昨日は、国連安保理で、エジプト提案によるアメリカによるエルサレムをイスラエルの首都とする認識は無効だとの決議が採択され、安保理15カ国中14か国が賛成、アメリカが拒否権を使って否決していた。
この模様をRTはライブで流していて(音声だけだったが)、偶然開けたので片づけ事をしながら聞いていた。日本は今月はお当番で議長国なので、議事は別所国連大使が進行していた。落ち着いたいい声でしたと、そんなことが問題ではないのだが(笑)、安保理担当各国のみならず、イスラエルとパレスチナ代表も来て演説していて、今後も、どうしても揉めるものはこうやって会議をしつつ、各国ごとの交渉もし、ということになっていくんでしょうね、と思った。それしかないし。
エルサレム問題 国連安保理 無効決議 米の拒否権で否決
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171219/k10011263391000.html
アメリカのトランプ大統領が中東のエルサレムをイスラエルの首都と認めたことについて、国連の安全保障理事会では、エルサレムの地位の変更は無効だとするエジプトが提出した決議案が採決にかけられましたが、アメリカが拒否権を行使して決議案は否決されました。
と、その前に、さっき、
東エルサレムをパレスチナの首都に認定せよ by OIC
の記事に、「私は黙らない」さんが
私がイスラエル国籍のユダヤ人だったら、エルサレム首都認定は、大変迷惑だと思う。イスラエルの安全保障上、何一つ寄与しないばかりか、国の存続を危険にさらす可能性さえあると思う。エルサレム問題に関するイスラエル国民の世論調査が見てみたい。(ネットで探したけど、見つけられず。)リクード(ネタニアフ)の見解は、国民の総意なのだろうか?
東エルサレムをパレスチナの首都に認定せよ by OIC
とのコメントをくださって、ああ、そういえばと気が付いた。
イスラエルの一般人の中には賛成していない人が結構な数いるだろうと考えられているのみならず、表に出てきて喜んでないと言っている人もいたりするんです。
ただ、そのへんを西側メディアはあまり(ほとんど?)拾っていないかも。しかし、RTは当初から伝えている。今回のでもそう。やっぱりイスラエル情勢に強く、かつ、西側の政治的是正見解を強いられるいわれはないロシアですね、このへんは。
Muslim leaders call for recognition of East Jerusalem as Palestinian capital
Published time: 13 Dec, 2017 09:26
Edited time: 13 Dec, 2017 14:57
https://www.rt.com/news/412942-erdogan-trump-jerusalem-decision/
この記事の中の2:34あたりから、イスラエルの一般人の声。トランプの決定に必ずしも賛成ではなくて、これによって騒乱が増えるだろうし、無謀な決定だと言っている。
ということは、近隣各国も反対し、イスラエルの中にも反対意見がある。
ということで、結局のところトランプの決定を引き出したのは、大金持ち揃いのイスラエルロビーと過激なクリスチャン(Quartz紙の引用)、福音派クリスチャン(ウォールストリートジャーナル)が主体だろうとRTは結んでいる。
また、ネタニヤフは汚職で追及されているので、今週も結構な数の人数の集まった反ネタニヤフのデモが行われている。
In Tel Aviv, anti-Netanyahu protest becomes a civics lesson for kids
https://www.timesofisrael.com/in-tel-aviv-anti-netanyahu-protest-becomes-a-civics-lesson-for-kids/
で、ですね。要するに、イスラエルに住んでいる人と、イスラエルを使って商売している人は違うってところがこのエルサレム問題、というよりイスラエルを巡る問題の結構重要なファクターなんだと思います。
イスラエルを、イスラエルに住んでいる一般人を主体に考えていけば、現在のような近隣すべてに敵対なんてことが長年続けられるわけはないから。
■ オマケ
トルコのエルドアンは、そんなことなら東エルサレムにトルコ大使館を置くことも考える、とか言い出している。
トルコ大統領「東エルサレムに大使館も」 米に対抗措置
過激だわ、と見えるだろうが、でも誰がかこれを言い出さなければ、イスラエル+アメリカに抗した恰好にはならないわけですからね。いいんじゃないでしょうか。
