ウクライナの状況は、軍事的に現行のウクライナ軍なる実のところNATOの先兵軍には決定打などない、という状況を3、4、5、6、7、8と半年続けた。
この間、仮想戦記で名高い英国国防軍などは、ロシア軍は滅びる、劣悪、弾がないと大騒ぎをしていたものだが、そうはならず、ウクライナ側がさらにじり貧になっている。アゾフやドンバスにいた、鍛えた人たちが枯渇していくだけだったので、民間人の中に陣地をこさえてみたり、人間の盾を普通に使うといったテロリストっぽさ満載ではあるが軍事っぽい作戦が決行できる段階から、散発でPR狙いのテロが主体になっているってところでしょうか。
ここにきて、サボタージュが過激化しているのは、他にやりようがなくなったことも1つだけど、時間的なものもあるでしょう。ヘルソン、ザポロージャは、9月に住民投票をすると言っている。つまり、クリミアと同様のことが起こる。ドンバスは既に独立を宣言しているので、今さらそれはない。
上から3番目の「ノボロジア・ライト(コメント欄参照)」が完成する。しかしこれで終わるとは誰も思ってない。
(この図は3月に拾った。上手くできてる。下がウクライナにとって有利、上に行くほどロシアにとって有利)

ウクライナ過激派はそれを阻止したいに決まってる。だがしかし、やればやるほど現在ウクライナといわれる地域に住んでいる一般人は、まさにその過激派の故にロシアを頼りにしよう、となるのは必定なのだが(誰だって自分を撃ってくる人たちを自分たちの代表とは思わないでしょ?)、それがわからないのが過激派。
原発を破壊してやる~というのもそうだし、一昨日は、ロシアの哲学者の娘を爆破して快哉を上げる始末。
そしてそれを支援しているのが西側。 https://t.co/j3wPqykKN4
— DEEPLY JAPAN (@DTJTakumi) August 23, 2022
■ テロリスト心理に嵌る
いやしかし、29歳の女性を爆破することにどんな意味が求められるんだろうか。人間ってほんとに、とことん愚かになれるものだとある意味感心する。
⚡️ロシア連邦保安庁の公式発表より
— 駐日ロシア連邦大使館 (@RusEmbassyJ) August 23, 2022
ロシア連邦保安庁による緊急捜査の結果、🇷🇺ロシア人ジャーナリスト、ダリヤ・ドゥーギナ氏の殺害があきらかになった。犯行は、🇺🇦ウクライナ諜報機関により計画、実行され、実行犯はウクライナ市民のナタリヤ・パブロブナ・ヴォヴクである。https://t.co/i7Am2Vlo4N pic.twitter.com/a4Ox4n35Wl
そしてそれを、この女性の父親の故なのだと殺害を正当化しているのが西側のメディアなわけです。
多分、娘じゃなくて父親を狙ったんじゃないか、とは思うものの、それですら、どうやって正当化できるの?という話し。そこで、ロシアの特殊作戦に多大なる影響を与えたドゥギンとかいう説を触れ回っているのでしょう。
CNN は、アレクサンドル・ドゥーギンが「ウクライナ戦争の設計者」であると述べています。
— Skipper (@Skipper75972590) August 22, 2022
それはあからさまな嘘です
西側のメディアは、テロリストによる無名の哲学者への攻撃を正当化するために、フル稼働しています https://t.co/ji8tBazbYh
一人の結構過激なことを言う言論人の発言に引きずられるほどロシアは小さい国なのか?と、考えれば誰だってわかるんだが、プロパガンダ屋に事実は関係ない。プーチンは狂人、狂人が狂人に影響され、狂ったことをしている、ぐらいの方がちょうどいいのでしょう。
元twitterのクリントさんは、アメリカ人のロシア研究者ですね。アメリカの外交コミュニティーは、反ロシア、ロシアを破壊せよ、プーチンを破壊せよという志向を持ったロシア研究者ばかりを揃えてるが、これじゃ相手を理解できないだろうと勇気を持って批判していた人。
今年の1月に、ごく短い時間だったけどFoxのタッカーの時間に出て来て、
Clint Ehrlichさんという研究者の人が、事態を放置すると、ヨーロッパで戦争が起き、アメリカももちろん無事じゃない、そういう事態なんですよ、と冷静に分析した。
ということがあって、その時、このクリントさんのtweetを並み居るネオコン、ネオリベ連中が攻撃するという一幕もあった。
ウクライナ問題というより、反ロシアのスパイラル問題
だがしかし、それら正常派をふりきって、英、米、EU、日本の過激派連中が戦争を選んだ。
アゾフの顛末を見る限り、国連のグテレスも法王も仲間らしいので、オール西側がロシアを崩せばいいことあるという妄想に賭けた、って感じで、それは今も生きている。半年では何も変わっていない。
ということで、紛争は長いこと続く。なにしろ、ウクライナをカバーにしたNATO集合体は、ロシアがクリミアを含むウクライナから出ていくまで戦争だと言っているんだから、それは殆ど永遠のようなものでしょう。
しかしまぁ、一体全体、西側って何者なの? 到底、自由だの民主主義だの、法の支配だのといった概念と関係を持ってる人たちには見えない。テロリスト化する西側団体って感じしかしない。
その狂人エンティティーが今度どうなるのかは誰にもわからない。
わかるのは、いつでもアメリカにとって最も重要なのはマーケットだということぐらいか。ここはタフにできてる。
■ 答えのないキッシンジャー
そういえば、8月前半にはキッシンジャーがウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに応じていたことがちょっとした話題になっていた。
「マスコミに載らない海外記事」さんが、そのインタビューを受けたジョンストンの記事を翻訳されていた。
今のアメリカ戦争挑発は、ヘンリー・キッシンジャーを怯えさせている
2022年8月14日
ケイトリン・ジョンストン
ケイトリン・ジョンストン
この中で、
(中略)キッシンジャーは謝罪しようとしない戦争挑発精神病質者のままだ。だが、もし彼が人間として変わっていないなら、何が変わったのだろう? 彼はなぜ今アメリカ侵略を警告し、帝国は度を超したと警告しているのだろう?
