最近、『世界地図から地名の起源を読む方法』
(著:辻原康夫 河出書房新社 2001)を
新たに呼んでいる。内容は、題名どおり
世界の地名の成り立ちについて紹介した本である。
私にとってきらめき面白い内容ではあるが、
その反面、地名の起源を探り当てる事の難しさも
想像に難くないところである。
実際この本の前書きにも、「ここで紹介する
地名の起源や由来の多くは妥当性があるとして
採用された有力な説であって、学術的な裏づけを
もった説ではない」旨の但し書きがあり、
この本の内容を確かな史実として信じることの
危険性を説いている。
私も、いつかこの本を引用する際には
その情報が不確かなものであることを
なんとか明示しなければならなくなるだろう
(ましてこの本は発行されて10年近くたっているの
だから――)。
最近の私の興味はもっぱら日本史ばかりなので、
世界史について多くを語る下地など持ちえない。
なのでとりあえずジャパンの語源についてのみ
話題にしたい。――上の本によると、
ジャパンの語源はむかしの中国語に由来するという。
古来、中国では日本のことを「倭国」と呼んだが、
遣唐使の国書によって「日本国」の名が
中国に正式にもたらされたため、
唐代以降の中国では「日本国」を
チーペンクォ(Jihpenkuo)と発音していた
(余談であるが、私の大学時代の記憶によれば
現代の北京では日本をリーベンと発音する。
また「国」はグオと発音する)。
時代が下って13世紀後半の元の時代になると、
フビライを訪れたマルコ・ポーロが
「チーペンクォ」を「チパング」と聞きとり、
『東方見聞録』のなかで初めてヨーロッパに
その名を紹介した。
しかし当時は印刷技術がなかった時代、
「チパング」の名は写本する側の誤謬や誤記などに
よってジパング、ジパングリ、シパングなどと
変形していき、やがてめぐりめぐって
英語の「ジャパン」に落ち着いた――という。
なにやら、古代中国の「秦国」が
英語の「チャイナ」に至る理屈に似ているようだ。
全ての地名の由来をムラなく紹介しているわけでは
ないようなので、この本は完璧とは言いがたい。
ザッと読んでみた限り、特にカナダや南米の
地名に関する記述が少ない印象である。
しかし、今の私にはあの程度の情報量で充分だ。
いや、面白い内容だった。
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(著:辻原康夫 河出書房新社 2001)を
新たに呼んでいる。内容は、題名どおり
世界の地名の成り立ちについて紹介した本である。
私にとってきらめき面白い内容ではあるが、
その反面、地名の起源を探り当てる事の難しさも
想像に難くないところである。
実際この本の前書きにも、「ここで紹介する
地名の起源や由来の多くは妥当性があるとして
採用された有力な説であって、学術的な裏づけを
もった説ではない」旨の但し書きがあり、
この本の内容を確かな史実として信じることの
危険性を説いている。
私も、いつかこの本を引用する際には
その情報が不確かなものであることを
なんとか明示しなければならなくなるだろう
(ましてこの本は発行されて10年近くたっているの
だから――)。
最近の私の興味はもっぱら日本史ばかりなので、
世界史について多くを語る下地など持ちえない。
なのでとりあえずジャパンの語源についてのみ
話題にしたい。――上の本によると、
ジャパンの語源はむかしの中国語に由来するという。
古来、中国では日本のことを「倭国」と呼んだが、
遣唐使の国書によって「日本国」の名が
中国に正式にもたらされたため、
唐代以降の中国では「日本国」を
チーペンクォ(Jihpenkuo)と発音していた
(余談であるが、私の大学時代の記憶によれば
現代の北京では日本をリーベンと発音する。
また「国」はグオと発音する)。
時代が下って13世紀後半の元の時代になると、
フビライを訪れたマルコ・ポーロが
「チーペンクォ」を「チパング」と聞きとり、
『東方見聞録』のなかで初めてヨーロッパに
その名を紹介した。
しかし当時は印刷技術がなかった時代、
「チパング」の名は写本する側の誤謬や誤記などに
よってジパング、ジパングリ、シパングなどと
変形していき、やがてめぐりめぐって
英語の「ジャパン」に落ち着いた――という。
なにやら、古代中国の「秦国」が
英語の「チャイナ」に至る理屈に似ているようだ。
全ての地名の由来をムラなく紹介しているわけでは
ないようなので、この本は完璧とは言いがたい。
ザッと読んでみた限り、特にカナダや南米の
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しかし、今の私にはあの程度の情報量で充分だ。
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