昨日、「1年後:2020年 the Westのナラティブ管理崩壊年」と書いて、その後自分で気が付いた。
公式ナラティブが崩壊したということは、それはそのレジームはもう求心力はないということなわけで、それはつまりもう終わりだという意味なのだな、と。
多分、現実もそうなっていくでしょう。そして、それが嫌だからこそ、主流メディアという今般の、いうところのアメリカ一極支配を支える司祭クラスが賢明に嘘を書き続けている。私たちはまだエライのだ、物語は続いているのだと叫んでいると思えばいいわね。
などと考えつつ、ビクトリーデーの話の続き。
去年も今年も、西側諸国は1945年にどうやって大戦争が終わったかについて真摯な姿勢を見せる気はなかった。少なくとも、そういえばトランプはプーチンに招待されてビクトリーデーに行くかもしれない、みたいなことを言っていたこともあったが、もはやそれは遠い話になってしまった。
そんな中、中国はモスクワのビクトリーデーについて報じ、中央電視台のグローバルチャンネルは、youtubeに動画があるということは放映していたんじゃないかと思う。2015年に習近平がモスクワを訪問してビクトリーデーに参加して以来のこの態勢は変わっていないようだ。
そして、月曜日には、中国外務省の報道官が、
中国は、「第二次世界大戦の勝利と苦労して勝ち取った平和という成果を断固として保護し、国連を中核とする国際システムと国際法に基づく国際秩序をしっかりと維持し、公正、正義、民主主義、自由などの人類共通の価値観を支持するために、ロシアと国際社会と協力し続けます」
China will "continue to work with Russia and the international community to resolutely safeguard the fruits of the World War II victory and the hard-won peace, firmly maintain an international system with the United Nations at its core and an international order based on international law, and uphold the common values of humanity including fairness, justice, democracy and freedom," she stressed.
と述べたそうだ。華さん。
中国外務省公式はここ。
hard-won peace、苦労して勝ち取った平和、というのはまさに1945年のソ連の人にかける言葉だったと言えるでしょう。
そんな単純な事実が認められない西側は、結局、これになっちゃったというお話ですね。
そして、現在の国連の評決を見ても、SS親衛隊万歳はよろしくないと思ってる国が130、反対が2(アメリカとウクライナ)、よろよろの反対が51(欧州、日本、韓国)だそうなので、この趨勢は明らかでしょう。危険なオリガルヒの私兵みたいなのを応援したい国はあまりないんですよ。
1年後:2020年 the Westのナラティブ管理崩壊年
復活ナチ21の西側各国は、「NATO2030」なるプログラムにまい進するがよかろう、ってところではなかろうか。
見るからに不気味で不吉なNATOストルテンベルグ事務総長。ノルウェーの元政治家。
自分で書いててこんな世の中だなんて信じらない。信じらないけど、だってそう読むしかない成り行きなんだもの仕方がない。
そもそも、アメリカなんか大統領選挙すら満足にできないわけだから、もう、民主主義とかお前に言われる筋合いはねーって感じ。クーデター万歳が西側の流儀といったところ。
■ ドイツの小さな反応
しかしそんなことは許されない、と思うからなのか、ビクトリーデーには2人の現職のドイツの国会議員が参加して、ちょっとした気勢をあげていた。
Diether DehmさんとMichael Schlick さんという、ディーリンケの国会議員さんで、ついでにSputnik Vを注射して、うちの連邦政府よりスプートニクの方を信用すると言ったというので話題になっていたけど、
‘I trust Sputnik more than the federal govt,’ German MP tells RT after getting Russian jab during visit to Moscow for V-Day parade
彼らはもう1つ目を引くことを言ってる。
ここ何年かこのパレードに来てる。最初は2017年、次が2019年。今年また来た。これは私にとって大きなイベントで、5月9日にここに来て、赤軍がなしたことに感謝することは重要なこと。パレードに出る機会があってうれしい。
“For several years now, I have been trying to come to the parade. The first time I was here was back in 2017, then in 2019, this year I came again. This is a great event for me, it is important for me to be here on May 9 to express thanks for what the Red Army did, and I am glad to have the opportunity to attend the parade,” Schlick told RT Deutsch.
