昨日は、イギリスでジュリアン・アサンジの米への移送をするかしないかの審判が行われる日だった。
結果的には、英の裁判所は、米への身柄引き渡しを認めなかった。
英の裁判所 アサンジ被告 米への身柄引き渡し認めず
だがしかし、NHKは詳しく書いてないけど、確かにその部分はよかったが、裁判官は、アサンジの罪状については米が言いちらかしらことすべてを認めてしまってる。
単に、そうはいってもアサンジの現在の身体的、心理的な衰弱ぐあいからいくと自殺する恐れがある、だから引き渡さないという論旨。
だから、支援者も家族も複雑な喜びだった。一歩前進かもしれないけど、かえってキツイことになってるとも言えるから。
しかも、アメリカがこの決定に対して上告するかもよ、と脅している最中なので、ここもまだ喜べない。
イギリスの現状は著しく異常な状況が続いているので、公正とか、いい感じとか、考えてるな、といった判断は期待できないのでなおさら怖い。アサンジを野垂れ死にさせる気なんだ、という人がいるのも無理はない。そのぐらいするのは朝飯前なのがイギリス。
ということで、今日は、メキシコの大統領がアサンジにメキシコへの亡命を呼び掛けている。
アサンジ被告はメキシコ亡命を 「司法の勝利」と大統領
意外とメキシコはよさそうな気もするけど、エクアドルより頑張れる保証はなぁ・・・みえない。西側は狂ってるわけだからね。
エクアドルはアサンジを売ったわけだし、それをわざわざやったイギリスの国家としての糞ぐあい、イギリスのジャーナリストなる職種の人たちの根性なし、玉なし、脳なし具合は、思い出すだにむかつく。
で、その様子を撮影に行ったのがロシアRTのビデオ屋さん1社だったというのが、これまた衝撃でしたよ、ほんと。
RTのマルガリータ・シモニャン編集長は、自分でそう言ってる。アサンジが追い出されそうだというのはみんな(ジャーナリスト)知ってた。しかし現場に行ったのはRTだけ。そして後で各社はRuptlyの動画を提供してくれと頼みに来たと。
それはつまり、彼らは自分たちのエスタブリッシュメントに仕える根性なしの偽善者サーバントであってジャーナリストではない。だからこういうことになった。
■ 誰が開けてくれるのだろう
だがしかし、アサンジ&wikileaks問題というのは、ジャーナリストがジャーナリストとしての仕事をしたら捉えられました、というだけの話ではない。
Wikileaksというプロジェクトとは誰が仕掛けたものだったのか、という問題が含まれるでしょう。
その崩れ方を巡ってアサンジを悪者にする人もいるけど、アサンジの悪口をいいふらした人たちもまたおかしい。
誰も全貌はわかっていないと言っていいのでは?
そういえば、年末に、奇妙なリークがあったのだった。かつて聞いたことのないアサンジの電話の記録。
これこれ。アサンジが若干声をふるわせながら米国務省に通報してる。2011年8月とある。
BREAKING: @Project_Veritas Obtains Recording Of Call Between @Wikileaks Founder Julian Assange & Lawyer In Hillary Clinton's State Dept.
— James O'Keefe (@JamesOKeefeIII) December 16, 2020
Warns US Government Trouble Was Coming Their Way With Unredacted Release Of Classified Cables Stolen From Wikileaks pic.twitter.com/hx5u2fSzuC
Wikileaksは秘密情報を扱うわけだから、そのまま考えなしにだーっと流しているんじゃなくて人物名を伏せたりしていていたが、元メンバーDaniel Domscheit-Berg/Daniel Schmittがアクセスして想定外で流した。これは関係者にとって危険だと考えたアサンジが国務省の人に連絡して(どういう経路かは不明)、その人がアサンジに電話をし、アサンジが内容を話して注意を促し、協力を申し出てる。
State Department attorney Cliff Johnson: “Who would be releasing these cables? Is this WikiLeaks?”
Julian Assange: “No, we would not be releasing them--this is Daniel Domscheit-Berg, a previous employee that we suspended last August.”
この通話を聞いて、スノーデンがこれは今まで聞いたことのない話だよ、と食いついてきて、そこでさらに注目を集める一幕もあった。
これをリークしたのがトランプ支援でおなじみのProject Varitasだというので、リベラル側でこれを怪しんで半腰になったりする人がいる中、スノーデンが、そういう問題じゃないだろう、これが真実のテープであればこの価値を見ないといけない、云々とたしなめていた。
整理されていないことがたくさんある事件だし、非常に多くのものと足元で絡まってるんだなとも思う。
自殺の恐れというのは、単なる言訳であって、これは英政府がアサンジという人質をとっておきたい、この価値あるカードを手放したくないだけではないかと思います。(移送されたところで、アメリカの刑務所で簡単に自殺できるとは思えない。首をつるものさえない独房で首つり「自殺」したエプスタインの例もありますが。)
2011年、ヒラリー長官時代の国務省にアサンジがコネクションを持っていたという事実もショッキングですし、それをトランプ陣営といわれるVaritasがリークしているのも奇妙です。
トランプは一時アサンジへの恩赦を検討していたという報道がありましたが、もしかすると今回の英裁判所(=英政府)の決定は、アメリカの政権交代を見据えての判断ということもあるのでしょうか。
それと、素朴な疑問ですが、アメリカは自国民でない者を、機密漏洩容疑で国内に移送できるものなのでしょうか?アサンジは、アメリカ国籍でもないし、仮に漏洩が犯罪であったとしても、アメリカ国内での犯罪ではありません。国際法上、アメリカへの移送は問題ないのでしょうか?
アサンジのバックに何があるのか、確かに整理しなくてはいけないことがたくさんありますが、アサンジのリークで目覚めた人は多く、人道的にも一日も早い釈放をのぞみます。Baby達も待ってるしね。