COP26を見るにつけ、一体どこまでふざければいいんだろう、みたいな感想しかでない。
予想通り、日本の首相は日本は石炭火力をやめろ~と言われに行ったようなもの。しかしそうそう簡単にできないので、金出して、ほ~ら僕は貢献してます、などと言う。
日経によれば、国際財務報告基準(IFRS)で気候リスクを評価して、それで投資マネーをコントロールするスケジュールになっている模様。
気候リスク開示、22年6月にも国際基準 企業選別に影響
気候変動リスクの情報開示で、IFRS財団が2022年6月をめどに世界共通の基準をつくる。環境に関連した開示基準は乱立し、使い勝手が悪かった。統一したルールのもとで温暖化ガス排出量などの開示が進めば投資家は比較しやすくなり、企業の選別が進む。投資マネーの流れに影響を与え、気候変動対策にも弾みがつきそうだ。
前から言ってる通り、この気候変動の話は、科学の問題じゃなくて最初っから最後まで政治。資本家集団が金の流れをコントロールしたがってる。彼らにとっての自由の獲得というべきか。
おそらく、この基準に合致しないとここで上場できない、ここで制限がある、このファンドは作れない、従わないとペナルティーです、アカウント閉鎖です云々とやっていくんでしょう。
また、2週間ぐらい前には、アジア開発銀行の融資条件でも石炭火力なし、低炭素向けと規定されていた。つまり、日本から高性能の石炭火力発電所を輸出するとかいう話は資金から無理?
アジア開銀、低炭素化へ新政策 石炭火力新設融資せず
が、逆に脱石炭のためには資金を融資する模様。
アジア開銀、東南アで脱石炭支援 基金設立を発表
ということで、化石燃料開発が滞るわけだから、当面値段の上昇は、どこかで平準化するところまで上がる。
それで一体どうせいというんだろう??と、頭がおかしくなりそうな話なのだが、それはもう私たちにコントロール可能なことには見えない。それはちょうど、コロナがいつ終わるのかわからないのと似てる。
いやほんと、大変な世の中になりました。
そうかと思えば、来年1月1日からRCEPが実効に移るらしい。
RCEP 来年1月発効の見通しに 巨大貿易圏誕生へ
併せて考えると、これは一種のEUになるのでは?
一般に、もちろん中国の影響力はバカでかいが、それだけでなく、国際機関みたいなものが決めたルールがそのまま、各国の主権を無視して適用されるという寸法があちこちで起こりそう。EUがまるでそれ。
アメリカ、インドは入ってないんだから、潜在的には、中国主導のEUになるという可能性もあるのかも・・・。
だからこそ、アングロがオーストラリアを確保しにいった、ってこと?
いずれにしても、日本にとっては全然いいことはないし、むしろ、日本人がこの枠組みの中で移動して働け、みたいになると思うな。
人、モノ、資本が自由に移動できるのです! とかいうトークを聞いて「ヤバい」と思わなかった人たちは、一体何を勉強してきたのだろうかと西部翁なら言うだろうが、もういないので私が代わりに言ってみる。
一体誰がこんな枠組みを喜んだんでしょう? 問われた覚えさえない。そう、そんなことがしょっちゅう起こる枠組みになると思う。それが「自由」貿易圏。あなたの自由の話ではなく、資本の自由が先なのです。
そして、そうであればこそ、国家が国民の生活を保護するべく立ちはだからないとならない、だからこそ、国民の側に立つことの多い政治家が一定数必ずいないとならない、と20世紀の人の多くは考えたのだが、21世紀の人はそんなの古いから~みたいな感じで捨てちゃった。。
とか言っていたら、田中宇さんが、
コロナ危機は世界大戦の代わり
と書いていた。20世紀についての理解は私はちょっと違う考えを持ってますが、今回がその代わりなんだろうという感じは私も共有します。だから、前から言ってる、西側は今回は赤軍なしでナチと戦うようなもの、というのはそういう意味。
ソ連がナチを倒したことを伏せ、その意味を考えさせなかったことには意味があったのだな、とも思う。
■ 参考記事
包括する主体がワヤな包括的資本主義