ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

津軽線の単独維持は困難である、ということは

2023年04月04日 00時00分00秒 | 社会・経済

 このブログで津軽線を取り上げたのは2022年12月19日のことでした。今後どうなるのかと思っていたら、共同通信社が2023年3月28日付で「JR東、津軽線の単独維持は困難 沿線自治体に存廃両案を提示」(https://www.47news.jp/9119515.html)として報じており、東奥日報社が同日付で「津軽線、上下分離で維持かバス、タクシーか」(https://www.toonippo.co.jp/articles/-/1526438)として報じています。ただ、東奥日報社の記事は東奥日報デジタルポートの会員でないと全文を参照できませんので、主に共同通信社の記事を基にして記していきます。

 3月28日、青森県、沿線自治体、JR東日本が会議を行いました。その席でJR東日本側が、津軽線の蟹田駅〜三厩駅の区間について単独維持は困難であると表明しました。

 そうなると、鉄道路線を維持するならば上下分離方式ということになるのですが、試算では沿線自治体(青森県が含まれるか否かは不明)の負担が1年間で約4億円ということで、外ヶ浜町および今別町には重いものになると思われます。また、この区間は不通になる前で1日5往復しか設定されておらず、輸送密度も107人(2021年、中小国駅〜三厩駅)となっており、バス路線への転換もどうなのかという程度の数値となっています。そのためなのか、JR東日本は蟹田駅〜三厩駅について復旧工事に着手していません。ちなみに、存続することとなっている青森駅~蟹田駅の区間でも普通列車は1日9往復しかありません。

 鉄道路線の廃止となれば、路線バスか乗合タクシーか、ということになります。地元がどのような選択をするのかわかりませんが、鉄道を捨てた地域が多いということからすれば、鉄道の廃止はやむをえないところでしょう。

 余談になりますが、津軽線の津軽二股駅のすぐそばに、日本の新幹線の駅の中では最も利用客が少ない駅である、北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅があります。一日あたりの平均乗降客数は52人(2019年度)であり、数字だけを見れば存在意義に疑問符が付くでしょう。勿論、駅の存在意義には様々なものがありますから、乗客数だけで判断してはいけませんが、津軽二股駅の利用客数も非常に少なく、乗り換え需要もほとんどないようなので(津軽線の本数が本数なので)、今後の行く末が気になります。

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