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プーチンの詰問が届く国、届かない国

2015-10-04 20:47:11 | 太平洋情勢乱雑怪奇

「マスコミに載らない海外記事」さんが、最新のポール・クレーグ・ロバーツの記事を訳してらしたのでリンクさせていただく。

プーチン、ワシントンを非難
Paul Craig ROBERTS
2015年10月2日

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-af37.html

<略>

プーチンは、シリア政府の要請によって行われる、シリアにおけるロシア介入の正当性を強調している。シリアへの介入で、ロシアは国際法を尊重してい ることと、ワシントンやフランスの政府が、要請されておらず、違法な軍事行動でシリアの主権を侵害していることを、彼は対比している。

世界は“国際基準に違反している”のは、ロシアではなく、ワシントンと、その属国諸国だということを目の当たりにしている。

 

そうそう、再々申し上げている通りこれが大問題なわけです。

ロシアは手続きを踏んで、正式にシリアという国家を代表する政府からその国家から領土を略奪し、国民を殺害するべき行為している奴らと戦ってくれ、といういう要請を受け、当該国家の国軍たるシリア軍と共に行動している。

この時明らかになるのは、アメリカ、フランスはなんでそこにいるんだ、ということだし、アメリカのCIAは資金を投与してそこで兵隊養ってる行動は一体なんだ、なわけですよ。

さてそれにもかからず、ロシア軍の行動に対して、アメリカ国内では、「非難」の声を挙げている人たちもいる。何度も書いている通り、プーチンの方が理屈が通っているとして賛意を表明しているグループもいるが。

で、非難の代表格はもちろんマケイン一派で、カーリー・フィオリーナがその代表格。

ロシアに対して武力を使うよう準備するべきだ、と言っているらしい。でもって、シリアに飛行禁止区域を設定しろとかも叫んでいる。

Fiorina: US Must Be Ready To Use Force Against Russia In Syria
Rachel Stoltzfoo
http://dailycaller.com/2015/10/02/fiorina-us-must-be-ready-to-use-force-against-russia-in-syria/#ixzz3nbESPVec

で、これに対して、まぁアメリカ人たちも、何を言ってるんだ状態。あちこちで書いている人がいるけど、アメリカのFree republicという共和党支持者の軽いたまり場みたいな掲示板が面白かった。ここは性質のいい2チャンネルみたいで面白い。で、この件に関してのやり取りを見てて私は大爆笑して楽しい夜をすごさせてもらった。

シリアで、CIAが養成したテロリストを守るためにロシアと戦争するなんて、バカ。

飛行禁止区域設定ってほとんど戦争行為なんだが、それをやってアメリカに何の得があるんだ。

そもそもシリアはロシアを招いたんであって、俺らじゃねー。

アメリカはだいたい、去年シリア大使館を閉鎖したので、正式な外交さえねーー。

プーチンはISを攻撃し、オバマは国境なき医師団を攻撃する しょえー

という感じでした。

 

この声は、上のロバーツが示したような、あるいは望むようなプーチンの詰問に対する気づきではないわけですね。しかし、十分に、気付いているんですよね。俺らはシリアに対して正式な立場で動いてない、という重大な事実を改めて思い起こしているわけだから。

そして、それをまったく気にすることもなく第三次世界大戦にさえつながるようなことを無責任にも大声で叫ぶアメリカの政治家たちがいることにも、改めて気付いている。

■ 声の届かない国もある

それに比べると、日本ってすごいよね。こんなに重大な問題が起こっているんだけど、全然まったくその意味が伝わってない。

ロシアは経済が大変だから強気に出ているのだ、とか、中東での存在感を高めるためにとか、なんかこう、図式としてロシアがちょこちょこっとバカなことをしている、という扱いでしょうね。

数日前には宮台真司さんが、いつも出てるTBSのラジオで、ロシアは公共的な振舞いをしていない、このままでは信用を得られません、みたいなことを言っていた。はぁ?ですね、私は。

宮台さんや神保さんは、アメリカ一極支配が所与の前提なんですよね。この点は自民党の谷垣氏なんかも同様。3年ぐらい前に同じようなことを言っていたことを思い出す。

私は、日本がアメリカの支配から抜け出すことがあるとはあまり信じてない。ドイツについてコーエン教授が言うように、結局のところ、日本、欧州の独自の外交は自ずからアメリカと調和的でなければならないのだろう。好むと好まざるとにかかわらず。

その意味で、アメリカ一極支配は私たちにとって所与かもしれない。しかし、実のところその一極支配というのは、世界を支配してはいなかった。地球上にはまだ割れ目があり、そこへの支配は途切れ途切れのものにすぎなかった。それを覆うべく無理に無理を重ねたとしたら・・・。私たちは歴史上に幾度も見た帝国のオーバーストレッチ(伸びすぎ、拡張しすぎ)というフェーズを見てるんだろうな、と思う。

風船じゃないんだからいきなり日本を覆うアメリカ様が消えることはないだろう。だから心配せずとも良いという議論もきっと成り立つんだろう。しかし・・・、と私は思う。


 

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1 コメント

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『ロシア叩きは小沢叩きと似ている』 (ローレライ)
2015-10-05 06:32:14
日本の言論人は外交も『風任せ』で『小沢叩き』の感覚で『プーチン叩き』もしてますね。根拠も曖昧なまま『アサド氏ね』を言っている元外交官がいたりして無惨な言論界ですね。
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