裁量労働制の拡大問題は、どうも今国会見送りになるらしい? twitterに「裁量労働制」と入れたらこの2つが上にあった。
小池晃認証済みアカウント @koike_akira 20時間前
裁量労働制を切り離し、今国会見送りの情報が。 しかし問題はこれだけではない。高度プロフェッショナル=残業代ゼロも、過労死合法化の残業時間上限100時間も大問題。 裁量労働制の対象拡大も、先送りではなく撤回させなければ。 政府は「働かせ方改革」法案全体の提出を断念せよ!
小沢一郎(事務所)認証済みアカウント @ozawa_jimusho 7時間前
安倍総理があれだけ高らかに宣伝していた「裁量労働制」拡大の今国会実現を断念。根拠データの捏造が原因。そして「悪いのは全部厚労省」と答弁。都合が悪くなると、森友のように自分は知らない、関係ない。結局、今回は残業代を支払いたくないお友達に頼まれてやっていただけ。間違いなく国難は総理。
とはいえ、この内閣は卑怯者揃いなので、油断してはいかん。高プロも問題。というより、現行の労働法制をなし崩しにすることが目標なわけでしょ? 派遣法拡大もそう。ここをどうにしかして議論に乗せるべき。
ちゃんとした議論もなく、データもお手盛りのインチキでこんなことをしてはいかんでしょう。
それはそれとして、私が今日考えていたのは、こんなインチキなデータで作った、多くの労働者にとって何にもいいことがない法制が国会にかかっている、これが80年代までに起こってたら、今頃電車止まってるよな、ということ。
今の人は電車が止まるとは株の乱高下で誰かが自殺したことしか思い浮かばないかもしれないけど、昔は大きなストというものがあってですね、特に鉄道関連の組合は強かったため、何かあると電車が止まってた。
確か、その鉄道そのものに直接関係なくても、労働組合の団体が決めたら首都圏全線が、みたいな止め方をしていたものと思う。
これはこれで、利用者の不便を考えろ~という声もあったんだろうけど、でも、政府 or 政権与党(日本の場合この一致度が高すぎるのがまた別の問題)が暴挙を始めた時には結局こういう「実力行使」的なもので止めるしかないというのもホントだってことなんだろうなと今更ながらそう思う。
労働団体というものが限りなく小さくなってしまうって、実は恐ろしいことだったんだなぁと、これまた今更ながらそう思う。多分、あまりにも政治マターとなりすぎて労働組合潰しが求められちゃったんだろうけど、程度問題だったんじゃなかろうか。
大昔、女性社員として入った会社はいわゆる財閥系だったのでしっかりとした組合があった。が、自分にとっての必要性を意識したことのない私は、かなり批判的な目で見ていたような気がする。多分、失礼な言動まではしてなかったと思う(願う)けど、温かくも見守っていなかったし、何も参加してなかった。
今となって考えるに、大きな会社にとっての必要性は自由な適否判断でいいにしても、他の、ずっと小さい会社にはその後ろに大きな団体が必要だとかなり真剣にそう思う。そうしないと、労働法制って守られない。労働法制が全般的に守るべきであると思われなくなるというのは、実に怖いこと。しわ寄せは下に向かう。それは社会にとって良いことではない。
しかも、日本の場合、人間関係の構築において他の先進国(つまり概ね欧州由来)の国とはまた別の特殊慣行がある。ブラック企業問題なんて、私には陸軍の内務班問題の延長にしか見えない。こんなものが消えないって何よ、と思う。だからこんなの行政が立ち入って表に晒して、これはいけませんと社会的制裁を加えるべき、とかかなり真面目にそう思うんだが、そうはなってない。
個人もまた、なんでだかその会社の中で著しい不利益を被り、著しく人格を侵害されているのになんでそんな会社にいるんだろう、という私には謎のケースもある。ただ、こういう場合に、仕返しや報復が恐ろしい、あるいは、保証書を書かされているとかいうケースもあるわけでしょ。こういう恐ろしいケースの場合、こここそ司法、行政が介入すべきだし、そこに行く前の窓口を揃える必要がある。
ここらへんを考えていくと、結局、労働法制をひたすら考え、行動し、守らせることを一意に専念する党を作るべきという話になるんだろうと思う。現状はどこの先進国も冷戦期の党が崩れて、わけのわからない状態になっているけど、それが一段落したら、どこでも働き方の問題、すなわち労働環境、社会環境を考えるトレンドになるんじゃなかろうか。つか、これができるところは次の50年、100年を考えられるnationとなり、そうでないものは落ちていく、みたいな感じか。
■ 関連
■ オマケ
今日の国会のやり取りらしい。
参院予算委。大塚「総理、スーパーのレジ係が倍の速度で仕事をやったら生産効率は上がると思いますか?」
安倍「上がると考えます」
大塚「上がるわけ無いでしょう。レジが倍の速度になっても客の購買力は変わらない。議論が噛み合わないはずです。ここを無視して労働生産性だけ議論しても無駄だ」
これ、ものすごく大事な現在の日本政府および財界のトレンドを言い当ててると思う。
購買力を増やしてパイを維持、若干でも拡大するのじゃなくて、人件費等のコストを減らして、各社にとってのリソース利用の「効率性」をあげ、各社の利益を拡大する方向に行っている。
しかし、それは「生産性(Productivity)」の向上と同義ではない。生産性はあくまで付加価値のついた何かを生み出さないとならない。そしてこれが富へとつながる。
別の言い方をすれば、上の関連記事で書いたように、
そこで、労働者賃金を圧縮して、国内を打倒にする方向に行っているんじゃないのかな、と考えてみて、怖くなる。でも資本に国境はないんだからそうなるのでは?
つまり、総じていうなら、生産性の向上の方に行っているんじゃなくて、国内のコストを圧縮する方にしか考えがいってない、ある種国内が収奪対象になっているということとも言えるかも。
植草さんが、日本の株価が上がることは不思議ではないですよ、といったその意味も多分ここを見越しているからだと思う。