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シリア空爆:侵略軍空爆が導くであろうもの

2018-04-14 12:29:07 | アジア情勢複雑怪奇

前から何度も、戦争で最も大事なのは大義と兵の士気、そして地理だという話を書いたけど、大義のない戦争をカタストロフにもっていかないで閉じるって大変ですね。

アメリカのシリアに対する空爆の後のマティスさんとダンフォード統合参謀本部議長の記者会見のライブをちょこっと見たけど、お通夜だねこれはと思った。到底、戦争をしかけていく側の発言でも顔でもなかった。

東ゴータが陥落した今、ここでダマスカスの科学研究所だのホムスの兵器貯蔵所なんかに爆弾落としたって何が変わるわけでもない。ただの証拠隠滅のお手伝いにすぎない。

Scientific research center in the greater #Damascus area.
Chemical weapons storage facility west of #Homs.
Chemical weapons equipment storage facility and command post west of #Homs.

https://www.zerohedge.com/news/2018-04-13/watch-live-president-trump-expected-announce-military-strikes-syria-tonight

 

しかも、ダンフォードなんか、ロシア軍がいないところを撃ってリスクを最小限にしましたとか言ってた。笑っていいのか、何したらいいのかわからない発言。

要するに、この間書いた通りの死のスパイラルに入らないよう、苦心惨憺でございますと言ったわけですね。

(1) アメリカがシリアの基地等を攻撃する
(2) ロシアは、通告通り、ミサイル OR キャリアを撃つ
(3) アメリカ、ロシア南部を攻撃
(4) 本土攻撃されたロシアは、UK、US etc.に攻撃
 
という順序にならないよう、(1)から(2)にならないよう、
 
・空爆の目的は、シリアが化学兵器を使わないよう、抑止するため
 
という目的を一生懸命宣言し、
軍事の実質的には、
 
・とても精確、ピンポイントです
 
をアピールして、その流れでロシア軍の基地もロシア軍派遣団のいるところもどこも撃ってません、シリア内の被害も最小限です、そんなに無茶してるわけじゃないんですよ、とアピール。
 
さらに念を入れて、
 
・これは一回限りです
 
 
と、今後波状攻撃してシリアを崩そうとか思ってないことも表明
 
 
現在のところこんな感じ。
 
 
■ 今後
 
多分、他国に軍事侵攻して国を盗むのはいけないことだ、という国連憲章に戻ることが確認されるんじゃないでしょうか。
 
今でも国連憲章はあるんですよ(笑)。でも、有志連合によるイラク侵略以来(本当は、コソボ切り取り以来)、この掟がほんとに緩んでしまって、各国民、特に先進国民が惰性に流された。
 
惰性に流すのに有効だったのはテロリストを培養してそこらで事件を起こして、それを撃ちに行く俺たちカッコいい、みたいなバカなスキームが911以来出来上がってしまったから。この自作自演スキームを壊滅させることが現在行われていることだろうと思う。
 
別の言い方をすれば、結局MAD体制になってないと、英米仏の侵略マインドにあふれた人々は跋扈するだけだったんだな、と言ってもいい。
 
結局、先進国というかthe West諸国はどこも有効に侵略戦争を止められる政治体制を持っていない。これが確認されたことは、将来への課題が設定されたという意味ではポジティブ、現状ではまったく残念な結果だったというべきでしょう。
 
別の言い方をすれば、先進国というかthe West諸国はそういう名前が付いているだけで、別に何も先進でも立派な国民でもなかったということ。
 
従って、ユーラシア側のロシア、イラン、中国がゆるく連合してくることで、この侵略マインドを持った侵略是認スキームに抗して、全体としてはじめて落ち着くメカニズムが出来上がるということじゃないでしょうか。
 
とはいえ、先進国というかthe West諸国は狂ったメディアによる支配体制下にいるから、今後も、いや違う、悪いのはロシア、悪いのは中国 etc. という煽りに負けるでしょう。だから、その分ユーラシア側は結束を固め有効な政策を取ろうとする。するとthe West側のプロパガンダは、より一層、自国民を圧迫する方向に行く。なぜなら、隠し事がてんこ盛りだから。良い例が現在のイギリス。
 
しかしユーラシア側を崩して、我々の天下だけが世界の歴史なのだ、みたいな時代は見える限りの将来において来そうにない。したがって、これらthe West諸国の諸国民は、自分たちを圧迫するスキームだけが残り、その効果には20世紀に可能だったような「おいしさ」は付属しない。つまり、どこも混乱する。混乱が続けば当然没落する。それがイヤなら変わるしかない。
 
the West諸国民の課題は、ここまで狂ったコーポレット・メディアに騙されながら来た過去を振り返ってみることでしょう。
 
 
■ オマケ
 
昨日ロシア政府が、チタン、ロケットエンジンの輸出制限を含む制裁案を検討していると発言したのは、まずヤメろ、しかしやるとしても理解可能なレンジを崩したらホントにやるからなという、強烈なリマインダーだったんだろうと思う。
 

Russia to suspend nuclear, rocket cooperation with America, ban US tobacco & alcohol – draft law
Published time: 13 Apr, 2018 10:29
Edited time: 13 Apr, 2018 14:25

https://www.rt.com/politics/424010-russia-sanctions-nuclear-us/

 
ボーイングもエアバスもロシアからチタン製品を輸入してる。ロシアがこの輸出を禁止すると、そりゃロシアだって商売は困るけど、安全保障がかかれば有無を言わさず禁止するでしょう。
 
するとボーイングを含む米軍産は、ホワイトヘルメットたらいうアルカイダが帽子かぶり直した奴らの作ったデマ情報に乗せられて、航空機製造体制に重大な影響をくらい、米軍はいきなりロケットエンジンの補給体制に支障をきたすという事態に見舞われるというまったく割に合わない取引をすることになる。
 
去年このへんで書いた話。

ボーイングは、ロシア製造のチタンの輸入者。というよりロシアにジョイントベンチャーを立ち上げてチタンの確保に余念がない。エアバスもそう。そりゃそうでしょう、チタンってソ連時代から戦略物資としていろいろ駆け引きが行われていたもの。全般的に、ソ連地域の方が原料的に有利で、ソ連の製造技術も高いというので、アメリカがむしろ虎視眈々だった分野と言っていいんじゃないかと思う。

で、現在世界最大のチタンメーカーはロシアの会社。VSMPO-AVISMA

だから、このへんのプロジェクトを止められたら、ロシアが損するというより、西側の混乱の方が大きいでしょう。

対ロシア制裁が見せてくれるロシアの多段階対応能力

 
 
■ 参考
 

  

 


コメント (1)    この記事についてブログを書く
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1 コメント

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あーあ、始めちゃいましたよ (特命希望)
2018-04-14 14:51:49
とうとう米英仏三莫迦帝国主義者がシリアへの空爆を再開しやがりました。
https://www.youtube.com/watch?v=-p3twOk-_JA
ニューヨークに隕石でも落ちてくれんかな。被害が国内限定で済むサイズの。
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