歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

ヒーローの器

2016年06月18日 | 日記
例えば世界が悪の手に堕ちて、

それを救うのって私じゃないんだろうな。



松本大洋の漫画を立て続けに読んだばっかりに、

また変な妄想がはじまった。



「活動的な馬鹿より恐ろしいものはない」

ゲーテが言った言葉らしい。



例えばっていうのもなんだか白々しい。

もはや、世界の何を悲しんだらいいものか。



世界を想うから頭が混乱するのだ。

きっとヒーローは個人を助けるのが関の山。

だとすると誰でもヒーローになれそうだ。

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対脳内世間戦の近況報告

2016年06月08日 | 日記
多くの人々は日々自分の脳内にある世間と闘っている。

ここでのポイントは実際の世間ではなく自分がつくり上げた世間だということ。



脳内世間は非常に手強い。

時にはこちらが深手を負うことだってある。

他者が推し量ることの出来ない孤立無援な世間様。

頭の中でどこまでも広がることが出来る強大な世間様。



妄想は現実を凌駕する。

アニメ『パプリカ』で現実世界に夢の世界がなだれ込んでくる場面があるけど、まさにそんな感じ。



定義にもよるけど、皆が共有出来る世間なんてあってないようなもの。

そこでわざわざ脳内に世間なるものを構築し自ら恐れおののきこう願う。

「どうか世間様の反感を買いませんように」。



これは善し悪しの話ではない。



「これが世間だ」と錯覚しがちな「今まで蓄積してきた曖昧なイメージ」。

ゆとり世代、アラサー、女、その他職業や容姿、置かれた様々な状況に応じて脳内世間は反応を示し、

ときに賞賛し、ときに戒め、ときに怒り、ときに攻撃してくる。



対脳内世間戦において、確実な戦の終焉はない。

他者がいる限り「世間」という存在は頭の中にあり続ける。

瞬間的な勝利を手に入れるだけでいいなら、それが妄想だと気づけばいい。

すると夢の途中でこれは夢だと気づいた時のようなある種の快感に襲われる。

そしてこれは夢だったという安堵が肩の力を抜いてくれる。

しかし幸か不幸か、人は忘れるという能力に長けている。

気づけばまた同じことで思い悩むだろう。



BOOM!!!!!!!!



今日は話の内容より、下の絵のイメージの方が先にあった。

無自覚だけれども想起のきっかけはどう見てもチャーリー・カウフマン監督の

『脳内ニューヨーク』の象徴的なグラフィックデザインだろう。

観るのは1回でいいけれど、影響力のあるすごい映画だった。



サァ明ルクハキハキト正シイ道ヲ歩キマショウ!


脳内世間の図
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カンパーニャ嬬恋キャンプ場

2016年06月05日 | 日記
カンパーニャ嬬恋キャンプ場

写真まとめて見れます。


「目的がキャンプ」といういかにもキャンプは初めてかもしれません。

昔寝袋とテントと少しの食糧だけもって野営をしに行ったことくらいはあります。

あとは音楽祭などに参加したときにテント泊するくらい。



今回は大人3人で群馬県の西端に位置するカンパーニャ嬬恋キャンプ場へ行ってきました。

今回のキャンプ場選びの条件は、

1. 湖が見えること

2. 焚火ができること

3. オートキャンプ(だらだらしたかった)

