中曽根元首相が亡くなったそうだ。
国鉄をグローバルな投資家のディフェンシブ銘柄にした男だな、とまずそう思う。
ディフェンシブ銘柄というのは好不況関係なくいける銘柄。北米に住んでる頃ビジネスチャンネルをつけていて何度か、市況が荒れてる場合に、こんな時にはディフェンシブ銘柄です、アジアを見てみましょうとかいってはJR EastだのWestだのと出てきたことがあって、そのたびに、金持ちのお金稼ぎのために私らは満員電車で耐えていたわけではなーい、とか叫んでました（笑）。
いろいろいろいろ、どう言われても、私はやっぱり国鉄は持っておくべきだったと真剣にそう思う。頭というより身体がそう反応するといってもいいぐらい。このへん、私は色濃く民族派だなとかいつも思うところ。
そうそう、日本の中でちゃらちゃら日の丸振ってる奴らは国を憂える右翼ではないとも思う。国鉄を手放すことを喜ぶ右翼民族派などいないだろ！！といったところ。そういえばこの間チャンネル桜の表現者グループの回で、若手の論客の人が、JRを国営化しろ、ぐらい言うべきだと言い切っていて、おおお、ついに出たかぁとか思った。
やっぱり冷戦時代の人はあかんな、って感じ。なんでも右とか左で簡単に騙されたし、根本的にグローバルな社会というのがまったく見えていなかった。
さて、twitterを見ていたらこんなのを発見。
国鉄民営化の時、ご安心ください、ブルートレインはなくなりません、ローカル線もなくなりません、とか言ってたという広告。
自民党を嘘つきだというのは簡単だが、しかしですね、私たちも馬鹿だったと思いますね。
だって、民営化するというのは、その企業が投資家の所有物になるという意味なんだから、所有者のいうことを聞くようになるわけですよ。であれば、中長期的には「国民みんなのもの」から株主のもの、つまり銀行やらファンド、世界中の誰だか知らない人たちのものになる。
そうであるなら、北海道を始めとした地方の人口の多くないところの電車は「無駄」だとざっくり切られるのは目に見えていた。「みんなのもの」だからこそそこも支えなきゃだ、という発想で、東京で稼いだ収益で北海道を支えることができた。
日の丸も振ってなかったし、愛国、愛国うるさくいってもいなかったし、むしろ国の悪口ばっかり言っていたかもしれないが、人々はナチュラルに実質で固く支え合っていた。これを同胞愛（パトリオティズムでもいいが）というのではないの？
そういうことがまったく可能でなくなるのが民営化。みんなのものから株主のものになる化とでも言えばよかったんだな。
それが困るなら、せめて国に経営権を半分持たせて、国が優先株持つぐらいにしなけりゃ、みんなに利益は還元されない。
それなのに、上の広告を見ると「みなさんと一緒に考える」ときたもんだ。やられたなぁって感じですね。
いささかセンチメンタルな言い方になるが、国鉄というのはほとんどの民族にとって血と汗と涙が詰まったもの。大戦争をやった国においては特にそう。汽車に乗って戦争行って、汽車に乗って戦争から帰って来た。そして、8月15日を境にしても休むことなく電車が通ってたと多くの人が語ってる。そういうものを騙しながら売り飛ばす男を私は右翼とも認めないし、愛国者だなどとは絶対に思わない。
不沈空母問題はまた別途考える。こっちもまた空恐ろしい。
■ オマケ
ナチュラルに支え合う構図はまた、鬱陶しいほどに実は団結していたとも言えるのかもしれない。何も言わずともみんなニッポンジンだと措定されるからこそ、旗なんか振る意味がなかった。
次の民営化はまちがえなく健康保険と年金だ。
民間の保険会社が国民の健康保険を担う、それは民間の金融機関が医療を支配するということです。実際、アメリカでは、医療サービスの必要性の決定権が金融機関である保険会社にあり、患者がそのサービスを受けたい場合、高額の医療費を懐から出すことになる。
このシステムのせいで、アメリカ人がどれだけ苦労しているか。国民の健康を資本主義の論理だけで片付けてはいけない。
余談だが、昨日初めて2020年大統領選立候補者のシールを貼っている車を見た。そのシールには何とTulsi 2020の文字が。驚いた。民主党ディベートで強烈なパンチをかまし、異端の危険人物扱いのTulsiを堂々とアピールする勇気。Tulsi支持の１％はアツい。外交と防衛はTulsiの、内政はウォーレンやバーニーの言説がメインストリームにならないと、民主党、いやアメリカに明日はない。世界の平和のためにも、アメリカは変わらなくてはいけない。
私もそう思う。鷹のふりして演説ぶつと、この人は国士なんだわみたいなことを思うナイーブな国民を利用したエリチン。
MRAで頭角を現した人が自主独立なんて笑わしてくれるよ、って感じ。