元旦の読売は、千人計画がどうしたこうしたがトップだった。出かけて行った先のおうちに読売新聞があって、ほぉと思って眺めた。
日経はといえば、出ました、「第四の革命」。
脱炭素の主役、世界競う 日米欧中動く8500兆円
第4の革命 カーボンゼロ(1)
世界がカーボンゼロを競い始めた。日本も2050年までに二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出を実質ゼロにすると宣言した。化石燃料で発展してきた人類史の歯車は逆回転し、エネルギーの主役も交代する。農業、産業、情報に次ぐ「第4の革命」を追う。
世界経済フォーラムの推奨する通りに、個々の人々の生活を破壊し、上の方でこんな物語で語る。
これはもう1930年代の日本だなと思った。どうして第四の革命なんかしないとならないのか全然わからないけど、多分、これからリベラル派を中心に、バスに乗り遅れるな論が来るんでしょう。世界の流れは止められない、とか言って。
言ってることに中身がなく、信念とか思い込みが先走っていて、もう止められない人に特徴的なものになっている。
また、徹底的に化石燃料を嫌っているのもこの人たちの特性かもしれない。エネルギーを無視して、産業革命をうたって、投資先をコントロールして、エネルギーにしばられない、物質的でない、(だがしかしエネルギーをビルトインした)シティーを作るとかなんとか言い出すんだと思うな。方策としては、モジュール化して、モーター化することによって、iphoneみたいなつくり方ですべてを作れるようなこをとこれからガンガン語りだすと思う。
だがしかし、世界経済フォーラムなどのグローバリストが持ち上げる寵児であるところの中国の、プライマリー・エネルギー消費の6割はいまだに石炭。
ちょうどいいグラフがないので、これは2006年のもの。中国は69%が石炭だった。ここから14年経ってるけど現状はまだ6割近傍だと言われている。
インドも石炭が非常に大きな割合を占める国。ドイツも日本に比べればそう。今も別に石炭を止めたわけではないし、原子力を止めたわけでもない。
日本の2017年は、2010年と比較して、原子力が11→1に減り、石油と石炭を減らして天然ガスを増やしている。多分、原子力が減ったが、石油が減ってきているので、炭素換算だとトントンか若干+ぐらいの推移ですかね。
2018年のドイツ。
茶色と黒が石炭。合わせると22.2%ぐらい。日本の同時期とそんなに変わるものでもないでしょう。
で、こうした状況で、「化石燃料で発展してきた人類史の歯車は逆回転し、エネルギーの主役も交代する。」とは何を意味するんだろう? 水素? 核融合? どっちも現実にはまだない。
現実にオールタナティブがない状況でエネルギーを使うなということは、多くの人に死ねと言ったも同然だと思うが、そこまでいかないにせよ、世界各国に一様に脱炭素を強いるこの政策は、中国などにとっては、主たるソースの変更に金がつかえていいし、二酸化酸素レベルはいつまでたっても結局は先進各国レベルにはならないけど、やってます、とは言えるわけだからOK。問題は、そこそこバランスしながら生きてきた先進各国の国民経済。
国民経済でない、投資家の経済はこれらの取り組みに乗り出すことで儲けられるが、いくつかの国民経済は様々な産業政策の変更を余儀なくされ、その結果はまずバラ色とはならないであろうことが見込まれる。バラ色になるためには、大幅な人口減によって、ルクセンブルグみたいに、なにも製造しないけど債券投資が各家庭のエコノミーと何代にもわたって繋がっているので、たいてい無・資産の人はいないような国になることがベストな選択か。
このバスは、しかし、そもそもどこに行くのだろう? 思えば、農業革命、産業革命、情報革命の次が「第4の革命」なのが示唆しているのではないのか。名前を付けられない=ゴールがホントはわからない、ということではなかろうか。
■ オマケ
農業革命、産業革命、情報革命と並べられてふと思うのは、しかしながら、Western Civilization(西欧州文明)にとって画期的で、それが故に優位性をゲットして今に至る、本当の大変革というのは、科学革命ではなかろうか?
農業革命を普通名詞として使う時には、1万5000年ぐらい前に農耕定住型に入って至った時のことを言うのでは? 農業革命は、各国それぞれに、各国それぞれにとって大きな変化があるわけだけど、一律に世界的に発生したものではない。産業革命も同様。
結局これって、世界史を知らない、自分んちだけが世界だと思ってるイギリス人か、西欧州だけが世界だと思ってる西欧州コスモポリタンっぽい人たちが書いた作品なのではなかろうか? なんか、他地域を入れるとピンと来ないもの。
やっぱりこのバス、どこにも行かないと思う(笑)。
■ オマケ2
ついでいえば、日本の中では、例えば日経が、あるいは多分朝日とかも?、そこらへんが、これしかないのです、これが世界の潮流です、これしかないのです、みたいな調子で描くけど、アメリカ人にとって現在最も関心が向いているのは大統領選挙すら真面目にできない不出来なアメリカの現状だし、ヨーロッパはEUが司祭よろしく語ってるかもしれないけど、でも、現状はまずもってコロナをどうするのかに関心が払われている。
その他世界では、イスラエルがまた勝手に爆撃してるみたいだし、イエメンは年末から騒乱状態だし、とてもとても、「世界が」一丸となって第4革命にまい進したり、温暖化に興味持ってるような様子はない。
温暖化に関しては、日本は主流メディアが現在の司祭クラスと化してるのが非常に目立つと思うな、私は。一般人はこのクラスとの戦い(階級闘争か!?)をなんとかせな、一般人が主導権を取るこの国の未来はないかもしれないぐらいだと思う。
動物も家畜も人間もすべて殺して農業も産業も永遠に凍結したところで、宇宙の大自然は変えられない。地球は主人公ではないでしょう。人々の欲望を見直す事の方が環境改善に有効的、じゃないですか。コロナ禍のメリットの一つが青空、それが明白。
ただ、問題はその運転手は土地勘もないし地図を読むのも嫌いらしい、というのが大変なだけで。
つまり根拠なしに二酸化炭素削減を言っているのです.ずる賢い人びとはそれがわかっていて言っているのでしょうから,もとより目的は別のところにあると考えるべきでしょうね.