DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

シリア:米露会談、国連決議案作成へ

2015-12-16 23:44:33 | アジア情勢複雑怪奇

ケリー国務長官はモスクワに行ってプーチンに会った、というのがニュースになっているけど、本線部分はケリー氏はラブロフ外相と長々とお互いに長い顔をつきあわせて4時間もお話していたそうなので、そこなんでしょうね。しかし、ケリー&ラブロフの長い顔コンビは今年既に20回も会合しているんだそうで、結局ここはかなりツーカーなんだろうなと改めて思う。つか、ロシアは孤立しているってのは何だったのか。

ケリー一行は、滞在中モスクワの街を歩いてモスクワっ子に語り掛けたりお土産買ったりと和やかなムードを作ろうとしていたらしい。不気味といえば不気味な光景ではあった。

で、最後にプーチンと会ってある種の正式な文言を述べあった、って感じ。

Russia: Putin meets Kerry to discuss Syria and Ukraine conflicts

 

西側メディアの記事を読むと、あたかも、プーチンとラブロフとケリーが3人で会ったみたいな書き方に見えるけど、ロシアはラブロフとプーチンの側近の人の3人。こっちは別に驚かない。

ちょっと不気味なのはアメリカで、あのヌーランドばーさんと、あの駐ロシアの米国大使がケリーと並んでる。

ある意味、人類の敵みたいなみっともないこのばーさんを、今でもずっとアメリカ国務省の欧州担当者として遇しているというこの事が、実のところここ数年か、ひょっとした15年間のアメリカの異常事態を象徴していると思う。

なんでエライのこの人? なわけだけど、結局この人は裏からの人なわけでしょ。アメリカ人が考えるアメリカ政府の代表者は大統領なりケリー国務長官なんだけど、そうじゃない系統があってそこの代表者があたかもアメリカを代表してしまっていたし、今もいる、と。アメリカ人もこの仕組みが見えてきてる(だからこういう場面でメディアにはできるだけ露出させないんじゃないのかと思う)。

で、このおばさんは、5月にケリーがソチを訪問した時もこのように帯同していた。あの時も今日も、嫌そうな顔して、姿勢が定まらない感じで存在している。プーチンは手を差し出して何事もなく握手している。

このばーさん、やっぱり、やましいんだろうなとか思った。やましいが、それを直視する健全な精神はないので、尊大に振る舞っているつもりなんだが、いかんせん高貴な魂はないので、いかにも醜い振舞いしかできない。

つか、ネオコングループというかその源流のトロキスト系のユダヤグループというか、この人たちって、要するにはっきりいえば精神を病んでいると思う。プーチンがいるそのお部屋も、そのお部屋のあるクレムリンという要塞もみんな自分のものだと思いなして100年なわけでしょ。あんたらのものちゃうねん、なわけですよ。他人のものと自分のものの区別がつかない人は病気です。

自滅するアメリカ帝国 崩壊のシナリオ(伊藤貫 氏)-ザ・リアルインサイト3月号-

 

■ アサド・マスト・ゴー作戦はちょっと変更

で、ふと日本の記事を見ていたら、今日もまた妙なことになっていた。

米国務長官、ロシア大統領と会談 シリア和平で協力要請
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM15H96_V11C15A2FF1000/

 オバマ米政権は、アサド政権を支援しながら対テロで欧米や中東諸国に共闘を求めるロシアの戦略がいずれ行き詰まると踏んでいる。ロシアの空爆の成果は限られ、アサド政権と敵対するサウジアラビアやトルコの反発を受けている。シリア空爆の負担は1日当たり250万ドル~400万ドル規模といわれ、不況に直面するロシアの財政を圧迫している.

 

オバマ政権はロシアが対テロで欧米や中東諸国に共闘を求めるロシアの戦略はいずれ行き詰まると踏んでいるんだそうだ。

なんで? みんなISを倒すべきって思ってないの? あはははは。

で、みんなでISを倒すべき、っていうアイデア以外だったら何が残るの? 

