分着です。〉

 この種のニュースに積極的なのは読売新聞社のようで、今回取り上げる京阪バスおよび京都京阪交通の話題も同社のサイトで知りました。先に報じられたのは京阪京都交通のほうで、2023年10月14日15時付で「『京阪京都交通』路線バスを減便、JR京都駅―亀岡駅など…運転手不足で」(https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20231014-OYO1T50031/)という記事によれば「減便の対象は、平日の午後2~11時台にJR京都駅と亀岡駅、阪急桂駅(京都市西京区)と桂坂ニュータウン(同)などを結ぶ4路線の計22便で、期間は10月23日~12月15日」であり、「利用者が比較的少ない時間帯」について減便するとのことです。理由はやはり運転士不足であり、「運転手のなり手不足が慢性化する中で離職が相次ぎ、運転手の数が社内基準を約15%下回って休日出勤を余儀なくされていた。12月以降に教習を終えた新規採用者が運行に加わり、従来のダイヤに戻すことができる見通しという」のが救いです。

 そして京阪バスです。2023年11月2日9時付で、読売新聞社が「京阪バス7路線を廃止、守口・門真…来春には9路線も・運転手不足」(https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20231102-OYO1T50003/)として報じており、それによると京阪バスが同月1日に「守口市や門真市などを走る7路線を12月16日に廃止すると発表し」ており、「来春には寝屋川市や京都府京田辺市、大津市を走る9路線も廃止する」とのことです。京阪バスも運転士不足であり、現在は定員の1割程度が欠員となっています。また、12月に廃止される7路線は、寝屋川営業所が所管する3路線、門真営業所が所管する3路線、および「ダイレクトエクスプレス直Q京都号」の一部区間であり、いずれの路線についても代替交通手段があるとのことですが、利用者にとっては大打撃でしょう。但し、寝屋川営業所については1路線、門真営業所についてルートの再編や系統の新設も行うということで、全体的には路線の再編の枠内であるのかもしれません。

 読売新聞社は、2023年11月3日18時11分付で「京阪バス路線廃止で利用客困惑『突然なくなると言われても』『年寄りは生きていけない』」(https://www.yomiuri.co.jp/national/20231103-OYT1T50089/)として報じており、その中で「京阪バスは今年8~9月、沿線自治体に、路線バスの一部廃止の方針を伝えていた」と書かれています。地域公共交通活性化再生法の施行を前に交通事業者が動いていることが垣間見られます。また、同記事には門真市地域整備課と守口市都市・計画課のコメントが掲載されています。門真市のほうは「乗り合いタクシーの運行区間を拡大するなど代替交通手段の確保を検討したい」との見解ですが、守口市のほうは、全国的な課題(運転士不足のことです)が背景にあるので守口市独自の対応は予定していないそうです。この辺りのことはそれぞれの市の事情があるでしょうが、無対応を続けるという訳にも行かなくなるのではないでしょうか。


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