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北朝鮮と「オバマのリビア大失敗」

2016-09-09 21:31:01 | アジア情勢複雑怪奇

北朝鮮がまたまた核実験をしたそうだ。これで5回目、今回は小型化できたと主張している由。

それに対してアメリカ、ロシア、中国が批判声明を出していたけど、これは国連の機構からすれば当然そうなるでしょう。

Moscow voices serious concern over North Korea nuclear test
http://tass.com/politics/898815

ということから考えるに、このへんから北朝鮮問題をぷ~らぷらにしておかないメカニズムを作ろうという話に、徐々にではあるけどそっち方向に行くようになっていくのではないかと想像する。

それもこれもヒラリーの当選or notの話と密接でしょうね。なんといっても、北朝鮮のここ数年の行動は、NATOによるリビア国破壊に対する応答でもあるわけですから。

日本ではほとんどこの線が話し合われないけど、NATOによるリビア破壊のツケの一つとして北朝鮮、イランがガッチガチに身構えてくるだろうという話は普通に当時から常識の範囲でしょう。

特に、カーダフィーは西側とは共存的というか協力的になって、最終的に核兵器開発プログラムを廃止したわけです。そしたら、NATOが襲ってきた。この西側っつーところの悪辣さというのは、本当にすごい。

 

で、その後ロシアが登場してシリアの破壊が限定的になり(少なくとも政府が存在する)、イランは安保理5国+ドイツのフォーマットで話しあいがもたれ、2年前にくらべたら大分正常化してきた。

しかし、シリア、イランのどちらに対しても、ネオコン/人道介入主義者(=トロキスト)は未だに、破壊してやるという意志を捨てていない。ヒラリーなんか、私が当選したらイランを攻撃すると断言してる人ですから。

 

■ 「オバマのリビア大失敗」

夕べたまたま、オバマ政権のリビアにおける酷い酷い顛末のレポートを読んだ。偶然ってか、昨日ヒラリー関係をエントリーした後あちこち読んでいったらたどり着いた。だから、今日の北朝鮮の暴発を見て、なんというか因縁を目の当たりにしたようで驚いた。

で、問題の記事は、フォーリンアフェアーズ誌の2015年春号に載っていた記事。「オバマのリビア大失敗」

Obama's Libya Debacle
How a Well-Meaning Intervention Ended in Failure
https://www.foreignaffairs.com/articles/libya/obamas-libya-debacle

要するに、アラブの春に対応したカーダフィーの動きは、確かに一般人に対する被害はあったけど、NATOが介入してからの破壊とは比較にならないほど小さい破壊だった。

つまりオバマ政権とメディアは偽の脅威を煽って、国連安保理決議ではごく限定的な武力行使を主張してOKを取ったのに、それをあからさまな軍事攻撃、わけてもレジームチェンジ向けに利用した。ロシアのプーチンがフランクに言ってNATOの行動は決議違反だと言ったのも無理はない。

リビアはカーダフィーで終わりではなく、息子に教育していてそれに期待している西側勢もいたのに、それもこれも大失敗のおかげでチャラになってる。なにしろ世俗派が政権を建てようにもまったくこれに呼応しない過激派が多数いて、そのうえその過激派にアメリカ政府 etc.は武器を調達している始末云々。

といった話が細かいデータ付きで書かれている。雑誌の性質から見てもこのへんは西側的には標準的な意見となる可能性があると思う。

フォーリンアフェアーズはエスタブリッシュメントの作戦会議用配布資料の一般公開の場みたいなものだから、そこでリビアにおけるオバマ政権の行動(つまりはヒラリーとも読めますね)は、ことほど左様にとんでもない代物で、とんでもない帰結をもたらしていると書かれていた意味は大きい。

これを読みながら思ったのは、ということは、西側全体に、ネオコン/人道介入主義者(=トロキスト)をなんとか封じ込めないととんでもないことになると決意している層はまんべんなくいるな、ということですね。

で、その層は、共謀しない共謀をしているんだろうな、と。共謀すると潰されるから。

 

そういうわけで、核開発してる、わ~大変だというのもわかるけど、でも状況的には、北朝鮮の話はただに武器ちらつかせてなんかするというフェーズから、北東アジア問題へと移行する可能性が若干ながらも高まったという感じではなかろうかと思う。

ただ、そもそもプレーヤーたちの中には北東アジアをどうしたいのかよく考えてない国ってのがあるので、先は長いよね。

 


 

アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!
山田 正彦
サイゾー

 

原発洗脳 アメリカに支配される日本の原子力
苫米地 英人
日本文芸社

 

 


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1 コメント

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『無法コンキスタ時代』 (ローレライ)
2016-09-10 04:59:44
『現代のインカ征服』がリビアで行われ『無法コンキスタ時代』の幕を開けた『ネオコン植民地主義』に対抗する『国際的機構』が見えなければ『一国核武装』の選択は自然な事。
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