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宴の始末-II (7):来るなら来い by ペンタゴン

2017-06-20 06:36:11 | アジア情勢複雑怪奇

昨日、ロシア軍がユーフラテスの西側に入った飛行物体はなんでも撃つ(意訳)とした措置を受けて、ペンタゴンは、米軍機は自衛するのだ、と宣言した模様。

Pentagon Responds: "US Pilots Will Defend Themselves If Attacked By Russians"

http://www.zerohedge.com/news/2017-06-19/pentagon-responds-us-pilots-will-defend-themselves-if-attacked-russians

 

つまり、撃ち合いに入る可能性がある、ということですかね。これはシリア戦争始まって以来のこと。(とはいえ、最後から2番目の項を参照してくださいませ)

アメさんは、ISのために、テロリストのためにロシアとの核戦争も辞さず、といった状況にわざわざ入っていることをはしなくも表しましたといったところ。

ロイターとか見てると、米はISとの戦争をしている、というラインを保持しているけど、じゃあなんでシリア軍撃ってるんだよというのが実は理屈がつかない。一応Syria Democratic Forcesとかいう勝手な軍を作って、そこを米はカバーに使ってる。あたかもシリア軍みたいに見える、詐欺みたいな名称だが、実情はほぼクルドが中心。

で、それを攻撃されると、何をするのだ~と米は怒るわけだけど、そもそもシリア国のシリア正規軍の代わりに、勝手にシリアの名称を付けた団体を使って何やってんだよ、という話。もちろんテロ支援です。そして、できればイランとの戦争につなげたいというバカ派がいる。

で、現実的には、シリア国軍は、西側の海岸沿いをほぼ収めたので、そこから東側に攻勢をかけてISを押し返してる。逆にいえば、ISがシリア軍の攻勢に押し返されそう。そこで、米軍機がシリア軍機を撃ったのだろうと考えられているようだ(例えばMoon of Alabamaさん)。

シリア国軍がクルドを撃ったから、というのも嘘っぽいという説もあるようだ。つまり、まるっきりのIS支援かもな、ってことですね。

この戦争は見てる人が大量にいるので、ペンタゴンと主要メディアが組んでインチキ報道をやっても、後ろから次から次からいろんな情報とか写真が出てくる。

 

こうなると、イランが昨日自国領西部から撃ったミサイルが狙い通り着弾していたようだ、というのはシリア側にとってグッドニュース。

イランがシリア東部攻撃 テヘラン同時テロへの報復か

https://jp.sputniknews.com/middle_east/201706193779173/

 

■ イスラエルのテロ支援

さらに、今回の場面とは直接関係ないけど、シリア南西部、つまりイスラエル寄りのところはイスラエル支援のrebelがいるというのは誰でも知ってるところ。で、そのことはなんとなくお目こぼし的にあまり言及されていなかったが、急に報道されているのがちょっと注目。いきなり、英Independentを読んでたら出てきた。

Israel ‘giving secret aid to Syrian rebels’, report says 

http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/israel-giving-secret-aid-syrian-rebels-bashar-al-assad-golah-heights-hezbollah-fursan-al-joulan-a7797151.html

検索したら他にもたくさんあって、出元は、ウォールストリートジャーナルのこの記事のようだ。

Israel Gives Secret Aid to Syrian Rebels

https://www.wsj.com/articles/israel-gives-secret-aid-to-syrian-rebels-1497813430

イスラエルは、シリアとの国境付近のシリア人の武装集団に、現金、食料、燃料、医療を長年補給してきた。敵国の内戦内における秘密の行動で、友軍の存在でバッファゾーンをつくることが目的だ。

とか、もっともらしい、今初めて気がついたようなことを書いている。が、出て来たことが新しい。それも主要メディア多数に。

 

■ チキンゲームをゲームで済ませられるのか

ということで、全体としてみれば、米とロシアは大崩れにならないよう全体のピクチャーを見ながら、チキンゲームをやっているのであろう、とは思うものの、バイプレーヤーの暴発によってコントロールできなくなる可能性もなくはないのが現状といえるんだろうと思う。

ロイター他の世界中の報道が、米はISと戦っているという偽情報を振りまいていることが、実は火種になる可能性があると、メディアは理解してないんだろうなぁってところも気がかり。

つまり、米の大義みたいなものを保存することで、それを妨害する悪しきロシアを叩け、というモードを温存してしまってる。その意味で、主流メディアこそ戦争の賛助機関みたいなもの。

 

で、相変わらず信用ならないのは米軍の中は本当に指示系統が一つなのだろうか、というあたりだなぁとかも思う。中が割れてるやろ、とか思うわけですよ。

 

一応、冒頭で書いたロシアの宣告に対するペンタゴンの「自衛」宣言は、勢いよく西側メディアに出回ってはいるものの、TASSの取材によれば、その一方で、ペンタゴンは、紛争解除のために設定してるラインは今も有効でどうしたこうしたと語っているようなので、よーし、と踏ん張ってIS+アルカイダと共に進む21世紀路線を米軍が正式採用するという気配はないようだ(あはは)。

Pentagon considers US-Russia deconfliction line effective

http://tass.com/world/952196

 

こうなってくると、TASSを含むロシアの中のロシア政府に限りなく近いメディアだけが、紛争解除のための冷静な報道ラインかもしれないな、という気もしてきた。アメリカにはもうそのためのメディアはないに等しい。イランはターゲットにされてる方なので、気合を入れるために結構壮語することもあるからまともに読むと大変な誤解を招くこともある。

 

■ オマケ

結局、テロリストを振りまく作戦によって自分も振り回されて、dignityを失っているのが米軍というより西側だな、という感じがひとしお。

ということは、全部をアメリカ様にかけちゃってる日本にとっては、実はポテンシャリティとして大変な事態に入ってると思うんですけどね。どうなんでしょう。

 


 


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1 コメント

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『イランの弾道弾無双』 (ローレライ)
2017-06-20 13:28:26
『イランの弾道弾無双』で米軍も手が出せない事は『北の火星ミサイル』と同様な事がわかる。
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