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キプロスジョークと極東妄想

2017-05-19 17:04:10 | アジア情勢複雑怪奇

まったくの小ネタなのだが、昨日、キプロスでロシアの外相ラブロフおじさんと、欧州評議会のThorbjorn Jaglandさんという人が会談をしていた。

そこで、

ジャグランド:こういう写真(プロトコル通りの写真撮影)をしてもあなたに問題ない?

ラブロフ:そりゃあなたがどんな秘密をくれるかによるんですよ

一同わははは、

みたいなことがあったと、ロシア外務省が短い動画付きでtwitterに出したところから、あちこちで拾われている。

https://twitter.com/mfa_russia/status/865270479103418368/video/1

 

ラブロフも面白いけど、ジャグランドがこうやって聞いちゃうという点で、この人も面白い。でもって、二人して、というか欧州とロシアというべきかもしれないが、アメリカのバカ騒ぎを楽しんで、それを聞いた人たちもまた笑っちゃう、と。

 

一方で、世界中を網羅しているに等しい、いわゆる主要メディアは、深刻な文言で、ロシア疑惑とか書いちゃう。

これってつまり、主要メディアの「夢よもう一度」なわけでしょ。冷戦ってそうやって主にメディアを先導者、あるいは扇動者として作っていった。だからこそ、今度もできる!と思った人がいたんだろうが、なんか冗談にされてる風。

 

■ 弾劾とカラー革命

あと、弾劾、弾劾って騒いでますが、弾劾をもちあげてる人たちは一体何を根拠に弾劾するんでしょうね。現在あるのは主要メディアによる「証拠なしの疑惑」のみで、今に至るまでなんら具体的なことは論議になっていない。

だから、このまま暴走して弾劾決議をやればいいのにと思って私は楽しみにしてる。決議が通っても恥だろうし(ものすごい証拠が出てくれば別だが)、否決されたら、むしろトランプは強くなるわけだから、トランプもまんざら嫌ではないのでは?

さらにいえば、ロシアが米の選挙に影響を与えた、とほざくその主要メディアそのものが、世界中の選挙、とりわけロシアおよびその周辺国の選挙に過剰までの関与をしていることは既に明白。だから、逆噴射めいた話になる可能性は潜在的に高い。

こうなったら、カラー革命の真実特集とかいってロシアメディアがキャンペーンを張ったとしたら、アメリカを含む世界中でこの件で腹を立ててきた人たちがこぞって興味を持つでしょう。今度こそ、NEDとかUSAIDとかの実体調査をすべき! みたいな。

やってほしい、是非、と思う私がいる。

 

■ 極東方面

ユーラシアのもう一方の端っこでは、北朝鮮の羅津港とロシアのウラジオストク間でフェリーの定期船が走り出しましたという話。ロシアは制裁を回避するのかぁあああとう問題はそのうち来るでしょうが、ともあれ船は港を出た、と。

First ferry service links Russia’s Vladivostok and North Korea
Business & Economy
May 18, 3:44 UTC+3

http://tass.com/economy/946407

もともと羅津港とロシア極東部には鉄道があって、石炭はそこらへんでやり取りしているんだろうと思うので、このフェリーは人の行き来目当てなんですかね。とりあえず、運行者は中国の観光客が結構乗るだろうと見ている模様。

さらに、その中国は、ROK(韓国のこと)の大統領が変わったことを受けて、今後は通常通りの関係に戻ることを習さんが求めた、という記事が今日出ていた。

Xi urges bringing China-ROK relations back to normal track
http://www.globaltimes.cn/content/1047784.shtml

 

■ 極東妄想

はたと思うに、北朝鮮をどうやって軟着陸させたものかについては次第にロードマップを作ろうという話になっていくんだろう、と私は思ってますが、その中で問題になるのは要するに在韓米軍でしょ? 北が問題なんだ、という見せ方をしてますが、実際には在韓米軍を引っ込められないってのが問題じゃなかろうか。本当は。

でね、この代わりに、中国、ロシア、アメリカがピースキーパーになればいいんじゃないの? 南北もそれぞれ出してもいいから要するに5カ国で、現在の軍事境界線あたりに人を出して、南からも北からも軍事的制圧を目標とした動きはない、ということを確保するまで駐留すればいいんじゃまいか? 核問題とは体制保障の問題なんですからこういう動きの中で処理するしかないんじゃまいか?

