【西田昌司】直接の財政出動を、アベノミクスで過ちを繰り返さぬために[桜H26/10/31]
現在の私たちは新自由主義的な政策の帰結を見ているのだ、というまぁその現状のまとめみたいなお話をされている。西田議員は、安倍さんが登場する際にもデフレの脱却を念頭に、どうしたらいいのかをあれこれお話されていたし、私はその議論のいちいちは極めて真っ当だったと今でも思ってる。三橋さん、藤井先生なんかと一緒の路線。
銀行にお金が積まれていても、実体経済にはまわらないんですよ、というところが常に常に問題だ、と。もう何百回聞いたことか、読んだことか、って話。
さてしかし、このあたりの本当にデフレ脱却、日本経済の立て直しを念願し、もって国力の増強につなげようとしている人たちは、安倍さんを熱烈支持した。結果から見れば、これはつまり、彼らはそうすることによって自分の考えとは真逆の人を応援してたことになるんだよね。(日本を取り戻したかったのは日本人じゃないらしい)
このへんを、ガス抜きに使われただけだった、と白けてみるのもいいけど、安倍政権というのがまさかこうまでみんなを騙す政権だったとは読めないですよね、やっぱり、というのが私の感想。
西田議員は2年前の自民党総裁選に出馬するという安倍氏を、自民党が政権を奪還しそうな今やらなければならないのは、まず、新自由主義的な勢力を整理することだという理由で、今は安倍さんの機会じゃない、として断固引き留めたと言われている(自分で語っていた)。
今にして思えばこの懸念はまさに正しかったわけで、それはつまり安倍氏の登場が「許された」のは、米国FRBの相棒としての日本を作って、大規模金融緩和策をさせるためだったってことなんだろうなと思ってみたりもする。
で、その実施、国内各派の支持を集めやすくするために、国土強靭化とか瑞穂の国の資本主義とかとか、財政出動込みで国民国家を再構築するような大きなムードが「作られた」、と。
いやしかし、私としてはここを問題にしたいんだけど、日本の歴代の政権の中でここまで巧妙に一般国民はおろか自分の応援団さえ騙しながら目的を達成していった政権はなかったんじゃなかろうか? どうだろう? 三木政権あたりがそれに近いか?でもこの場合も田中角栄はけしからんという国民が望む感情(理屈ではない)に忠実ではあった。
(もちろん、その応援団そのものが各人役割を演じていただけという説も成り立つだろうけど、私はそこまでは無理だと思う。やっぱり振付けている人が上にいる仕組みを想定しちゃう)
小泉氏などは自分で「痛みに耐えろ」とか語っていたわけで、その意味では正直な政権だった。よく聞いていると方向性が見えることを話していた。おかしかったのは、お前を痛めつけるぞ、もう元には戻らんぞ~、安定社会は終わりだ~と自国の総理が言っているのにそれを万歳して迎えていた国民。大正期のバブルから不況・恐慌の時も、みんなして熱狂して諸物価を下げていった(自分で恐慌を呼び込んだ)みたいなので、日本国民としては初めてではないんだけど。
西田議員が番組中に紹介されていたのはこのご本。
アベノミクスの終焉 (岩波新書) | |
服部 茂幸 | |
岩波書店 |
西田議員が、これはやばいと思ったであろう去年出された本。
総理への直言 (イースト新書) | |
西田昌司 | |
イースト・プレス |