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米ポンペオ、ソチでラブロフ&プーチンと会談

2019-05-15 16:11:47 | アジア情勢複雑怪奇

米のポンペオ国務長官がロシアのソチを訪れ、カウンターパートのラブロフと長々と話し合い、その後プーチン大統領に会った。

Meeting with US Secretary of State Mike Pompeo

http://en.kremlin.ru/events/president/news/60519

 

 

このお部屋は、前日、中国の王外相を迎えたのと同じですね。アメが来ると各紙に書かれて米露関係だけにフォーカスがあたることを見越して、中露関係のバリューを確認した、みたいな恰好なんでしょう。

 

http://en.kremlin.ru/events/president/news/60519

 

で、内容的には要するに、最低でも話し合える関係に戻ろうと提案しあってるところといった感じ。オバマ政権末期からここまで、各分野で次々と米露間の関係を断絶していって、これはこれで危険だろうと誰もが思うまでになっていった。

いろいろあったけど、モラー報告書が示す通り癒着などというものはない。

状況は変わってるし、両国には異なる利害もあるけど、協力できるところ、共通の利益もあるだろう、であれば話し合っていけるようになることを望む。

といったことをプーチンが挨拶し、ポンペオは、ラブロフと建設的な話し合いを行い、合意できないところもあるし、私たちが構築できるお互いに重なる利益もある。トランプ大統領はこういうのを推進したいと考えている、と言ってる。

なんでしょうね。

で、両国の協力が上手く行っている部分もあると言い、それを、北朝鮮について、アフガニスタンについてだ、と言ってる。

So President Trump wants to do everything we can. And he asked me to travel here to communicate that and, when we have a chance in a little bit, a couple of other ideas he suggests. But some of our cooperation has been excellent. On North Korea. On Afghanistan, we’ve done good work. Counter-terrorism work together. These are things we can build upon. And then I know we’ll get a chance to talk about our strategic security dialogue as well, and the hopes that we have for that, to work alongside you on that very, very globally important project.

 

この話は、思えば、昨日の王・ラブロフ会談で、北朝鮮とアメリカは両方とも合意を見いだしたいという気持ちはあるんだが、common ground、つまり一致点、共通して立てるところがなかなか見つからないんだよ、といったことが言われていたのと同期する。

 

ポンペオは福音派だし、ティーパーティーだしという狂ってる方向が目立つ人ではあるんだが、そもそもは陸軍士官学校を卒業し、次に法務博士号をハーバードで取って弁護士として働いてた人。

START(戦略兵器削減交渉)と、アメリカがぶんなげてしまったINF条約なんかをレビューして話し合う環境を持とうという気があるとすれば、適任な人なんだと思う。

トランプ政権って基本は軍の政権なんだと思うしね。

シリア戦線について、孤軍奮闘してシリアを訪問し、米の蛮行についてもう泣きださんばかりに批判していたブラック上院議員もこの経歴と似てる。

 

ということで、トランプ政権は、カーター政権(またはブレジンスキー政権)の後のレーガン政権みたいなことになってきたけど、状況的には、プーチンはゴルバチョフが踏んだ苦い轍を繰り返し述べていることと、一帯一路+EAEUによって米中露のうちの米中が結託してソ連を叩く、というフォーメーションができなくなってる。ということで、トランプがレーガンになろうとも、昔のように米主導で米だけおいしい思いをするような恰好にすることはもうとてもできそうにない。

だからこそ、ユーラシア vs 米+属国の対立化にならないよう(不利だから)、米中露の3極をハイライトするべく米国は動いている、ということなんだろうと思う。

しかしこのへんが既に中&露の一般人にも見切られているところが、昔と違うよなぁとか思える今日この頃。

 

■ オマケ 1

モラーという人は時間稼ぎのために出て来た人ということなんじゃなかろうか。つまり、オバマ・ヒラリー時代に狂ったことが多数行われていた。これをカバーアップしたり、裏で整理して関係国、関係者と調整する必要があったということなのではあるまいか、と思ったりする。

 

■ オマケ 2

ロシアのソチは、国際関係のための貸座敷状態になってるなぁとあらためて思う。中東の首脳とかすぐにソチに行くし、黒海の対岸のトルコのエルドアンとか、ちょちょっと突然行ったりしてる。

で、ここで話すと、それをロシアのクレムリンといくつかの国営に近いメディア(ロシアのリベラルメディアではダメ)が素直な報告をしてくれるのがとてもいい。それを基に見ているとだいたい流れが見える、みたいな恰好になってると思う。

これは何を意味するのか? つまり、いわゆるリベラルメディアというのが狂ってる、すべてをへんな眼鏡をかけたバイアス込みで見ている/見せているチンドン屋だということではあるまいか?

あと、アメリカで会談するとアメリカメディアが大きくて、そこがアメリカ人が好みそうな話に馬鹿な取材をして、それを流すから、自然必然馬話が作られてしまう、というのも問題。日本で会談すると、なんでもかんでも、べたべたに感情的な、おもてなしに喜ぶ首脳みたいな話にしかならないのと同型。


 


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