DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

和平提案登場&「アメは特別だ」からの変容は難しい

2022-12-18 00:19:46 | WW1&2
2022年はいやほんと大きな変化の年だった。大きな変化というのは、しかしながら、何か大きな出来事が起きたから変化するのではなくて、水面下の水が動いてなければ大きな変化にはならないだろうと思うので、今年は水上に出ていた氷が動いて始めて人々が気が付き始めた時だったという感じだろうか。


で、その大きな変化を具現化したウクライナ情勢は、ロシア軍が盛大にウクライナのインフラ、ある種の工場といったところに精密ミサイルを撃ちこむ一方、ドネツクの西側あたりを地道に落としていっている状況。ウクライナの側にこれを覆す手はない。

だからこそ、軍事施設でもなんでもないドネツクの市街地のど真ん中にがんがんロケット弾を撃ちこんで人殺しと破壊に励むのがナチ・ウクライナであり、それを支える醜いNATO。

そして、それに屈するドネツク市民じゃないってのがスゴイよなと毎日思ってる。気持ちが屈してない。こんちくしょうと思いながら冷静に事態を把握してる。伊達に大祖国戦争は戦ってないんですよ、ほんと。


 


そういう中、NATO諸国は威勢のいいことを言ってみたり、そうかと思えば、NATOはロシアと直接対決してませんとかいう寝言を言ってみたりする。アホかと。

そもそもウクライナの軍組織というのはアメリカとトルコを除いたNATO諸国で最も強い軍組織だった。西欧州各国の軍はいずれも小さいし、軽歩兵の軍だからとてもとてもロシア相手に正面から挑みますなどという作りにはなっていない。そこで、もともと大きなソビエトの軍組織があった、つまり軍を持つカルチャーがあったウクライナに白羽の矢がたってNATO諸国が膨大な金と労力を注ぎ込んで8年かけて大きな軍に育てた。だがそれでロシアを潰すことはできなかった。

まぁそういう話しなんだが、西側の公式見解は、狂ったプーチンがある日突然ウクライナに襲い掛かった、だがしかし、ウクライナ軍は強く、ロシア軍は犬を食っている、弾はない、弱い、圧倒的に弱い、という線なので、これを今後どうしていくのか、誰も知らない。

で、昨日あたり、キッシンジャーが和平提案を持ち出してきていた。

Kissinger outlines Ukraine peace proposal

クレムリンは後でよく見ます、みたいな回答をしていたようだけど、どうなんでしょう。この期に及んで、西側のオリガルヒの代理人の顔を潰さないようにしなくてはならないな、とロシア政府が考える動機があるようにも思えない。

キッシンジャーは、停戦させる、少なくともそんな動きを作ることによって西側にも顔の立つようにしようという作戦なんだろうと思う。そうでないと、ロシアはNATO傀儡のウクライナを降参させる方向で動くだろうから。そうすると西側の顔がまったく立たない。とはいえ、ここで停戦できる当事者って誰?なんか、おじいさん、もうあなたの時代は終わりました、みたいな感じ。

また、既にロシアに編入した4州以外のウクライナに住む人たちは、NATO支配から解放されたら、どんな考えを持つのか、というのも西側にとっては気がかりではなかろうか?

西側に通じることで便益を得る人たちはもうとっくにヨーロッパやら日本に脱出して、各国政府と結託して、外からロシア非難をするというお仕事につくだろうが、その人たち、ウクライナの各都市に帰れるの? なんというか、昔の白系ロシアみたいになってる気がする。ということは、むしろ、ウクライナ(-4州)内であっても外と通じた人が減ったとも言えるわけで、そこが選ぶ今後のそこは去年までとは異なるリアリティーが存在する、ということになる可能性もあると思う。


■ アメリカは特別だ

ということで、ここからは、どこまで行くのか知らないですけど、西側は一体どうやって現実と折り合いをつけるのか、というのが1つの大きなテーマだと思う。

その中には、最強硬派みたいな人たちがいて、断固クリミアを奪還する、プーチンごときに、ロシアごときに負けるわけにはいかないと今日もきっとどこかで雄たけびを上げていることでしょう。

米国務省周辺の俺様は頭がいいと真剣にプライドを持っている人たちは、冗談でやってるわけでも、あるいは田中宇さんがいいそうな、本当は多極派だが反動を呼び込むためにわざとやっている、とかいうそんな事情にもないわけですよ。

