ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

松浦鉄道伊万里駅(2009年8月31日撮影)

2016年07月02日 00時14分05秒 | 旅行記

 (以下は、「待合室」第360回として、2010年4月28日から同年5月4日まで掲載したものの再掲です。なお、一部を修正しています。)

 2009年8月30日、私は、午前中に羽田空港に行き、ANA251便で福岡へ向かいました。西南学院大学法学部の集中講義「税法」を、9月1日から9日まで担当するためです(途中の土日は休み)。2005年度に台風のために福岡入りが遅れ、そのために日程が一日ずれたことから、集中講義の際には初日の前々日に九州に着くようにしていました。

 もっとも、この機会に福岡など九州各地を訪れてみたいという気持ちもありました。そのため、8月は講義の準備をしながら、どこを回ろうかなどと考え、予定を立てたりしていました。実際、2004年度から2012年度まで、私は集中講義の中休みなどを利用して九州島内のあちらこちらを訪れました。鹿児島で宿泊し、宮崎空港から帰ったこともあります。2009年度は、まず佐世保へ行ってみようと思っていました。長崎県には、大分大学講師時代の2001年12月に長崎市を一度訪れたことがあるだけで、佐世保に行ったことがなかったからです。

 福岡空港から地下鉄で博多駅へ移動し、かもめ95号長崎行き5両+ハウステンボス15号4両+みどり15号4両、合わせて13両という特急に乗りました。自由席を利用したので3440円を支払っています。私が乗ったのは最後部の14号車です(6号車がなかったのでこうなります)。鳥栖から長崎本線に入り、かもめ95号を切り離す肥前山口から佐世保線に入り、早岐でハウステンボス15号を切り離して進行方向が逆になり、しばらくすると佐世保に着きました。この日の夕方には大村線を使って諫早にも行きましたので、長崎県内のJR線は全て踏破ということになりました。ついでに記すと、この日に初めて佐世保のハンバーガーを食べました(量と味、そして値段の安さに驚かされたものです。東京であれば1000円前後というところです)。

 翌日(8月31日)、福岡に入る予定でした。ただ、特急で直行したのでは面白くも何ともないので、松浦鉄道西九州線を使おうと考えていました。当初は8時台の佐世保発伊万里行きに乗るという計画を立てていましたが、かなりの遠回りになって時間がかかることから、躊躇していました。また、その列車を逃すと、たしか11時台か12時台になるまで伊万里行きがなかったのです(途中の佐々止まりが圧倒的に多いのでした)。朝、目覚めた時間が早くなかったことが決め手となり、まずは佐世保線の普通電車に乗って有田駅へ向かいました。この駅が、松浦鉄道西九州線の起点であるためです。同線は赤字国鉄ローカル線の一つであった松浦線で、一旦JR九州に引き継がれた後に第三セクターの松浦鉄道に転換されました。

 有田から松浦鉄道西九州線のワンマン運転ディーゼルカー(9時55分発)に乗ります。途中の夫婦石から金武まで、乗客は私を入れて7人でした。

 10時22分、伊万里に到着しました。西九州線の線路はここでスイッチバックをするようになっていますが、列車の運行系統は伊万里で分割されます。私が乗ったディーゼルカーは有田へ引き返します。

 左側が、私が乗ったディーゼルカーでMR-600形です。松浦鉄道では最新の形式です。右が佐世保行きで、おそらくMR-100形でしょう。松浦鉄道開業時(JR九州松浦線からの転換時)からの車両です。1988年に登場していますから、もう20年ほど走っていることになります(その後、全車が廃車となりました)。第三セクターのディーゼルカーにはレールバスと呼ばれるものが多く、既に多くの車両が廃車となっていますが、松浦鉄道のディーゼルカーは軽快気動車です。

 よくみると、左の3番線にもMR-600形が止まっています。駅の外には高層マンションも建っています。首都圏の郊外に来たような気分にもなります。 現在は手前に車止めがありますが、かつてはJR筑肥線と線路がつながっていました。しかし、 現在は分断されており、駅舎も別々になっています。国鉄時代には博多から筑肥線、松浦線を経由して佐世保に向かう急行もあったそうです。JR各社は、多くの駅でかつての国鉄またはJRの路線であった第三セクターの路線との接続を断ち切り、線路を分断させているのですが、これが果たしてよいことなのかどうかと疑問が浮かびます。筑肥線と西九州線を分断せず、唐津から有田まで直通列車を走らせればよいのに、とも思います。筑肥線の山本~伊万里は、いかにも都市近郊路線で幹線らしい電化路線である姪浜~唐津と全く趣を異にし、非電化のローカル線です。もし山本~伊万里が筑肥線でなかったら、赤字国鉄ローカル線として廃止の対象になったかもしれません。

 こちらが松浦鉄道の伊万里駅で、西側にあるので「西ビル」とも言っているようです。首都圏ではまず見かけないタイプの駅舎ですが、松浦鉄道のターミナルと言ってもよい駅ですので、規模は大きいでしょう。私が見た限りでは佐世保駅の次に大きいのですが、佐世保駅はJR九州の駅でもありますから立派なのは当たり前で、松浦鉄道単独の駅としては伊万里駅が一番大きいのではないでしょうか。


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