安倍ちゃんを倒すのはいいんだが、しかし、それで何かが解決されるというのも間違いと何度か書いたけど、いやほんと、だってこんなだもん、という記事を昨日読んだ。
元外交官の天木直人さんの昨日の記事。
阿修羅に全文を貼っている人がいたので拝借。
「アメリカ太平洋軍」という名の日米同盟礼賛本
http://www.asyura2.com/17/senkyo236/msg/624.html
新聞広告につられて「アメリカ太平洋軍」(講談社)という本を買って一日かけて読み終えた。
「日米が融合する世界最強の集団」という副題につられたからだ。
米軍が最強である事は知っているつもりであったが、どこまで米軍が強大なのか、少しは勉強してみたいと思ったからだ。ところが読んでみて失望した。
どこを読んでも、米軍の、それもハリス司令官率いる太平洋軍の礼賛ばかりだ。無理もない。著者である梶原みずほという朝日新聞の記者が、朝日新聞と米国務省の全面協力によって、ハワイの研究機関で二年間もの間、研究させてもらった「成果」を本にしただけだからだ。
まぁなんてか、日米合同委員会の賜物、みたいな話でしょうね。合同委員会というと官僚のことが取りざたされるけど、メディアの日米一体化の方もものすごい。むしろこちらの方が、「民間」という名が付されて誰もけん制できない分、パワフル。
私はこの本を、朝日新聞の行動の中の偶然の一例だ、などとは思わないですね。
で、安倍ちゃんがやっていることは、このようにして日米を一体化させることの法制度の整備なので、実質的には朝日新聞が志向していることとまったく同じだ、という話でしょう。たんじゅんにいえば、朝日を含む日本の主流メディアは、たまに安倍を叩くような素振りを見せつつ、世論のバランスをとってゴールは同じ、といったところ。あと、現代も矛先が違うだけで、一緒だと思いますよ。
そして、日米が融合して世界最強ならなんだか自分も強くなった気がする、と思う一般人も多分おおぜいいる。
さらにいえば、政界も、簡単にいえば、前原と枝野の「二大政党制」になるといいな、的な方向で今まではしてったんじゃないですかね。太平洋軍の利益を代表する者と、国務省の利益を代表する者、みたいな「二大政党制」。カバーとしては共和党、民主党だが、実質は多分違う。
笑えないけど、要するに、何十年か前、日本のために「二大政党制」が必要なのだとか言った人たちは、言ってみれば、ゴルバチョフみたいなものではなかろうか。
ゴルバチョフやらシュワルナゼといったあたりの人たちは、愚か者ではないし、人物もそうへんな人たちではなかった。が、根本的なところで間違っていた。世の中には調和ある世界など絶対受け売れらないと思っている人たちがいる、という事実を甘くみていた。
日本の人たちも同じでしょう。まさか、どこまで行っても自分たちへのコントロールをやめる気がない人々がこれほどまでに強く存在しているとは気づいていなかったんだろうと思う。
振り返ってみれば、北朝鮮問題もそれに近いものがあるかもしれない。この場合は朝鮮というより、度重なるソ連の甘さが問題を複雑にしていったような気がする。
この動画の中で、
『近代天皇論—「神聖」か、「象徴」か』by 片山杜秀×島薗進
片山さんという、まぁ普通に右派だが日本史に詳しい、知恵のある人が、興味深いことを言っていた。
ソ連が崩壊したからって、なんであんなに大政翼賛会みたいに二大政党制にしないとならないと言い出したんでしょう、そして今必要な時に社会党がない。
繰り返しますが、右派の方ですよ。当然に、社会党の内実が好きとかそういう話じゃなくて、国会を機能させるには、みんな同じような人たちじゃダメだろうってことと、アメリカの戦略と妥協しつつ、抗していくには、みんなして、アメリカと融合って素敵、じゃ困るわけでしょ(笑)。
それがわからない人たちが、わーわー言って、コントロールされやすい「二大政党制」をもくろんでいたというお話ですね。
多分、少なくともこのへんから話を掘り起こさない限り、日本の政界が多少なりともまともになることはないだろうと思う。
が、しかし、そこでメディアですよ。メディアはこの「二大政党制」の仕掛人なわけだから、反省するはずもない。ではどうするか。そこから考えないとならないんだろうけど、それをさせたくない人たちが大勢いるって感じですね。
一般アメリカ人がどう考えるのかを一度も考えずに、自国を溶かしてアメリカと融合だと言っているこの能天気さはなんだろうって感じ。彼らには拒否する権利があるでしょう。
日本は一億総親米派に近い状態だろうけど、アメリカの親日派なんてごく少数だと思う。知日派ならいるけど。
この片思い、こちらから見ていると正直恥ずかしい。ディグニティの問題。
そうなんですよ、かつて北米に住んでいた頃、その気恥ずかしさに私も苦しんだというか、疑問に思っておりました。へんだと思わないのかぁああみたいな。
というより、どうして気づかないのかとも思いましたね、これだけ多人数が米を訪れておいて。