北朝鮮が水爆実験をしたそうだ。
それに対して日本の立場は、非難は当然として、まだ「最大限の圧力」で不変らしい。
河野氏はまた、国連安保理議長国のエチオピアの臨時代理大使を含め、非常任理事国9カ国の駐日大使らとも会談。河野氏は各国大使らに対し、「いまは対話の時ではなく、より強力な安保理決議を追求することを含め、北朝鮮に対し、最大限の圧力をかけることが必要不可欠だ」と伝えた。
http://www.asahi.com/articles/ASK943ST9K94UTFK006.html
アメリカは、攻撃を含めてオプションはなんでもありだ、という態度は一貫してる。これって実は対応は白紙だと言っているも同然ってことですけどね。
また、アメリカと南の朝鮮は、空母、戦略爆撃機を朝鮮半島に展開させることを話し合っているそうだ。韓国は何の展望あってこんなことをしているのかさっぱりわかりませんが、持ってるものみんな出してくるんでしょうか。
S. Korea, U.S. discuss deploying aircraft carrier, strategic bombers to Korean Peninsula - Seoul
https://www.rt.com/news/401913-south-korea-carrier-bombers/
中露は、現在中国でBRICS会議が行われていることもあり、北朝鮮の核実験には共同で適切に対応する、と発表。
Xi, Putin agree to enhance strategic coordination, appropriately deal with DPRK nuclear test
http://www.globaltimes.cn/content/1064618.shtml
今回日本は、なぜだかロシアと話をしていた。安倍ちゃんも河野大臣も、アメリカと話し、次にロシアという順番で電話会談したみたいだ。
それに対して、ロシアは、習&プーチンが話し、その後にプーチン、安倍が話す、という順番だったそうだ。
http://tass.com/politics/963428
中国とアメリカの対話を、中でロシアと日本が代理になったんだろうか? わかりません。
プーチンと安倍ちゃんの会話についてのクレムリンのまとめはここ。
プーチンは、国際社会は感情に流されないよう(should not give way to emotions)、冷静に、合理的に行動するべきだと語り、また、朝鮮半島に関する核やその他の問題に対する包括的な解決は、政治的および外交的な方法でのみ達成される、と語った。
Vladimir Putin said the international community should not give way to emotions, but rather to keep its composure and act reasonably, and he also emphasised that a comprehensive solution to the nuclear and other issues on the Korean peninsula can be reached through political and diplomatic methods only.
http://en.kremlin.ru/events/president/news/55512
ということで、「今は対話の時ではない」とおっしゃる河野大臣(つまり、日本)とは、あいかわらず対局にある言明をプーチンはしていると言っていいでしょう。
また、河野息子は、拉致問題が片付くまで対話しないと言い続けた安倍ちゃん路線の継承者ということなんでしょうね。どこまで行くと対話できるのか知らせてほしいものです。
多少腹立ちまぎれにいえば、単純に、この政権の人たちは全員、もれなく、対話する、人と話す、とりわけ意見の異なる人と話す、言語を使って行為する、という行為に著しい難点を抱えているので対話というオプションがないのではないかなど、おちょくってみたい気もする。
■ イランのディールがモデルとしていいんじゃないの by メルケル
そんな中、メルケルが北朝鮮問題はイランのケースをモデルにしたらいいんじゃないかと言ったという記事が出て来た。
Merkel Backs Mattis Against Trump in Call for North Korea Talks
いいってか、私はそうなるんじゃないかと思ってたりする。よーやく来たーとか思った私。核が目算に入ったところで、これ以上はあかんな、話し合いのテーブル設定しよ、で、核を取り上げることで合意する、という流れ。
で、イランのケースは、イランが核兵器製造プランをあきらめる代わりにロシアがある種の核の傘をもたらしたようなもの。これを6か国(国連常任理事国+ドイツ)が認めたのがこのイランに関する六か国合意。
北朝鮮の場合も、多分最終的には、テーブル設定して、北朝鮮の国としての存立を脅かすような外からの攻撃を防ぐような話になるとして、で、誰がそれを保証するのかってのが結構な問題だというのがイランとは異なる。イランの場合は位置的にロシア以外に妥当な国がない。インプリケーション(示唆)として、イスラエルからイランを守るってのも含まれるわけだから、それを成し遂げられるのはロシアしかない、と言ってもいいでしょう。
北朝鮮の場合は、順当にいけば中国なのか、ロシアなのか、それとも中露なのか、これだけでも問題だが、はたまた米なのか、というオプションもなくはない。まぁ無理筋だと思うが。
ということで、これは話し合いと、周辺環境を整えないと上手くはいかない。
多分、実のところ問題は日本なんだと思うわけですよ。中国ならロシアの方がいいと考える人と、ロシアなら中国が、と考える人と、全部だめだ、アメにする、という人と、いいや、日本が核もって出張ると考える人(オッズは最悪なわけだが)が、大した理由もなく混在しているのが日本。
というより、日本は頭の中がまだ冷戦よ再び、なので、中露と安定的に対話できる土壌がない。ここらへんを含めて北朝鮮問題なんだと思うな。
でもって、イスラエルがパニックしながらソチに飛び込んでプーチンと面談したという話とか、ISISとヒズボラが合意して、レバノン側にいたISISがシリアを突っ切ってシリアのイラン国境側にバスで移動するものの、アメリカが反対して騒いでるとかいう、妙な話が出てきている現在、これはつまり、極東側もエンディングに来ているのではなかろうか、などという気もする。
中国のアート展を楽しむプーチン大統領と習主席
http://en.kremlin.ru/events/president/news/55511