アメリカは正しいことをやっている、アメリカはリーダーだ、皆が仰ぎ見る存在だ、天下のデモクラシーだ、と本気で思ってる人たちがごっそりいる。

そう書くと、やれやれ民主党が、と思う人が多いと思うんだけど、実のところ、世界があこがれる素晴らしいアメリカ、デモクラシー世界、フリーな世界の希望の光だのなんだりかんだりというのは左右もDかRかも関係なく、アメリカ共通。

だから、アメリカは特別であると生まれた時から死ぬまで思い続けて人生を終えるはずだったアメリカ人が別のことを考えないとならないというのはそう簡単ではないのかもしれない。

ふと思えば、shining city on a hill(丘の上の輝く街)こそアメリカだ、とか、beacon of hope for the world(世界のための希望の光)とかいうのは、アメリカは他とは違う、我々は特別な存在だという意味を込める時の代表的なレトリックだと思うけど、これを普及させたのはむしろレーガンでしょう。そしてそれを心ひそかに受け取っているのが多くの共和党支持者。

つまり、60年代ぐらいまでのアメは言うまでもなく俺らは世界一の生産量を持つ世界一の金持ちだったので、あまりセンチメンタルなことを言う必要はなかったが、いろいろボロになった後に主観的なメッセージを使い始めた、と言えるのかもしれない。

まぁ、フリーダム・ファイターを持ち上げてた人たちの自由ってのも、なんというか、迷惑な自由、人殺しの自由、騙していい自由、大多数を苦しめていい自由、みたいなものだと思いますけどね。



ほんとーに酷い話。

サイクロン作戦が壊したアフガニスタンの日常


他国にも我々と同じように歴史と文化があって、人が住んでいると理解できるようになるかがアメリカに求めらえる今後ですね。他国の他人は餌でもなければ、数字でもないと思い知れ、というところ。


■ アメ覇権と共にある我々

だがしかし、より一層大変そうなのがヨーロッパであり、そして徐々に見えてきた日本のあやうさといった感じでしょうか。

両方とも、アメリカ覇権の強さに乗じて自我を拡大していったことが非常に問題だと思う。

簡単にいえば、NATOがなければ、ドイツとてユーゴを崩してバルカン制して、よーしロシア潰しだ、なんて思わなかったでしょう。(まぁわかりませんが^^;)

そして、西側のみんなが揃えばナチズムで何が悪い、ってなところまで来てるわけです。どこまで行くのやら。

 


その上で、77年前と同様戦況はドイツにとって芳しくない。

にもかかわらず、ショルツ首相は自国の実業界の人たちを前に、この戦争が終わったらロシアが経済関係を再開するようドイツに求めてくるだろう、と言ったようで、それに対して、ロシア外務省からショルツ首相宛てに公開のお手紙が行った。

「戦争が終わった」らロシアがドイツに経済再開を求めてくるだろうと言っているが、

私たちはドイツに何もお願いしません。ドイツの政治家はこれに気づく時です。

He emphasised support for the Kiev regime and said that after “the end of the war” in Ukraine, Russia would ask Germany to resume economic relations with it. But we will not ask Germany for anything, and it is time German politicians realised this once and for all. Mr Scholtz himself can take the blame for compelling businesses to tighten their belts. 

だそうです。

これはつまり、ドイツの経済界がさすがにこうやってロシアと切れていく状態にビビり出して、どうするつもりなのかとショルツに尋ねる、するとショルツが、心配するな戦争が終わったらロシアが頭を下げるさ、みたいなことを言ったってことでしょうか。

ってことは、ショルツじいさんは、ロシアが負けることを前提としているということだと思う。

経済界はこの冬のことじゃなくて、低コストのソ連/ロシア産資源を利用したドイツの利益モデルが崩壊することになるのだが、どうなのだ、と心配していると思われる。そして答えらえず、心配するなロシアは負けると答えた、と。

これでドイツ経済界がどう言ったのかを知りたいところだね。

そもそも、ミンスク合意を誠実に守るつもりはございませんでした、とみんな知ってたことをゲロってしまうへんなおばさんだけでも信用を無くして下劣な奴ら扱いされているのに、どうするつもりやら。

ミンスク合意は時間稼ぎ ( by メルケル) &不可逆性


他方、ドイツ庶民はドイツ政府の現状に納得していない人が多いらしく毎週どこかで大きなデモをしてる気がする。これは直近。ミュンヘンだそうです。

 


ということで、繰り返しになりますが、ここからは西側がどう現実と折り合いをつけるのかが問題になっていく。

だがしかし、それですら既に遅いとも思う。何度も書いてるけどロシアはとっくの昔に南面してしまった。

・・・ヨーロッパの混乱はどこに向かうんだろう?