もしキッシンジャーが変化していないなら、変化したのはアメリカ帝国自身だと我々は推測できるだけだ。その行動は今非常に正気でなく、非論理的なので、99歳のヘンリー・キッシンジャーを不安にさせているのだ。
という一文がなかなか上手。実際そうでしょう。キッシンジャーは2014年からこの悶着をどうやったら西側優位なものにできるかいろいろやってるんだと思うけど、事態はそうはなっていない。
2014年には、ウクライナをNATOに入れるな、フィンランド化しろと言っていたのに、8年経って、ウクライナはNATO諸国の軍と諜報に入り込まれた単なる前線となり、フィンランドは中立策を捨ててナチ化してた。
中国とロシアがひっつくことこそこれらの「戦略家」の悪夢だと誰でも知ってるわけだが、それも防止できなかった。
ということで、チャートなき航海ですね。
最近,ウクロナチはオデッサのエカテリーナ二世像を撤去することを計画していると伝えられていますが,オデッサの名前はどうするのでしょう.
タイムリーなコメントがありがとうございます。
上の図の「ノボロジア」プランにオデッサが入ってないのはいかんだろう・・・でも難しいところだからなぁ、など考えておりました。
従って上の図の「ノボロジア」は「ノボロジア・ライト」としておきたいと思います。
オデッサは人々がどう考えているのかが定まることによって、「正統ノボロジア」に入っていくことになるであろう、と考えます。
これで心置きなくロシア軍が行動する大義が出来た!
https://www.youtube.com/watch?v=Og63dNUAEa8
このフランス在住のロシア人(ドイツ在住が長い)が、露語―独語の翻訳間違いを指摘しています。ダーシャの事件後の父親の言葉を番組で紹介しています。
正訳:「我々の魂は単に復讐とか報復を渇望しているのではない。それは些細な事で、ロシア的ではない。我々に必要なのは我々の勝利だ。」
ドイツのニュース番組の訳:「我々の魂は、復讐或いは報復のみを渇望しているのではない。それだけではあまりに少ない。ロシア的には不十分だ。我々には勝利のみが必要だ。」
ドゥーギンは、ロシアよりも西側で有名な「極右の理論家」みたいですが、Tagesschauのドイツ語訳は、このことを補強するために、わざと間違えたように思います。こういう風に、悪意を持って真逆の意味に訳するのも西側マスコミの手口なのでしょう。それと、このyoutube内で、彼女が説明するには、ロシアで「我々の勝利」という表現を使った場合、明らかに「大祖国戦争」の勝利を連想し、単に戦争で勝つという意味以上のものを持つそうです。
ほんとにもう、どうしてそうまでして何でもかんでも捻じ曲げるんだろうと呆れますが、それが現在の西側というもの。
おっしゃる通りドゥーギンはロシアより西側で有名な人で、アメリカの右派がいたずらに持ち出しているのを見て、何か危険なものを感じていましたが、こんな使われ方をして、結果的に、ドゥーギンではなく娘が、今般のナチとの戦いバージョン2の殉教者の1人になったように思う。
私たちの動機は正しく、敵は粉砕され、勝利は我々のものとなる(our cause is right, the enemy will be destroyed, and the victory will be ours)というものの考え方の機序の、最初の動機付けの例を強調したような事件がまた起きたわけですから。
こんな野蛮人を野放しにしてはおけないとみんな思ったことでしょう。
やっぱり、和平妨害なのではと思う。
どうして、ロシアとウクライナが和平のテーブルについてはいけないのでしょうかね。誰ですかね、妨害してるのは。
私としては、(所謂大国でない)インドネシア仲裁の和平に期待していたのですが、もしかしてG20にロシアが参加することへの嫌がらせでしょうか。
ロシアとウクライナ、文化的、歴史的に切っても切れない国同士の戦争は、近親憎悪のようで、一層残酷です。辛い。