韓国がTHAADの追加配備を止める決定をした模様。
ＴＨＡＡＤ追加配備、事実上中断＝発射台２基で運用へ－韓国
【ソウル時事】在韓米軍へ配備される最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」の発射台４基が韓国に追加搬入され、大統領府に報告されていなかった問題で、大統領府高官は７日、「４基の配備は（南部・星州の）用地の環境影響評価作業が終了してから決定される」と述べた。環境影響評価作業は最短でも１年かかるとみられており、ＴＨＡＡＤの追加配備は事実上中断される。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060701007&g=int
時事のこの記事では、
北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させる中、迎撃態勢拡充に遅れが出ることになった。
とか書いてるけど、THAADは北朝鮮関係なくて、中国、ロシア向けだってのはなんてかもう世界の常識って感じになってないか？ そもそも誰でも知ってる朝鮮半島の南北の対立は、南の人口密集地が北との境界線に寄りに寄っているため、ミサイルなんかいらんわい、だから。
そして、極東でのTHAAD配備は、欧州側でイラン向けだといいながらロシア向けに配備したことと並行してんだよな、ってところまで常識かも。そして上級編としては（笑）、これはつまり、アメリカが欧州と日韓という属国の領土を使って主にロシアを攻めてるって恰好だわな、って感じ？
そこらへんをお含みおきだからなのか、それとも忘れたのか、とりあえず、BBCの記事では北朝鮮に触れられてない。
South Korea halts Thaad anti-missile system rollout
http://www.bbc.com/news/world-asia-40183448
ゼロヘッジに出てたNYTの記事によれば、
韓国でデモが複数回起こってることと、韓国の財界が中国との関係の正常化に迎えよというプレッシャーをかけたことが原因なんじゃないかとアナリストは言っているらしい。そうでしょうね。
Cited by the NYT, analysts said that as protesters demonstrated against the Thaad installation and South Korean businesses pressured the government to improve relations with China, Moon may have decided that suspending the progress of the missile defense system was politically expedient.
一般人と財界が国民的だっていいことだね。日本じゃ、デモを起こすと反日だとか言われるし、財界は圧倒的にアメポチこそ真理の道教の信者だらけだからこんなことは起きない。
アメポチとなって中露向けにミサイルを向ければ（防衛網ってったって要するにユニットとしては攻撃のためにもなる）、自分たちの領土が戦場になるんだから、できるだけやらないに越したことはないに決まってる、って感じが、昔の西ドイツを思わせる。
西ドイツも、ソ連に対してアメリカがあまりにも強硬だった時代、よく大きなデモをしたりしていたようだし、政治家も今よりずっと真剣だったようだ。
■ ドイツ軍、トルコから撤退
一方、ドイツ軍はトルコのインジルリク空軍基地にいたドイツ軍兵士と偵察機を撤退させる決定に至った模様。
Germany to withdraw troops from Incirlik base in Turkey
http://www.presstv.ir/Detail/2017/06/07/524492/Germany-Turkey-base-Incirlik
これは唐突に起こったことではなくて、ドイツとトルコはここ半年ぐらいずっとぐじゃぐじゃに喧嘩してる。大きくなったのは、確か去年のトルコのクーデターに参加した軍人にドイツ政府が亡命を許可したあたりで、3月にはドイツの国会議員らがインジルリク空軍基地を訪問しようとしたらトルコ政府に拒否され、じゃあ撤退するとドイツが言い出した。
撤退する兵士は約250人で、ドイツ軍はこの空軍基地をつかって米主導の有志連合によるシリア攻撃で給油したりしていた。このミッションではコンバットそのものには参加していないのではないと思う。ドイツ軍はヨルダンに移る模様。
なんてかこう、NATOってほんとーーーーに壮絶にムダな組織。ドイツ軍だのなんだりかんだりの20以上の国々の言語も違えば顔も違う、食べるものも違えば法も違う集団なんて実際には役に立たない。
そもそも純軍事的な意味では、侵略戦争を本気でやるならどこでやっても米軍だけで十分でしょう。十分でない相手の場合は相手も核大国か核大国が組む可能性の高いところなので、そもそも戦争できない。
しかし、政治的となると長々と治安を維持したりなんだりが必要なので人数が必要になるんだけど、でも、欧州軍ってどこも頼りにならないのではなかろうかという気がするんだなぁ。そんなだったらトルコ軍の方が強いし、イラン軍の方が頭もよくて強いし、いいし、もっというなら、やっぱロシア軍いいよなぁ、と米軍の人が思っていても全然不思議でない。
前も書いたけど、米の軍に興味のある人の中ではNATOの拡大は壮絶に不人気だったし今もそうでしょう。そもそもルーマニアだのエストニアを入れてわざわざロシアと敵対するって、正しい選択か？という実にプラクティカルなことを考えているから。東ヨーロッパを入れることで事実上NATOは破綻してる（守りきれないから）。
■ おまけ
習さんはカザフスタン訪問、プーチン・習は9日に会合。つまり習さんの日程がカザフ→ロシアあってことなんでしょう。
有志連合で共犯者を募り、侵略戦争を国際社会の承認を受けているという形に見せたい。この介入（侵略）はみんなが合意している国際社会の総意なんだとのストーリーが必要なんでしょう。