ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

高知県大川村が町村総会導入への検討を先送りか

2017年08月21日 00時27分37秒 | 国際・政治

 仕事などの関係により(19日には大東文化大学東松山校舎でのオープンキャンパスに出ておりました)、遅れてしまいましたが、19日の朝日新聞朝刊30面14版に掲載されていた「大川村『町村総会』検討先送りの答申 議運『議員の人材育つ』」という記事が目にとまりましたので、メモ的に記しておきます。

 大川村議会の議会運営委員会は、18日に、町村総会の導入に関する答申を出しました。その内容が、検討の先送りでした。理由は、記事によれば「村民の一部から立候補を検討するという声が上がったことなど」であるとのことです。また、住民の多くが議会の継続を望んだ、とも言われています。もっとも、町村総会の導入を断念したという訳でもないようです。

 このブログでも「町村総会が復活か」および「議会を廃止して町村総会を設けることを検討する動き」という記事を掲載しました。町村総会は実例が少なく、日本国憲法の下では東京都宇津木村で短期間設置されたのみであり、しかも資料がほとんど残っていません。大川村でも、総務省の動向などを踏まえる必要があると判断されたようです。ただ、大川村での独自の研究も必要であると考えられます(総務省にも資料が残っているかどうかは疑わしいためです)。

 ここで思い出したのが、我が川崎市高津区のとある町(住居表示が最近施行され、大字から町になりました)の一部に残る「講中」です。おそらく、全国的にも「講中」が残っているところは非常に少ないでしょう。「講中」は、私にとっては或る程度身近な存在でもあるのですが、説明するのが難しいところです。敢えて試みるならば、一種の農村共同体で、構成員は当該集落に昔から住んでいる人に限定されています。町内会などとは異なりますので、御注意を。

 地方自治法などを研究している行政法学者で「講中」の存在を知る人がどの程度いるのか知りませんが、私は、住民自治という格好のよい言葉を根元から実現する可能性があるのは、昔からの集落、あるいは農村共同体であると考えています。その意味において「講中」は非常に興味深いものです。

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