つか、誰がそう「踏んでる」と言ったの? いやほんと、日本ってジャーナリズム不在の国だよ。情報機関が書いてる、ほぼ間違いなく。

ドイツ人ジャーナリスト、プロパガンダ報道に加担してきましたと告白

ドイツ人ジャーナリストの告発本、ベストセラーに

買われたジャーナリスト」は日本も一緒でしょ。

 



さらに、もう一つ。

18日のNYシリア会合発表=アサド氏処遇で溝埋まらず-米ロ
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2015121600167


まず見出し。なぜアサドは時事に「処遇」の心配されなならんのよ、ではある。

そもそも、シリアはれっきとした主権国家で、アサド氏は選挙で国民に選ばれたシリアの国家元首なのに、それをからっと無視しているのもここ数年の異常事態の一つ。

それを無批判に踏襲しているのが日本の情報機関としか思えない報道機関。

 長官は記者会見で「アサド氏は将来のリーダーとなり得ない」と表明。会談では、後ろ盾のプーチン大統領に対し、アサド大統領の退陣を迫ったとみられるが、処遇をめぐる溝は埋まらなかったもようだ。ただ、会見で反体制派との交渉前の即時退陣までは求めず、ロシアとの妥協の余地を残した。

将来のリーダーと成り得ない、なら、今は仕方がないという含みのある表現だよね。

このへんはもうずっと前からケリーは結構曖昧に言葉を使ってる。

で、しかし、実のところケリーは今日、会見で、

米国はシリアでレジームチェンジを求めない、と言っており、アメリカ国民から、じゃあ今までの「Assad Must Go(アサドは退陣すべし)」作戦は何だったんだよ、という驚きと嘲りと、まぁなんてか、なんなんだあんたら、というリアクションを呼んでいる。

US Not Seeking 'Regime Change' in Syria, John Kerry Says After Meeting With Russian President
http://abcnews.go.com/International/john-kerry-meets-russian-president-vladimir-putin-seek/story?id=35782171


ってことは、「アサド退陣すべし」作戦から、今すぐじゃなくてもいいけど、に一歩後退していたところから、もう半歩ぐらい後退する可能性を示唆した、ってことかなと思う。

多分、こんな感じ。アサド退陣をダイレクトに求めると、「シリアの運命はシリア人が決めるべき」というプーチンの決め台詞に負けちゃう。アメリカ人も、今ではここに気付いている人も多い。

だもんで、そこは呑んで、その後インチキな選挙でどうにかしよう(笑)、じゃないっすかね。

だから、誰を反体制派に入れるのかのリストを巡ってぐじゃぐじゃしてる。でも、まぁこのへんはロシア外務省が人材を洗いまくってる風ではあるので、そうそう簡単には落とせない。

しかも、地味に、ロシアは今週、シリアでのサリン事件の真相をスポットライトを当ててきてる。シリアのサリンはトルコ経由 byトルコ議員

しかし手はない。ってことで、「シリアの運命はシリア人が決めるべき」だと、そりゃ自由と民主主義のアメリカは常にそうしてきた、みたいなことをあたかもずっとそうであったかのようにオバマが高いところから演説する、ってなのはどうでしょう?

その上で、なんかしよう、と。

どうなるのか、このへんは見ものですが、いずれにしても、「処遇を巡る溝」を掘るとアメリカが理念的に負けるので、溝をみなかった、溝なんか最初からなかったんだ、俺たちはいつでもシリア人が運命を決められるよう望んでいた、みたいな作戦ではなかろうかに300ルーブルですかね。

金曜日のニューヨークが楽しみになってきました。


 



 


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ISのタンクローリー攻撃にや... | トップ | バイデン副大統領:トルコは... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アメリカが『シリアの主権』を認めるまで (ローレライ)
2015-12-17 07:49:36
アメリカが『シリアの主権』を認めるまでの一里塚のモスクワ会談だった。日本やヨーロッパみたいに『主権の無い国々』はまだまだ多いが自覚されて無い。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事