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アナーキーな「保守」

2016-10-08 23:39:50 | 太平洋情勢乱雑怪奇

あんまりよく見ていなかったんだけど、ネット上に白紙領収書という文字を数回見かけて、なんだろうとついに見た。youtubeに動画があった。

いや~、もう大笑いしました、私は。

金額も日付けも全部お金を払った人が書いてもいいならそれって領収書の要件を満たさないだろうという小池議員のご指摘は誠にもっともで、誰も否定できないだろうと私は思うのだが、我が国の閣僚は問題がないとおっしゃる。つまり、領主書のなんたるかを否定しているわけですね。

いや、もう、たまげたたまげた。笑った。

これって、放置したらほとんど国家の根幹を揺るがす大問題だと思うんですけどね。だって、こういうぐあいに白紙領収書に適当な金額書き込んでいって、費用の水増しが横行して税額の減収になるどころか、誰も真面目にやる必要なんかねーんだよ的になっていくとしたらどうなるのか。税務会計制度の崩壊でしょ?

領収書とは、受け手が当該金額を当該期日に間違いなく受け取りました、という意味で発行されるものという根本の意味をぶち壊してる。

領収書って、別に近代だけじゃなくて、受け取り、という名でいつの頃からか知らない前からあるものではなろうか? もちろんこういう形になったのは紙が安価に手に入ってからなんだろうけど、でも、結納の目録に残るように、もらったものを証する慣行ってのは大分昔からあるように思う。その意味では、交換、交易を保証する大事な慣行であり、取引における主要な精神的なフレームワークのような気がする。

そういえば、昔の商家の人は、金額を確かめてから、はい、確かに頂戴いたしました、とはっきりしっかり言う人がいたし、今もいるけど、これを口に出して言うということも証を残しているということなのかもしれない。嘘はつかない取引がそこにあるという事実を双方で確認している、みたいな。

いや、そこまでいかなくても、いずれにしても、

国税庁は早急になんか言わんといかんのではなかろうか

 

いやしかし、問題なのは、やっぱり、白紙領収書だっていいんだという考え方の方だと思うわけですよ。領収書というものの意味を根底から覆してる。

稲田さんはものすごい屁理屈までつけていた。なぜお金を支払った側の自分が書いていいかというと、もらった側との信頼関係のもとに、いわば付託を受けて行為している、とか言っていた。

これって、もっともらしいけど、ものすごく勝手な理屈でしょ? 私人間のごくプライベートな話なら他者は関与しないけど、国家が関与して、領収書を基に税制上の優遇措置を受けようというのなら、これは通らないでしょう。

というか、プライベートだって、もしそこにたとえ出来心でも金額に差異があって、私はあなたに2万円しかもらってないのに、あなたは私に3万円くれたようにいいふらした、とか言ったら揉めるよね。やっぱりここでもダメだわ。前述したような取引慣行に反する人間として信用されない、とかになりかねない。

 

というわけで、我が国の現在の政権は、実にまったく、アナーキーな人たちによって運営されている模様で、なんてか、笑うしかない。稲田氏、菅官房長官、高市氏、全員、信じられないほどアナーキー。

くどいけど、これって金額の大小の問題じゃないわけですよ。領収書とはこういうものであるという社会常識、嘘はないことを証する取引慣行の上にあるものだと思うんですよね。民族の商慣行、国家の税務会計を支えるようなところにある常識をいとも簡単に蹴ってるというところが問題。

どうも、主要メディアは話を逸らして、政治資金規正法の問題にしようとしているようだけど、そんなんじゃない。領収書とは何かという問題ですよ。

 

■ 戦略性がない

単純にいって、稲田氏の対応のまずさも情けないよなぁとか思う。

支払い側が領収書を発行するというのは、議員の中で慣習化している部分があったにせよ、これは良くないことだと思う、事務所をあげて徹底する、もうしません、と認めてしまうのが推奨プラン。

しかし、それではスキャンダルになるのが嫌だと思うのなら、突っぱねて、私は知らない、なんということだ、もちろんいい事だと思ってません。忙しくしている間にできていた慣行のようですが、秘書が秘書が秘書が秘書がで行くという手もあったと思う。いいとは言いませんよ。しかし、アナーキーになるよりは、大臣として良いと思う。

戦略性のない防衛大臣とか勘弁してほしいし、制度を守れない閣僚とかいうのもジョークでしょう。で、どこが保守だって~???って感じ。



 

公共貨幣
山口 薫
東洋経済新報社

 

円の支配者 - 誰が日本経済を崩壊させたのか
リチャード A ヴェルナー 
草思社

 


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2 コメント

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『白紙の小切手』 (ローレライ)
2016-10-09 04:40:37
『白紙の領収書』は『白紙の小切手』として使われている『打出の小槌』を持っていると言うこと。
返信する
アナーキー in JP (ブログ主)
2016-10-09 14:52:22
『打出の小槌』を持ってるわけですからね、国家予算という。
返信する

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