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河野さんの旅、ロンドン編

2017-12-16 18:44:19 | 太平洋情勢乱雑怪奇

ボリス・ジョンソン英外相と日本の河野外相が会って、二人して、北朝鮮に経済的制裁を強化しよーと、高らかにヒートアップさせたとRTにあった。ただし、中国を通して、というところが笑えるところではあるわけですね。このタイトル。

Britain & Japan will turn up the heat on North Korea… through China, says Boris Johnson
Published time: 14 Dec, 2017 17:48
Edited time: 15 Dec, 2017 08:32

https://www.rt.com/uk/413244-boris-japan-north-korea/

 

なんというか、割れ鍋に綴じ蓋ってこういうことかと思ったりする。

19世紀の終わりに、チャイナとロシアを崩すために組んだ2国が、チャイナの勃興、ロシア再興を前に組んだところで何ほどのことができるんだいって感じで、不穏な感じが漂う組み合わせだというべきではある。

で、その時も、我々島国イギリスがヨーロッパをコントロールするように、島国日本がアジアをコントロールするのですと言って明治天皇におべんちゃらを使ったと、アメリカのラローシュ派なんかは言っている。米国内のisolationist系統は、イギリス式の「帝国」がとても嫌い。だから、アメリカはそうなるべきじゃない、という考えが強い。

どう語ったかは別として、日英が組んだことは間違いない。日英同盟組んだんだし。

そして、その後日露戦争を経て、日本の皇室はすっかりイギリス王室のガーター勲章を授与される立場になってその後ずっと、大正、昭和、平成の天皇もガーター勲章をもらっているんだから、もう組んでないとは言えないのね。

この辺で書いたこと。

ロマノフ家のプリンスからガーター勲章まで

 

とはいえ、懐メロはしょせん懐メロにすぎない。

当時は電信網と金融を抑えていたのはロンドンが中心だし、海軍の充実を本気でやってたのはイギリスだったので一時期強かったのは間違いない。が、その時代は過ぎた。資本はロンドンにしかないわけではない。

ということなので、今日英と日が接近したところで、昔みたいにショッキングな力の投影が予想されるわけではない。

河野さんの旅の中なので、北朝鮮がらみを国連でやる前に、拒否権持ち5大国の英仏の首脳と会っている、そのうちの一つイギリスと会ったら、イギリスの外相が、日本とイギリスは価値観があっているのだとか言い出し、福島の桃ジュースで日本人のご機嫌をとってみようみたいなことをしていた、という話なんじゃないですかね。ジョンソンは全然平気だと思いますね、桃ジュース。私も平気ですが。

あと、それ以外にも、イギリスはEUから外れて、英連邦の国との関係を濃くしようとしているので、こういう構想を持ってる日本は、当然自分たちと利益共同体だと認識していると思う。

つまり、これ。インドもオーストラリアも英連邦の国。

 

しかし、この構想には難点があって、このど真ん中にいるフィリピンが、中露方面に目が向いているし、重要な位置にあるベトナムは引き続きロシアとの関係を強化してる。ベトナムはすでにユーラシア経済連合とFTAを結んでいる。

また、インドネシアも中露との関係を台無しにしようとはまったく思っていない。

インドも、この間、ロシア・中国・インドの年次の3国会議で、インドと中国が理解しあう恰好になっていったことからみても、内陸側から完全に出ちゃうことにはならない。インドはロシアとの関係を切るつもりがないうえに、イランとの関係も悪くないから、いずれにしても海洋勢ばっかり見てるわけにはいかない。アクロバットに両建てでしょう。

ということで、この構想もまた、日英が接近したといってもスーパーパワーの投影が見られる感じがしないのと同様の、何かこう、パッとしないものとなっているって感じはある。

 

ちなみに、イギリスは、寒波もあって寒さひとしおの今年だというのに、北海の天然ガスラインに問題が生じ、さらに欧州側ではオーストリアのパイプラインで火災が発生するという事態となり、供給不安から、ロシアの北極海側でこのたび初出荷となった大型プロジェクトからLNGガスを買うようだ、というので大騒ぎになっていたりする。

