またまた日文研のサイトから。
「赤穂事件と『忠臣蔵』の世界」/笠谷和比古先生
http://blskweb.nichibun.ac.jp/lapis/detail.do?id=255
仮名手本忠臣蔵は、おかると勘平の恋物語と史実としての赤穂事件の、それぞれに展開を持つ2つのドラマが共鳴している。
それぞれに話が進み、七段目で忠臣蔵の本筋に返している。まずもってこの構成が素晴らしい、というお話。
講演は2013/02/28。ついこの間。
笠谷先生のお話の冒頭を聞くに、忠臣蔵を取り上げたのは、大阪市長の橋下氏のいわゆる文楽問題もきっかけだったらしい。伝統文化って別に際物じゃなくて、今でも相当に人気のあるものなんですよという点を強調しようという試みが文化関係者の中にあったとみる。
そういうわけで忠臣蔵はいかに素晴らしくて人気があってという話になっていて、それが故にこの講演には実は特に目新しい話はないのが残念といえば残念。
しかし、もし仮名手本忠臣蔵の筋がだいたいでも分からないという人向けには、ちゃんとしたイントロになっている(そうか、だからこういう講演になったんでしょうね)。そういう意味では広くお勧めの一作。