あれ日本は、と誰しも思うんだけど、でも日本の軍人が出ていくと話がこじれそうじゃない、だって。南も北も嫌がるでしょう。

ただそうすると日本が孤立してるみたいになるから、そこはなんとか、自分からそう言ってくれたらいいのにな、みたいな? 

いや、まったくの妄想なんですが、これが一番安上がりの安定化ではないかと思った。

問題は中露 vs アメリカが~、って話なんだろうけど、そもそもなんでアメリカがあそこにいるのかというと、日本を降伏させた流れでそのままいた以上に、米が朝鮮半島を欲しがっていたという証拠はない。で、巷間信じられているのは、中国対策、ロシア対策だ、って話。

しかし、これって本当なんだろうか? 私が思うに、それは満洲のことであって朝鮮半島のことではないのではなかろうか。満州(つまり中国北東部)まで米に影響力があれば、それを中露を崩すための拠点となすというのはある程度わからないでもないけど・・・。でも、やっぱりそれでもわからないかも。

それって19世紀までの、大量の人間がどーっと移動することによる勢力をあてにした軍事侵攻の時代の話であって、現在そんな戦争をする気は、中露にもアメリカにもないでしょう。だから、アメリカが仮に朝鮮半島の根っこまでを取ったとしても、そこから中露攻撃にどうやってつなげるのかというのは、なんか空想物語でしかないような気がする。まして、中露は長く懸案だった国境問題を解決しちゃって、もう互いに戦争する気はねーよ、となって中央アジア部分では協力して開発してるわけですから。

なんかこれって、冷戦期のアメリカが日本の旧陸軍軍人に騙されたんじゃねーかという気さえする。朝鮮、満洲を欲しがってたのは一意に日本人ですんで。

で、アメの方としては、途中で気がついたりもしたけど、でも、日韓を含めた極東米軍ってのがあまりにも居心地がいいし、全体としてみれば、日本を占領するためのツールとして朝鮮を使った、みたいな感じの過去70年でした、みたいな感じ?

で、その新しい一手としてTHAADとか言ってみたけど、これを設置した代わりに中露が軍事連携を強化します、となったら、日本を基地とした北東アジアの防衛ってものすごく難しくなるのではあるまいか。カムチャッカ持ってるロシアが被ってくるわけですから。そういうわけで、THAADのために韓国を確保とかいうのはまぁ弱い話だと思う。

どうなるかわかりませんが、中露米+南北ピースキーパー案を一応推してみたい。

 

いずれにしても、現在の日本、つまり戦後体制の日本というのは朝鮮半島の動乱をきっかけに作ったものなので、朝鮮半島に変化が見込まれる以上、日本は自分んちの体制を見直すしかない、ってことになるのは確実だと思う。で、そうであればこそ、各種の秘密法制みたいなのを作ってるのかなぁとか思ってみたりもする。日本の側に開けたくない人たちがいるから。

日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか
矢部 宏治
集英社インターナショナル

 


 

 


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2 コメント

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日本の『朝鮮欲しい病』 (ローレライ)
2017-05-19 18:28:33
明治期に洗脳された日本の『朝鮮欲しい病』が極東の不安要因だが『田布施系』の人達『朝鮮が故郷』と今でも信仰しているのだろうか?
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満洲とったらいいことあるぞ病 (ブログ主)
2017-05-19 20:19:12
ローレライさん、

朝鮮欲しい病の本当の原因は、満洲とったらいいことあるぞ病なんじゃないかと思うんですよね。
もちろん、朝鮮南端は古来から関係あるし、高句麗も結構あると思う。だから日本人にとって朝鮮はよく見えている場所で関係も深いってのは嘘じゃない。

しかし、とったらいいことあるぞ、になるのはやっぱり満洲が絡むんじゃないかと思うんですよね。

ではそれはどこから来たのか。それは、清に敗れた明の人による吹聴が原因ではないのか、と私はずっと思ってたりします。朱舜水です。

だから、日本が満州を取ろうとすると、実は明の部分のチャイニーズ(概ね漢チャイニーズ)の得になる、という笑っちゃう仕掛けがあったりするんじゃないのか、と。本当は日本にとっての問題ちゃうやろ、それ、なわけです。

まぁ笑い話半分でもまんざら外れてない気がするわけです。
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