2012年12月25日、私は岳南鉄道吉原駅に行きました。そこで購入したのが、「赤い電車」が企画し、販売している「An・Rail アオガエル型タイプ電車シリーズ」の「岳南鉄道5000系」です。
御覧いただいておわかりの方もおられると思いますが、東京急行電鉄で最初の新性能車である初代5000系です。渋谷駅前にあるハチ公前広場の緑色の主と記せば、さらにおわかりの方が増えることでしょう。
初代5000系は1954年にデビューし、東横線、大井町線、田園都市線、目蒲線で活躍しましたが、早くも1970年代には長野鉄道に26両が譲渡されています。岳南鉄道には1981年に譲渡されており、2両編成で活躍しました。
この5000系が岳南鉄道に入ることにより、同鉄道の車両は統一されました。しかし、活躍はそれ程長くなく、1996年に定期運用から離脱します。京王電鉄井の頭線で活躍した3000系(岳南鉄道では7000形および8000形)に置き換えられたのでした。老朽化が進行したことによるものです。また、5000系は非冷房車で、張殻構造によるためか、冷房改造が困難であったといわれています。
2両編成のうち、パンタグラフが付けられているモハ5000形(東急ではデハ5000形)はほぼ原型のままと言ってよいでしょうが、クハ5100形は中間車であったデハ5100形などを改造したものです。しかし、運転台の部分はモハ5000形と同じスタイルになっています。他の会社に譲渡されたものではこのような例がなかったと記憶しています。
東急の初代5000系で最後まで活躍したのが、熊本電気鉄道に譲渡された車両です。私も上熊本〜北熊本で乗車しました。最後の1両が2016年2月まで活躍し、引退の際には全国紙でも大きく取り上げられたりしたものです。