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ユーラシア、そして英露、米中

2016-09-04 16:27:43 | アジア情勢複雑怪奇

温暖化の話は常にどこか嘘くさい。だから、これは要するになんらかの政治的方向性の話なんだろうな、と思って引いてみている。

で、それはそれとして、アメリカと中国がパリ協定を批准して、つまり発効に向けて大きな前進があった模様。オバマなんて、地球を救う一歩だったみたいな大げさなことを言っていた。

アメリカ・中国がパリ協定締結 発効に向け前進へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160903/k10010667841000.html
9月3日 19時31分 NHK

アメリカのオバマ大統領と中国の習近平国家主席は、日本時間の3日午後8時前から首脳会談を行います。これに合わせて、アメリカは地球温暖化対策を進める国際的な枠組みの「パリ協定」を受諾する文書を国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長に提出し、また中国も協定の批准を決定する文書を提出して協定は発効に向けて、大きく前進することになりました。

オバマ政権って、最初から最後まで中国に揉み手しまくっていた政権だったなという印象。

 

■ イートン校のボーイズ、プーチンを訪問する

一方、モスクワでは先週時ならぬ「賓客」があった模様でイギリスメディアがわ~わ~言っている。

なんでも、あの有名なイートン校の生徒11人がクレムリンを訪問し、プーチンと会談したんだそうだ。

Eton boys secure private audience at the Kremlin with Vladimir Putin
https://www.theguardian.com/world/2016/aug/31/vladimir-putin-eton-boys-private-audience-kremlin

 

■ アン王女、アルハンゲリスク訪問とプレゼント

さらに、これに先立つ8月31日には、前にも書いたアルハンゲリスクの記念式典が滞りなく行われ、予定通り、英王室のアン王女が英海軍のユニフォームまで着て参加されていた。

前の記事はこれ。

アン王女、アルハンゲリスク訪問

で、これは第二次世界大戦におけるイギリス海軍とソ連の共同作戦を記念したものなので、一応イギリス他のメディアにも地味に取り上げられていた。

でも写真もあるし、これが詳しいかな。

UK’s Princess Anne pays tribute to Arctic Convoys in Arkhangelsk
http://rbth.com/politics_and_society/2016/09/01/princess-anne-in-arkhangelsk_626085

 

で、あくまで眼目はアルハンゲリスクなのだが、アン王女にはその式典の後だか前には、もう一つなかなか興味深いことが起こっていた模様。

ロシア下院議長のセルゲイ・ナリューシキンさんが、アン王女に、ニコライ1世の息子コンスタンチン・ニコラエヴィチ大公の手書きの図面をロシアのアーカイブから持ってきてプレゼントしたんだそうだ。

(いつも妙に男前なナリューシキン)

その際ナリューシキンは、「あなたの曽祖父のもの」と言った、と。

え?と一瞬考え込んだ私。英王室、ロマノフ・ロシアはあちこちで親戚関係になっている人がいるのは知っているが、(現在のエリザベス女王のおじいちゃんである)ジョージ5世とニコライ2世の関係は、ジョージ5世から見た時、ニコライ2世は従妹の亭主なので直接の血縁ではなかったはず・・・

と、それはアン王女から見た時の母方であって、父方は別。

父であるエジンバラ公フィリップ、つまり世界一有名な女王様であるエリザベスの御亭主の曽祖父はコンスタンチン・ニコラエヴィッチ大公だった。つまり、フィリップさんの高祖父は、ニコライ1世だった、と。

ニコライ1世→コンスタンチン→オルガ(娘、ギリシャ王室に嫁ぐ)→アンドリュー王子→現エジンバラ公フィリップ、というライン。

別の言い方をすれば、エリザベス女王にとってロシア王室はあくまで親戚の範囲だったが、エリザベスの子孫の世代は、フィリップの存在によってロマノフ家に直接に繋がるということ。

だからなんだと言ってしまえばそれまでだけど、下々でもそうであるように、親戚だったのね、というのをきっかけにして友好を深めたり歴史を紐解こうという気になるのはよくあること。

それかあらぬか、英テレグラフによれば、アン王女はローヤルファミリーで最もロシア(またはソ連)を訪問したことのある人であるらしい。

さらには、ソチ五輪の時、英国選手団を率いて開会式に出席していたんだそうだ。見逃してました!

 

で、ここまでくると、私が頭に思い浮かべてしまうのは、ロシア革命の時のイギリス王室。欧州中の貴族階級がびっくらこいたわけだけど、いかなイギリスといえども直ちに行動は起こせず、しかし確か黒海に艦隊を出して王族、皇族の人たちを救援していたと記憶する。殺害された最後の皇帝ニコライ2世のお母さんも最初はロンドンに到着して、そこから出身地であるデンマークに戻ったんだっと思う。

この事件の時このへんの階層の人が思ったことはただ一つだろうと思うんですよ。やつらか、と。

であれば、欧州中のいわゆる上流階級は現在もなお利害と過去の成り行き(いつどっちに付いたとか、誰が誰を裏切ったとか)で、それぞれに思惑があるんだろうなぁとか思う。

 

■ ベルリン・モスクワ・北京

とはいえ、イギリスが総じて懐メロになってるわけもなく、基本の戦略に合致しているからこの方向を静かに取っているじゃないんですかね。

それはドイツとロシアをくっつけるな、ってこと。ベルリン・モスクワ・北京の団結は断固阻止せな、ってことじゃなかろうか。今回はそこにイランという地力のある古豪が登場してるからなおさら大変。

そういうわけで、イギリスがロシアに声をかけ、アメリカが中国を抱き込む、ってな感じになってるんじゃなかろうか。アングロ・アメリカ覇権にとっての悪夢はユーラシアの団結だから

またこれか、って話。そうなるとフランスの動向が結構鍵だね。

(左から、フランス、ドイツ、ロシア、イギリス)

 


 

 


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2 コメント

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『新ウィーン体制』 (ローレライ)
2016-09-05 06:11:28
『シルクロード復興会議』がイランで行われて『中国の台頭を助ける』とベラヤチ元外相、ヨーロッパでは『新ウィーン体制』的状態でフランスは『パリ会議の炭素マネー推進』。
返信する
プーチンフランス訪問 (ブログ主)
2016-09-05 15:44:14
なるほど。

プーチンは10月にフランスを訪問する予定。フランスにはロシアセンターなる施設ができるとオランドがプーチンとの会談で言ってました。
返信する

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