ロシアが言い出すのが一番インパクトはあるわけですが、ここはパレスチナ、イスラエルの両方の話を聞ける立場の国なので、今後のことを考えるとそれは望ましくないし、そもそも、やっぱりこれはイスラムの国の仕事でしょう。
また、イランがやるとイスラエルとガチンコになりすぎる。そうするとNATOの加盟国であり、実のところNATO内でアメリカに次ぐ軍事力を持っている(その意味でそう簡単に誰も潰せない)トルコは、他方でロシアとの関係を良好にしたことでSCOとも接近。結果的に、とても強い立場になって、周辺の調整にとっての重要プレーヤーとなったと言えるでしょう。今やってるのは、要するに20世紀初頭のオスマン問題の再調整みたいなものだから、出てくるのも当然ちゃ当然なんだが。
アメリカは、ロシア・トルコ間のトルコストリーム天然ガスパイプラインを潰そうとしていたが、ロシア、トルコは絶対作る、断固作ると建設中だったりもする。
そうそう、アメリカが如何に国際法無視、なかんずく国連憲章無視の存在だったかがよーくわかる。
別の見方をすれば、今まで西側メディアが「判決」を出す仕組みだったものを、少なくとも国連に持っていこうとしているともいえるんじゃないですかね。
このきわめて少数グループの存在感は、他を圧倒している。この国でも、人口比率2%にも満たない彼らが、カネと情報を掌握し(金融、メディア、IT、エンタメ)、要所要所に自らの人員を配し(連銀総裁、等)、全世界に張り巡らされたシンジケートで世界を動かす。
白人クリスチャンのユダヤに対する思いはアンビバレントだと思う。彼らが親イスラエルにみえるのは、長年にわたる徹底したホロコースト教育(被害者としてのユダヤの刷り込み)の賜物ではないだろうか。非常にデリケートな問題なので、彼らが本音を言う事はまれだと思うが、ふと、宗教上での嫌悪感のようなものが垣間見られることがある。
あまりの存在感に反ユダヤ論に走る輩もいるが、私がいつも思うのは、それはユダヤ人の総体ではなく、おそらく一部なのだろうということ。日本が軍国化しているからと言って、日本人が全員安倍のような野郎ではないのと同様、一般のユダヤ人の中には、良識ある平和な人々もいると信じたい。ブログ主さんの言うように、エンティティとしてのユダヤと、一般のユダヤ人はイコールではないということ。
素敵といったら語弊がありすぎ、興味深いといえば無味乾燥すぎる、というわけで形容に悩みますが、とても心に残るお話です。
ニシンとユダヤ人の結びつきは初めて聞きました。でも、ロシア、ポーランドあたりの人たちはへリング(ニシン)やらマカレル(サバ)やらを普通に食べているように思うんですが・・・。北米にいる時、ニシンの塩漬けの料理法をポーランド人に教えてもらったことがありました。
仮訳開始「ユダヤ民族はなぜ魚を愛するのか」
魚とはその腹の中に詰めものを容れられ調理済みとなったものに限らず,それはユダヤ教の教義の実践に際して必ず付いて回る食べ物なのである.魚はまたユダヤ人の生き方を象徴するものの一つであり,食膳で最後に食べるためにとっておいたもの(ロシアでは大好物は最後の皿にとっておくー訳者註)の一つ前に食べられる好物の位置を彼らの人生において占めている.魚族それはモーセ五書にあるように,水域という真の自然に棲むイスラエルの民と同じである.それは土曜日に食べるものであり,天の大宴会を象徴する食べ物でもある.黄道十二宮での魚の絵符はユダヤ人にとっては常に好運と結びついていた.その理由はおそらくユダヤ教では魚が”不吉な眼差し”から保護された生き物と考えられていることに由来する.そのうえ瞼をもたない魚の眼は,至高至善の神の”厳重な警戒の眼”を象徴するものなのだ.Черницкий А. "Вкусные рыбы Израиля" Герцлия: Исрадон, 2013.仮訳ここまで
東欧では市場鱒トルッタ類は内陸養魚場で生産されています.そこでは人造餌の残滓が養魚池の底に溜まり,所謂ヘドロとなっているのです.出荷された鱒には決まって黴臭がし,日本人にはとても食べられるものではありません.こちらの方は鱒の味とはこういうものだと思い込まされているのです.フィヨルド産の鮭サルモ類(”大西洋鮭”といいます)には,こういった問題はありません.しかし内陸にしろ外海にしろ,養殖場は環境汚染の源です.ハリコフ1960年生まれのロシア人女性は,サハリンに移住して初めて鮭を食べたそうです.なんと当時は筋子を食べず棄てていたそうです.
魚が特別な意味を持つということ、キリスト教で魚がシンボルであることを想起しました。