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ロシア・インド・中国@ブエノスアイレス

2018-12-07 17:51:30 | アジア情勢複雑怪奇

米の駆逐艦がウラジオストックに入って吠えてみたり、アメリカが華為のCFOをカナダで意味不明な理由で逮捕してみたりと、米はぶっちゃけまくってる。ぶっちゃけて、でもってそれ勝算あるわけ?といったところ。

華為の一件はカナダは独立国ではありませんでしたを象徴する出来事ですね。

また、アメリカの国連大使が、あの顔見るのもげんなりするニッキーはしばらく前に今年中にやめると言った通り終わりになるようで、代わりにヘザー・ナウアートという今国務省の報道官をやってる元ニュースキャスターになるそうだ。いずれにしても、まったくのずぶの素人を国連に持ってくる米の路線は継続中。

さて、それはともかく、いろいろ出来事があって書き忘れていたけど、この間のブエノスアイレスのG20サミットでは重要なことがあった。

 

■ RICサミット

ロシア、インド、中国のリーダーが二国間同士の会い方ではなくて、3国で会って、以降三国で話し合いの場、サミットを持とうという話になっているようだということ。

On Friday, on the sidelines of the summit of the Group of 20 (G-20) summit in Buenos Aires, Argentina, the leaders of Russia, India, and China convened for the first leaders-level summit between their three countries in 12 years.

https://thediplomat.com/2018/12/russia-china-india-trilateral-leaders-summit-reconvenes-at-2018-g20/

Russia–India–China meeting

http://en.kremlin.ru/events/president/news/59278

 

今まではBRICSというフォーマットでこの3つに、ブラジルと南アフリカが加わっていたけど、ブラジルはルセフさんが蹴落とされたこともありダメになったってことかもしれないし、そういうことではなくユーラシアにおいてはこの3国の外交的なふるまいが重要だという趣旨でもあるでしょう。

それはつまりSCOのフォーマットの中の中心国3国が政治的な話し合いの場を求めるという意味でもありますね。

ということで、振り返ってみれば、今年ソチでプーチンとモディが会って、その後にモディと習が会ったこの一連の動きが非常に重要だったのだと思う。というか、今年一番でもあり、ひょっとして先に行ったら世界を変えたソチミーティングになるかもなぁとかも言っておきたい。

SCOの前のシャングリラのモディさん

2018-06-07 03:17:31 

 

インド・太平洋の接続海域が要するに南シナ海からシンガポールあたりの海なわけで、そこらへんを戦場にするのではなくて、共存する海にするのだ、という趣旨でモディが話した。これはもうネオコン/介入主義者にとっては大ショックだったでしょう。

で、その後、インドと中国がいろんな場面を通じて高官同士が行き来して、現在は、駐中国のインド大使は、かつてないほど良好な関係になったと言っていると、インドの元外交官のBhadrakumarさんがこの間書いていた。

Putin initiates trilateral summit with India and China

https://www.strategic-culture.org/news/2018/12/04/putin-initiates-trilateral-summit-with-india-and-china.html

 

で、この3国、略称RICは、結局のところこの1年を使って、交流を確かなものにしていったと言えると思う。

様々な局面で話し合ってるし、主張として、無軌道に勝手に制裁かけまくって他人の通商を妨害してるアメリカに対して、かなり腹を立てている感じは3国の様々な高官の言葉の端々にみえる。中露がそうなのは今更驚くこともないが、インドが言葉を選びながらもそう言っているのは新しい。

いろんなきっかけがあるけど、多分、イランの石油を買うなと騒いでいたあたりで、インドのネオコン勢とか、メディアがやたらにインドの大国意識に火をつけていたことからロシア何するものぞ(昔はソ連に世話になったが今はインドの方が大きいのだ、みたいな)になっていた人たちも目が覚めたってところがあったのかもなと思う。だって、安い原油を安定的に供給しなければ経済発展ってできないわけですよ。それをアメの都合で勝手なディールを押し付けられても迷惑以外の何物でもないでしょう。しかも、冷戦期には英米がインドを虐めてたことはまだ記憶されてるでしょう。

 

で、RICは確かに会っているものの、パブリケーションはとても地味。

https://twitter.com/KremlinRussia_E/status/1068803878886535168

 

なぜ地味なのか。それは内々に想定はしていたが、本当にやるかどうかは不明だったからではなかろうか。一説には、プーチンが呼びかけて他の2国のリーダーが直ちに応じたという。

※ 今確認したら、クレムリンのサイトにあったスクリプトで、プーチンが自分で言ってた。

プーチン:まず最初に、インドと中国のリーダーに3国での会合というイニシアチブを支持してくれたことに感謝します。

President of Russia Vladimir Putin: First, I would like to express my gratitude to our Indian and Chinese partners for supporting the initiative of a trilateral meeting. 

http://en.kremlin.ru/events/president/news/59278

 

そして、他のリーダーは、開いてくれたことに感謝してる。

 

これはつまり、トランプのアメリカが対話路線に進むことをプーチン他は辛抱強く望んでいたが、プーチンとの会談をトランプは押し切れなかったことを見ても、当面こりゃダメなんだなということになったということであるまいか。要するに、アメのぶっちゃけを察知して、挑発に乗らずに独自路線を進む集団としての意思を確認した、と。

この様子とも軌道があう。

妄想集団は健在、中東はまたきな臭い

2018-12-05 16:40:09 

 

でもって、今読むとプーチンの言葉にもある種の緊張感が見えるし、モディがかなり突っ込んだことを言ってる。

疑いもなく、この会合は重要だ。

 

来年は、中華人民共和国の樹立70周年

いずれにしても来年は来るわけで、どうなるのか誰にもわかりませんが、ともあれ、中露は来年、中華人民共和国の樹立70周年であることから、多数の重要イベントを用意しているらしくある。

会う機会も何度もあるだろし、これを機に中露の協力をさらに広げましょうね、などとプーちゃんと習さんは語り合っている。

Next year, we are planning a great number of important events. Our country will mark the 70th anniversary of the People’s Republic of China as well as 70 years since the establishment of diplomatic relations between China and Russia. We can take this opportunity to expand cooperation in various fields and achieve practical results.

http://en.kremlin.ru/events/president/news/59279

 

そして、ユーラシアが団結しようとすればするほど、周辺部がはじける、と。

来年は今年よりも大荒れは必定といったところでしょう。

 


 


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2 コメント

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チャーバハールで自爆テロ (ローレライ)
2018-12-07 18:32:32
イランのインド特区である、チャーバハールで6日に自爆テロがあったのもインドとイランへの嫌がらせをネオコン筋が実行したぽいですね。トランプはアメリカを把握してない。
返信する
ポスターボーイの次はポスター爺 (ブログ主)
2018-12-07 18:36:25
ローレライさん、

ソウデシタ。チャーバハールの一件も書いておくべきでした。
マジで、トランプは把握してない。ってか、ポスター爺になってる。
返信する

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