ラブロフ&ゲラシモフのベルリンへの道について昨日書いたけど、
シリア:白ヘル、カナダへ&ラブロフ、ゲラシモフ、ベルリンへ
この旅はベルリンでは終わっていなかった模様。
23日(月)にテルアビブに行って、そこから24日(火)にベルリンに行ってメルケルに会い、同じ日、パリに行ってメルケルマクロンに会ったそうだ。
Russian top diplomat, General Staff chief return after trip to Israel, Europe — source
http://tass.com/politics/1014822
On July 24, they visited Berlin to discuss with German Chancellor Angela Merkel conditions for the return of refugees to Syria, as well as activity of the Normandy Format. On the same day, Lavrov and Gerasimov met in Paris with French President Emmanuel Macron to discuss Syria and Ukraine.
今のところ、何のためにこれが行われたのか、シリア問題、ウクライナ問題を話しました、以上のことは出ていない。
出ていないが、相当特別な事態ではある。なぜなら、ゲラシモフ参謀長は、クリミア問題でEUと米から、お出入り禁止の人物になっているから。
にもかかわらず、EU諸国の、それもある意味ど真ん中というべき独仏に入った。
こう考えてくると、イスラエルは便を供しただけなのかもしれない、という考えも成り立つと思う。なぜなら、モスクワからベルリン直行だと、ゲラシモフはEU入国禁止だと騒がれる確率は高まるから。
しかし、テルアビブからベルリンだったら、中に誰が乗ってるのかわからないから、アウトサイダーが気づくのが遅れる。
アウトサイダーとは誰かというと、まぁ、英米の、特に今回は欧州なのでUK政府もしくはそのメディアではなかろうか?
ということで、ロイターがへんな記事を出していた。
ドイツの野党がロシアの高官と会ったメルケルを非難、と。
Opposition parties blast Merkel over meeting with Russian officials
https://af.reuters.com/article/worldNews/idAFKBN1KF353
ドイツ政界の野党って誰だろう?と、まずそれがわからないのが現在のドイツ。だって大連立状態だから。何度でも使えるこの図。
ドイツの政党は現在、暗黙裡に3階層になってると言っていいんだと思うんだな。
こんな感じ。
(1) CDU/CSU、SPD 中心勢力、またはエスタブリッシュメント
(2) グリーン、FDP 中心勢力の補完勢力
(3) AfD、ザ・レフト 中心勢力が絶対組まない勢力
ドイツ:42%が在独米軍撤退を希望、全体でみればだが
で、ロイターが野党と書いて、発言を載せているのは、(2)のグリーンとFDP(ドイツ自由民主党)。
ロイターが取材したんじゃなくて、ドイツの読売みたいなBild に出てたらしい。そこで、グリーンの人が、こんなのって信じられない、と言い、自由民主党の方は、ドイツ政府が詳細を発表しないことを嘆かわしいし奇妙だ、と語ったそうだ。
グリーンと自由民主党は補完勢力なので、果たして野党と言うんだろうかという気もするが、ともあれ、政権に入ってないという意味では野党。
そこからしかコメントがなかったのかどうかはドイツ発のものを見てないのでわからないが、おおむね、
(1) の政府を作ってる2つは、ノーコメントだったんでしょう。
そして、本当の意味で野党である (3) は、ロシアとの関係改善には前向きな側なので、Bildもロイターも発言を聞きたくない。これは問題だわ!と言ってくれなかったか、言ってくれないのがわかってるから取材してない、のいずれかではなかろうか。
いずれにしても、実際そりゃ、奇妙なことが起こってるとは言える。
そして、話を作る側にまわる主流メディア(という名のプロパガンダ機関なわけだが)が、上手く立ち回れていないことがわかる。
さらに、イスラエルが絡むとロシアにとってはいろいろ便利なんだろうな、というのもある意味面白い。
何が出て来るのか、楽しみ。
何が出て来るか楽しみ。