本日。
ローリンヒル
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の無料ライブに向かうほぼ満員状態の地下鉄の車中。
一人の目の不自由な白人の青年が乗り込んできました。
Excuse me~
そう声をかけながら、
その青年は身動きがとれない人の群れの中を
半ば強引に右手に持つツエをたよりに
満員状態の車中の奥に進んでいきます。
その時。
小学生ぐらいの男の子が
強引に突き進むその青年に後ろから押され、
ドサっと床に倒れ込んだのです。
すると。
その男の子の隣にいたご夫人が
床にヒザを打ち付けて今にも泣き出しそうなその男の子を抱き起こしながら
すかさずその青年の背中を激しく押しかえすような状態でこう言放ったのです。
『ちょっとアンタ待ちなさいよ!
今、この子押したのよ!! あやまんなさいよ!!』
するとその目の不自由な青年はこう言い返したのです。
『なんだよ!こっちはわざとやったわけじゃねーのに!
そっちこそ後ろから押すなんて卑怯じゃねーかよ!
俺は見えないんだよ!!お前たちが見えるものは俺には何もみえねーんだよ!
謝るのはまずはそっちだろーが!!』
通常、障害者の人から面と向かってこんな事を言われてしまったら、
『す.すいません...自分が悪かったです』
っと、素直に誤ってしまうところでしょう。
ですが。
『だから何なのよ!目が見えないからって被害者ヅラすんじゃないわよ!
被害者はこの子よ!あんたに押されて転んだこの子なのよ!
いいからあんたが先にあやまんなさい!!』
っと、ご夫人はギャク切れさながらにこう切り返したのです。
すると、その言葉を待っていたかのように車中のあちこちから
『そうだ。謝れ。子供に手を出したお前の方が悪い。謝れ。謝れ。』
っと、謝れコールが勃発。
しかも、誰かしらどこかで
ジ~ザス~~~なんちゃらかんちゃら~~♪
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と歌いだすや否や、なんとみるみるうちに
9割型ブラック人口で閉めていた車内は次第に大ゴスペル状態に。
>こ...これが噂に聞く生ジーザス...
”” 子供は神から授かった宝 ””
です。
これぞアメリカ文化&宗教の象徴といいますか。
通常、席を譲るなど労ってあげるべき障害者やお年寄りよりも、
”まずは妊婦と子供に席をゆずるべし”
が、暗黙のルールの為、
障害者としての言い分など全く通用せず。
単純に事故ととらえるべき状況も子供が相手ならば一変して加害者。
それどころか、まるで南北戦争時代を彷彿するようなスゴミさえ感じる車中。
>ジ~ザス~~~なんちゃらかんちゃら~~♪
>ジ~ザス~~~なんちゃらかんちゃら~~♪
>ジ~ザス~~~なんちゃらかんちゃら~~♪
>ジ~ザス~~~なんちゃらかんちゃら~~♪
>>もう分かったから...
ちなみに。
障害者の青年ですがこの大合唱の車中をただひたすら
『ファ~~~ッ◯!!!』
っと、何度も暴言を吐き続けながら
隣の車両へとツエを盾に移っていきました。
すっかりレゲエ色に染まったローリンヒルよりも
この思いがけない車内前座ライブの方が
私にとっては忘れられない2007年、夏のオモヒデになった次第です。
そして、まだ何がおこったかも分からないMy sonに
この出来事をいつか話して聞かせた時、
『で、この場合、どっちが正しいの?』
っと、聞かれた暁には
”感情だけで物事を判断しない答え”
とやらを、きちんと用意しておこうと思う今日この頃です。