■ オマケ

この2週間、ナチその2の話しを書かなかったけど、ナチその2なんだなという感触をゲットした人は半年前から比べるととっても増えたと思う。実際問題、ヨーロッパって実にナチ色豊かな(笑)戦後だった。

 



コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ミンスク合意は時間稼ぎ ( by... | トップ | NATOのウクライナ戦争、隠せ... »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ruzy_001)
2022-12-18 18:38:27
仮想戦記がまたしても、BS朝日で出てきました。田原総一朗と喋っていた廣瀬とか言うアマと笹川財団所属のオッサンは何もんでしょうか?ロシア軍はボロ兵器かさもなくばピカドンの二律背反しか無いと言う姿勢ですわ。あとドローンでやっつけてやったとはしゃいでましたが、ウクライナがドローン攻撃されたらイラン諸共ロシアを叩いてましたよね。
返信する
Unknown (一読者)
2022-12-18 22:47:22
最近までアメリカは冷戦構造を復活させたいのだと思っていましたが、それどころかもしかしたら主要国が軒並み潰れてアメリカだけが一人勝ちだったWWIIを再現したいのでは?と考えるようになりました。
明らかに全面戦争を意図した昨今の理解し難い日本の軍拡はその流れに沿うもので、日本を東洋のウクライナ化させた上で、中国と本物の戦争に持ち込み共倒れさせる意図があるのでは無いかと勘繰っています。
返信する
弱いところを食う (ブログ主)
2022-12-18 23:43:11
一人勝ちだったWWIIを再現したいという願望が、要するにネオコンのfullspectrum dominance(全球支配)でしょう。だけど、ユーラシア側は強くて入っていけない。

そこで、現状はヨーロッパと日本を僕にして食って自分んちに輸血しよう、って感じでしょうか。

ずっと同じ状態ではなくて、ユーラシアの伸長と共にアメの立場は悪くなってる。だけど子分たちはアメ一強だと信じてる。であればこれを利用っしているとも言えると思う。

ノードストリーム爆破事件は大事件ですよね、実際。
返信する
アメリカの敗戦国賠償金取立て! (ローレライ)
2022-12-19 04:16:01
アメリカはトランプ時代から日本やヨーロッパの旧敗戦国から賠償金の取り立ての外交が露骨ですが、バイデンは取り立て外交のダメ押しに第三次オイルショックをリンクさせて、西側陣営の集団自殺政策なのが,グレートリセットな所!
返信する
米英の難民追い剥ぎビジネス! (ローレライ)
2022-12-19 06:15:21
イギリスはナポレオン戦争で難民追い剥ぎビジネスで儲けて、アメリカはヒトラーと日本の大陸掠奪難民追い剥ぎで儲けた!
夢再びがアルカイダとウクライナナチス戦争となる!
返信する
Unknown (kiyo)
2022-12-19 14:11:19
ピーター・ケーニッヒによると、ヨーロッパのエネルギーの備蓄は今冬は十分確保しているそうですね。値が下がり過ぎて、公海上でタンカーが待機待ちだそうです。今日中に、この記事はアップできそうです。
ローマクラブの「成長の限界」あたりから「人類は癌」だと言って、その頃から、人口削減を第一優先にしているようですが、そこから見ると、西側も東側も関係なく大混乱を作り出しているように思えます。ヨーロッパを残す、アメリカを残す、助けるということすら考えていないのかもしれません。
そのために使われているのが、戦争、パンデミック、気候変動、食料・エネルギー危機という、彼らに都合の良い大前提を信じ込ませ対立させるゲームなのかな。金融危機についてはメディアは報道しませんね。
返信する
超えてはいけない一線 (セコイアの娘)
2022-12-22 02:04:01
驚いた。
ゼレンスキーの電撃訪米、バイデンと首脳会談、20億ドルの追加支援。
この疫病神をアメリカ本土に招待とは、超えてはいけない一線を超えたような気がして不安で不安で仕方ない。
返信する
最後っ屁 (セコイアの娘)
2022-12-23 03:00:43
マジで吐き気がする。ゼレンスキーとペロシの最後っ屁。

https://www.bbc.com/news/av/world-us-canada-64061196
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

WW1&2」カテゴリの最新記事