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トランプ復帰&一極派による低温クーデターの年

2020-10-06 17:18:53 | 太平洋情勢乱雑怪奇

先週末PCR陽性だとかいうので入院したトランプは、元気に陸軍病院を出てきた。

入院した時から、これって大統領選挙に付き物のオクトーバーサプライズなんじゃないの?という声もあったので、まぁそういうことかなと思わないでもない。

しかしひょっとしてもう少し複雑なのかもしれないとも思える。つまり、仕掛けられたが陸軍病院に逃げ込んで事なきを得た、みたいな推測も成り立ちそう。

いずれにしても、このトランプの復帰によって何かが劇的に変わるかというと、そういう気はしない。アメリカ国民の多数は、現状に腹を立て、呆れているという感じが非常に強いから。

仮にトランプが勝っても、2016年にトランプが出てきた時のような、ちょっと革命に向かうような前向きな感じは望めず、逆にバイデンが勝っても、くだらないが教科書に出してもいいぐらいよく整ったスピーチをがんがん出して、ニューヨークタイムスが大喜びでスピーチを売り歩くとしてもオバマのような出来にはならない。

ということで、今般トランプの入院騒ぎは、どっちにしても不調なアメリカの様子を垣間見せてくれた気がする。

でもどちらかというとトランプに有利な方に作用したのではないか。というのは、トランプが退場したら残るのはこのじーさんなのかと改めてバイデンを見ると誠に心細いから。トランプがそこにいるから憎悪が先に立って盲目になるが、いなくなると手持ちはコイツなの?となる。

 

■ 騒動だらけ

今年はほんとになんという年だろうと呆れつつ思い返すに、これらはみんな策謀の中にあったと見る方が正常だろうな、ってところ。

今年になっておこった主要な現象を並べてみる。

  • 新コロナ
  • 巨大な緩和策
  • 新コロナによる圧制が流行る→「新しい秩序」らしい

他方で、具体的な力を伴う話としては

  • 香港、台湾にアメ+日がテコ入れ
  • ベイルート大爆発
  • ベラルーシでEU/NATOがカラー革命をしかける
  • アルメニア vs アゼルバイジャン紛争再燃
  • トルコがシリアのジハード温存+アメリカはシリアの兵隊を増強

 

戦略的な問題としては

  • ドイツ、ナワリヌイ問題をでっちあげタカ派が前に出る
  • 日本、国内基盤がないNGO製みたいな首相登場

 

並べて考えるに、つまるところ、NATO(欧州+極東)を使った一極派が現状維持のために、あらゆる局面で紛争を起こしているということなのではなかろうか。

いってみれば、一極派の一斉蜂起みたいなもの?

 

■ 成果は芳しくない

だけど、ベラルーシで失敗しているように、アメさんには20年ぐらい前の勢いはない。

アメリカ(またはヨーロッパ)そのものの求心力がなくなってることともあるし、カラー革命のレシピが知れ渡りすぎて、騒動といえば、NYTの出方を見て、「またかよ」みたいな感じで受けちゃう人が増えた、つまり、頭っから信じて動いたり応援する人が減ったと言うのも大きい。

だってやり方はまったくシンプル。カラー革命のレシピはこんな感じでしょ。

  1. CIAや各種NGOが現地に入り込み協力者を集める
  2. 紛争のネタを仕込む、起こす
  3. 紛争を人権問題の話に組み立て主流メディアが世界中にまき散らし、勝手に善悪判断を決定する
  4. よーし、となってNATOだのアメリカだのが武器支援をする、介入する

 

わかるように、肝はメディアの判定なんですよね。紛争が起こった時に両者の言い分を聞けばそれなりに現地にとって有益な対応策はあるだろうが、カラー革命方式の場合はその前に「主流メディアのご宣託」が入る。これが非常に強い。

ユーゴスラビア解体の際のミロシェビッチはそのようにして「断罪」されまくったわけですが、後でハーグでこの紛争用の審議が行われ、結果的にミロシェビッチは一度も有罪となってない。

で、日本の報道は殆どの場合、3から入る。3で既に西側主流メディア(という名の戦争協力ユニット)が話を決定したものを、適当に日本人向けに工夫して書いてるだけ。全然取材したこともないでしょう。見てるのは欧米の主流メディアだけ。そんなもの。

 

■ 何をしたいのか不明

ということで、現状は、この間書いた通り、過去30年ぐらいのthe West総出の、騙しと人殺しの時代はますます継続が難しくなったというところで何も変わらないでしょう。ユニラテラリズムは立ち行かないよ、とプーチンだけでなく習さんも言うようになった。

国連創設から75年のビデオ国連総会

 

しかしそれに対して、まだやれる、まだやれると一極妄想派はがんばってる。

だがしかし、もうホームランは打てない。

であれば、力があるうちに同盟国という名の子分たちをきちんとつなぎ直して、「自領」みたいなのを確立しようとしているらしい現状は理解できる。日本は、前にも書いたけど「セミドル圏」みたいな感じでより強くアメの支配に組み込まれるんでしょう。ここらへんがthe Westの本流がやってることじゃないのかしら。

 

で、これに対してトランプがあと4年やった場合、この人は何をするつもりなのだろうか? 

2016年には、ヒラリーを首魁とする現代のナチみたいな超タカ派のグループを蹴落とすという番狂わせ的な出来事が起こった。

しかしよく考えれば、超タカ派を封じたのはトランプ当選ではなく、2015年のロシア軍のシリアへの軍事介入。本気の実力者が介入したことであれ以上進めなくなって、その結果として現状がある。シリアはスターリングラードと言われる所以ですね。

Russia’s operation in Syria 5 years on: A military success, sure, but how to convert this into long-term political outcomes? 

https://www.rt.com/op-ed/502172-russia-syria-five-years-operation/

ISも、トランプは自分が倒したみたいな妄想をしばしば語ってるけど、そんなわけはない。イスラム国用に膨大に作られていた各種の施設を猛攻してぶちこわしたのはロシア軍の空爆。アメリカ軍はアルカイダの空軍だった。

ということで、トランプはこの衝撃を吸収するために軍が送り込んだショックオブザーバーみたいなものだったと考えてみることもできそうな気がする。

いずれにしても、次の4年間にトランプが何をしたいのか、できそうなことがあるのか、実のところ誰にもよくわからない。

 


 

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2 コメント

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ケネディやニクソンになら無いトランププロレス! (ローレライ)
2020-10-06 18:04:20
ケネディやニクソンと言う失敗例を避ける為のパフォーマンスしか無いトランププロレスと言う現象!トランプはアメリカに貼られたお札に過ぎない。
返信する
福音派ならではか (ブログ主)
2020-10-06 19:00:41
トランプはアメリカに貼られたお札
っていいですね。

トランプが騒ぐからアメリカが変わってるような錯覚をさせられる、って感じは確かにある。

でもCIA他の取り組みが成功しないのはトランプが変革をもたらしたからではなく、中露が言うことを聞かないからにすぎない。

ここを騙しておくには、お札は有効かもしれない。だがしかし、それは凋落を止めることにはならない。
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