これって、今聞くと、何おもねってんの、と思う人がいるかもしれないけど、これは東ドイツの公式見解でしょう。
そして、この「赤軍のなしたこと」の代わりに、西ドイツではそこにアメリカが入っていた。
要するに両方とも、ドイツはナチス体制が終わってよかったと思ってます、破ってくれてありがとう、新しいドイツになります、というたて付けで戦後が始まった。
(日本は、国際社会向けにはそう言ってはいるものの、中では、まったくそういう言論にも体制にもなってない、さりとて大日本帝国もなぁ・・・と迷い迷いつつある不実な体制になっているのが戦後の仕様)
で、事実問題としてどちらが正しいかといえば、実は東ドイツの方が正しい。だって、ドイツ軍はソ連に襲い掛かっていって、結果、ソ連に負けたんだもの。
そして、東ドイツは、そもそもナチ体制で追い出された人たちが、ソ連やらフランス、イギリスに逃げていって、最終的にソ連に逃げて戻ってきた人たちと、途中でナチ体制を見限って投降した人たちが主体になって建国した国。
このへんでまとめた通り、ドイツの1945年は、米ソがどうしたという前に、自分のところでナチ vs 反ナチで乱闘をしたツケを収拾できなかった。
混乱を無視して進むドイツ流
これを、ナチ vs 共産主義者と書くのは(私も上の記事でそう書いてるけど)、話をわかりやすくしすぎだと思う。よく見ていると、ヒトラーが台頭してから、その素行の怪しさにドイツ人たちはなかなかついて行かず、そのうち、財閥がつくようになって、これは怪しすぎるだろうというので反対していくドイツ人たちが多数いる(ナチスは、正常な選挙では一度も過半数を取ったことはない)。
マンハッタン・プロジェクトの物理学者クラウス・フックスもそういう人。ソ連のスパイというより、ナチスを倒すためにはソ連に協力するのは当然だと思ってた人で、スパイ嫌疑の刑期を終えて東ドイツに行った。
エプスタイン事件 (3) エプスタイン「自殺」と赤狩り物語
したがって、東ドイツにいた人とかこの仕組みを理解している人たちが、
世の中こんなことになっておるな、
と思えば、これは大変だ、何かしなきゃ、となるのも無理はないと言えるでしょう。
ということで、ドイツは今後どうなるんでしょうか。メルケルは9月に退陣なので、その後、アメリカの子分にするための策略としてグリーンが使われているようだけど、果たしてそれでまとまれるのか。
グリーンは表面アジェンダは環境だけど、反ロシア、親NATOというアジェンダをしっかり握ってる、着てるものが環境で中身ネオコンみたいな感じの集団。
無理っぽいよね、どう見ても。じゃあどうなる? わかりません。
■ オマケ
嘘だらけの21世紀の有害集団G7なわけだけど、こういう対決姿勢すら嘘でしょう。
G7外相、中国・ロシアが最大の脅威 共同声明採択
だって、各国を見れば、それぞれ中国と貿易して、ロシアからエネルギーを買って暮らしてるんだし、そして重要なことには、第一次世界大戦当時と異なり、強くなった多数の国がある。そういう国々の主権を尊重しようという枠組みが出来たのはWW IIの結果。
そういう国々は、中ロも嫌いかもしれないけど、同様に、昔なら英仏、今G7みたいな一部の金持ち国家に振り回されたいと思ってないでしょう。むしろ、極がいくつかあった方が自分の身の振り方のチャンスが広がっていい。
中国・北朝鮮と言う話は単なるスローガン。
裏返せばそれだけアメリカを始めとする関係各国があせってきた。
アメリカのような大きなサイズの国が簡単には動けないが危惧しているのはイギリス・フランスの動き。
彼らはしきりに日本近海に空母艦隊を派遣するとか
自衛隊と共同訓練とか誠にきな臭い話をするようになってきた。
シリアで排除された見返りがほしいと見ている。
イギリス。フランスは階級の差が歴然とある国。
自由・民主主義は方便にしか過ぎない。
近頃はアメリカにもそれが見え出して来た。
日本がアメリカ・EUと組めば日本は中東のイスラエルと同じだと言っていい。
中東ではトルコが東アジアでは中国がアメリカと対立してきた。日本に独自の外国政策はない。
韓国は次の大統領次第だ。