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Brexitで混迷のUK、総選挙を求められてるネタニヤフ

2018-11-17 00:11:32 | アジア情勢複雑怪奇

昨日のハイライトはイギリスのメイ内閣の閣僚が次々と辞任していくという大騒ぎだった。

メイは最初からBrexitをソフトに、あるいは時間とともに無くすためにあのポジについたんだろうと思われているわけだが、こういう気持ち悪い手でつぶした場合、イギリス国民の反応はどうなるのかというのが謎だ。気持ち悪い手というのは、到底呑めないディールを議会で拒否させようとしているんだろうと思うわけですよ。

で、その騒動はおそらく今週末にイギリスの奥の院だの前庭だの、知らないけど(笑)、なんせどこかに集まって態勢を整えるんだろうと思うので、注目しておきましょう。

あと、欧州軍とか言ってる仏独とイギリスの関係とは、すなわちNATOをどうするか問題なので、この余波は当然東欧部に及び、欧州はしばらくぐじゃぐじゃだろうね。

日本の人のtwitterを見てたら、欧州軍はおめでたいみたいな感じで見ている人が結構いるように見えたけど、いやしかし、独仏が中心になる軍なんて現状夢物語みたいなものだし、その政治的リーダーたちが第2次バルバロッサ作戦を遂行してしまった今、東欧側がドイツを信頼するとはあまり思えない。イヤでしょう、率直にいって。バランスしようとする方向に行くはず。そこで、アメリカが入る隙がここにある。

 

他方、イスラエルでは、ハマスとのロケット弾打ち合いの後、ネタニヤフが停戦したことに反対を示したリーバーマン防衛大臣が辞任した。

イスラエル国防相が辞任、ガザ停戦合意に抗議

https://www.cnn.co.jp/world/35128713.html

 

また、他の閣僚でも続く人がいるみたいなことをちらっと見た。総じて、早期の総選挙を求められているネタニヤフ。

これは歴史的な間違いであるとネタニヤフは踏ん張っているが、果たしてこれは通るんだろうか?

'Historic Mistake': Netanyahu Warns Against Early Elections

Early elections decided on after Netanyahu-Bennett meeting, sources say ■ Netanyahu denies, voices opposition to dissolving right-wing government

https://www.haaretz.com/israel-news/israel-headed-to-elections-after-failed-netanyahu-bennett-meeting-1.6657976

 

ネタニヤフ政権は全然万全の政権ではなくて、むしろ非常にもろいバランスの上に乗って、そこである種の独裁権力をふるってる。一見すると強そうだが実はそういいバランスではない。

だもんで、ここで選挙をするとネタニヤフの命脈は尽きた、という話になる可能性は否定できない。

おおお、と喜ぶのは、次に何が出るかが見えてからだが、イスラエルの中は政党が一杯あって実は話がなんにもまとまらない議会という趣もあるので、大きな勢力が出るという恰好にはならないように見える。

 

ネタニヤフは誰でも知ってる通り、大金持ちアデルソンがバックにいる。この人はトランプのスポンサーでもある。

日本でカジノを作って儲ける気満々のアデルソンでもある。

実にまったく不健康な政治だ。

 

■ ちょっと感想戦

ハマスとの騒動で、ハマスは最後に記録的な大反撃をした。

イスラエル軍とイスラム組織「ハマス」の銃撃戦に端を発した今回の衝突は、ガザからイスラエルに向けてロケット弾300発以上が発射されるなど2014年以来の水準にまで激化していた。

https://www.cnn.co.jp/world/35128713.html

 

リーバーマンはそれでも停戦したくなかった。しかし、しなかったらどうなったのか。ガザだけでなく周辺とフルスケールの戦争になる確率があがる。

私は、これってリーバーマンという脳みそが足らない、どっちかというとISに入ってた方があいそう、という感じのおっさんが釣られたのではなかろうかと考えてたりする。

つまり、つい、イスラエルはかなりの反撃をした、そこにハマスがその倍ぐらい撃ち込んだ、と。

これはつまりハマスの方がリスク取って、これ以上やるならお前どうなるかわかってんだな、と畳みかけたって話でしょう。

イスラエルはここでフルスケールの戦争をして、勝てなかったらどうしよう、ってな不安があるからこれ以上出られないんだと思う。

誰が怖いのか。ハマスというよりシリア?

ロシアはプレーヤーの格が違うから一緒にバタバタはしない。イランも表はしない。しかし、シリアはイスラエルに始終違法な砲撃をされている側だから当事者適格。そして、この軍はロシアのサポートを受けてすっかりあちこち修正が入って、そして、なによりも、フル装備で現在闘いつつ強くなってる軍。その意味で、現在この地域で最も強い陸軍はシリア軍といっていいかも。スペックオタクは承知しないだろうが、この経験値がとても大きい。

この状況は、3年前とはくらべものにならないほどイスラエルにとって不利。S-300だけではない。

なんとなくノモンハンみたいな気がしないでもない。出ちゃったことが非常にバカだったという展開。

自分のプロパガンダ(俺は強い)と先を見越して可能な覚悟(ここまでは負けられる、勝てるetc.)が合ってない。自分のプロパガンダを信じるとこうなる、とも言える。

 

どうなるかわかりませんが、ともあれ、リーバーマンは、反アサドで騒いでた人でもあるし、本姓ISの一人がいなくなるのは世界のために良い。

 

いずれにしてもこの週末から来週にかけては、メイとネタニヤフがどうなるのか。注目だわ。


 


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2 コメント

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ヒズボラ化したシリア軍とハマス、逃げるイギリス保守党 (ローレライ)
2018-11-17 02:44:18
ヒズボラ化したシリア軍とハマスに包囲されたイスラエルと言う話で、アラブ人民が勝利の方程式を摑んでメデタイ!
逆にイギリス保守党はトランプの勝利から学んでいない!ジョンソンもメイも逃げてばかりだ。
コービン労働党の出番は近い。
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コービン (ブログ主)
2018-11-17 12:23:53
ローレライさん、

保守党がパーばっかりになってることが英パブリックにどう影響するか、ですね。
産業資本家エリートはコービンを蛇蝎のごとく嫌いまくって、狂ってる状況を見せてきましたが、保守層にはむしろコービンこそブリッツだなぁと思ってみてる人もいるわけで、これがどう影響するか。面白くなってきました。
返信する

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