このプロジェクトこそ、アメリカとイギリスが大騒ぎしてロシアに西側資金を流さないことで妨害しようと頑張ったヤマルLNGプロジェクトだった、と(結果的に中国、フランスが助けて、ロシア5、中国3、フランス2みたいなプロジェクトとなった)。それでお前は買うのかよ、と笑われている。今回に限らず、ロシア~北海からの安定供給はイギリスにとって良いことなのにそれを妨害するとなると、まさしく天に唾する行為といった趣。寒さにも耐えろ、ビスケット食って戦争したみたいに、なんだろうか(笑)。

Desperate Britain Forced To Import Russian Gas From Sanction-Targeted Project

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-14/desperate-britain-forced-import-russian-gas-sanction-targeted-project

 

■ 河野さんの旅

河野外相は、8日から6カ国訪問の旅に出ているのだが、この旅の意味は何なんでしょうね。わかりません。

本8日から17日まで,河野太郎外務大臣は,バーレーン王国のマナーマ,アラブ首長国連邦のアブダビ,フランス共和国のパリ,英国のロンドン及び米国のニューヨークを訪問する予定です。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_005403.html

わかりませんが、英仏と協力しようとしているのかなという気はしますね。国連の拒否権持ちの国2つだから。

そこで協力を取り付けて、国連で、外務省の言うところでは、議論をリードするらしい。

6 ニューヨークでは,「不拡散(北朝鮮)」をテーマとする国連安保理閣僚級会合の議長を務め,朝鮮半島の非核化に向け,北朝鮮情勢についての議論をリードするとともに,各国からの出席者と会談を行う予定です。

だから、他方で中露が中心になって緊張をおさめているとの同期しているとはいえるでしょう。

北朝鮮が安保理に出てくるということだし。

ただ、それを北朝鮮当局がどう考えているかというと、そんなに好意的に見ていないみたいだ。「朝鮮民主主義人民共和国外国文出版社」のサイトによれば(ここのサイトは日本語訳を掲示しているので読め、という意図なんだろうと思って読んでる)、

最近、日本が米国のそそのかしの下で国連安保理の12月議長席を占めた機会を悪用して、われわれのいわゆる「拡散防止」問題を持って安全保障理事会で閣僚会議を招集する劇を演じようとしている。 

(中略)

朝鮮外務省のスポークスマンは14日の談話で、「拡散防止」問題をあえて論じるなら、核兵器の近代化に天文学的資金を注ぎ込んで中東非核化の実現を各方から妨害する垂直・水平拡散の元凶である米国と需要以上のプルトニウムを備蓄していつにでも核兵器を作り出す機会だけ狙う日本が一番先に審判台に上がるべきだと主張した。 

http://www.naenara.com.kp/ja/news/?0+100637

 

本当は朝鮮戦争を終結させるか否かという問題であるにもかかわらず(さらにいえば、朝鮮半島を足場に大陸に進出するという日本の昔みたいなやり方をどうするつもりなんだという意味でもあるにもかかわらず)、そこをすっとばして、核拡散問題にして北朝鮮を一方的に責めようという算段をとってるな、アメリカとその子分の日本よ、という意味でしょうね。

であるならば、勝手にプルトニウムため込んで、運搬技術としてのミサイル開発にも余念のない日本にも注目しろ、と。

私は、後段については北朝鮮にまったく賛成。プルトニウムため込み問題を含む日本の核政策については、私は、日本国民の一人として、現在のわが国政府は信じられないぐらい酷い嘘つきで、自国民にとってさえ危険な人たちだと呆れてる。国連に行く前に、国民に何か説明してみろよ、と思うし、そうであるならば近隣からしたら、到底信用できる国でもないだろうとも思うので、彼らが持つ疑念は理解する。

で、そこで、はたと河野太郎さんといえば、徒党を組むこと以外になんの能力も求められていないらしい自民党議員の中で、核燃料サイクルはあきらめましょうと言っていたという点で稀な存在だったことの意味がここに含まれるのかしら、など思ったりもする。

どうなんでしょう。しかしなんですね、なんでこう日本って国民でさえまったく読めないことばっかり。一体全体誰の国なんだろうとの思いひとしおですよ、ほんと。

 


 


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2 コメント

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バルバロッサ作戦 (蔵権)
2017-12-16 20:42:56
包囲しようとしたらいつの間にか孤立して逆包囲されていたでござる。
返信する
『負け戦を下請した国、日本』 (ローレライ)
2017-12-16 21:10:13
『負け戦を下請した国、日本』として『西側のリモコン自爆役者』として『周辺国の警戒の的』。『侵略業者イギリス共々警戒対象』だ。
返信する

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