静岡の朝霧高原にある田貫湖でフライフィッシングも魅力的だったけど、

オートキャンプ禁止だったので今回はやめておきました。

憧れの『リバー・ランズ・スルー・イット』はまたいつか。



カンパーニャは無印良品が運営するキャンプ場で、

予約の際にMUJI.netメンバーに登録しなければなりませんが、

手続きは簡単かつ無料なので問題ないと思います。

無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場



このキャンプ場ですが、到着する前からいろんな景色を楽しめます。

群馬と言えば山、詳しくないので山の名前などは分かりませんが、

鋭利な山の頂きが悠然と連なり、厳かな自然を際立たせていました。

あと拓けた谷に見渡す限り広がるキャベツ畑にも圧倒されます。





チェックインは13時で時間ぴったりに到着。

初めにセンターハウスで受付を済ませ、店内に並べられた無印良品を物色。

熊が出るのか熊よけの鈴を貸してくれました。

向こうの方にちらっと見える湖がいいですね。

梅雨入り前の平日、お客さんは私たちの他に1組だけでした。


センターハウス。



予約時に広大な敷地から好きなキャンプサイトを選ぶことが出来ます。

草原の方のエリアは見晴らしがよく風のない晴れた日は最高だと思います。

どこなら湖が見れるのかと神経質に予約検討しましたが、

DからHエリアであれば当たり外れはあまりないでしょう。

検討の末、風を危惧し結局森の中のエリアにしました。

しかも他のサイトから特に独立しているA4。

奥まっていて風もない上、日当たりもいいので正解でした。

難といえば日が翳ってくると急に寒くなることと、日中は虫の鳴き声が凄いこと。

以下、いくつかサイトの雰囲気を紹介。


A4:私たちが借りたサイト。


A1:A4より日当り良さそう。


A2:面白い形。木があるからハンモックいけるかな。


D20:丘の下の方だから湖は見えないと思っていたけど見えました。
多分繁忙期は他のテントに阻まれて見れないのでしょう。


E29:景色はD20に似ていますね。


F12:湖を背に丘の方を見た時の景色。



どのサイトがいいかは天気がよければあまり関係なさそうです。

どこも違う魅力があるので、今度は違うサイトに泊まってみたいなと思います。



設営はだらだらしながらやってだいたい1時間かかりました。

たてたはいいものの、森サイトの場合タープは必要ないですね。

昼から既に涼しいのでほとんど使いませんでした。


汚い…。



お昼はBBQです。

イエガーコークを飲みながら準備。





食事の準備は他の人に任せて私は火起こし。

炭と家にあったジャンプを使いました。

火起こしが苦手な方へちょっとしたアドバイスです。

まず最初にやることは炭に火を定着させることです。

そのためにしばらく火が燃え続ける形をつくる必要があります。

火がよく燃えるように空気が流れる道をつくります。

1. 紙をキャンプファイヤーみたいに積み上げ、

2. 真ん中に空洞をつくり、

3. それを炭で覆います。

下の方に開いた炭の隙間からチャッカマンで紙に火をつければ、

上昇気流が起こり勝手に燃えてくれます。

火が消えそうになったら炭の隙間から紙を補充して火が絶えないようにしてください。

火が定着したら炭をばらして完成です。

このキャンプ場は全てのサイトに焚火台がついているのでわざわざ持って行かなくても大丈夫です。







BBQと言えば大きめに切った具材の串焼き。

太めの竹串を使いましたが、一瞬にしてこげてしまいました。

そりゃそうか。

ま、焼けたのでいいです。



今回大好きなレトルトのたれを持っていきました。

その名も「焦がし醤油フォンデュ(日本一醤油 岡直三郎商店)」

本格的な調理器具はないので家にあったガスコンロで温めました。





食事を楽しんだら片付けですが、どのサイトにも近くにサニタリー棟があるのでとても便利です。

サニタリー等にはシンク、調理台、トイレがあります。

重要視していませんでしたが、トイレがとても奇麗で快適でした。

Aエリアのトイレは完全な水洗でしたが、草原のトイレは水洗風ボットンでした。

どちらにしろ奇麗なので嬉しい誤算です。




Aエリアサニタリー棟。



16時くらいに散歩がてら草原の方に行きました。


透き通るような草木。


そこら中にツツジ。


道すがら。左右にD~Hサイトが広がっております。


テントサイトを抜けると草原。草原の真ん中当たりから湖方面の景色。


草原の真ん中当たりから丘方面の景色。



買ってきた薪は夜にとっておきたいので、道端で乾いてそうな枝をたくさん拾ってきて

明るいうちから火をつけて盛り上がりました。

これは森エリアならではの楽しみ方かもしれません。

鉈やノコギリがあったらもっと本格的に集められたとは思いますが、

皆さんが使う場所なのでほどほどにと自分に言い聞かしております。





マジックアワーにまた湖へ。

森エリアからでも数分で行けるので、自然と腰も軽くなります。





暗くなり電飾やロウソクを設置。

センターハウスにつり下げ型の電飾が売っていたので買ってみました。

食事が落ち着いたらその電飾と焚火の明かりで十分過ごせます。

ランタンの明るすぎる光よりやさしくて雰囲気も出るのでおすすめです。



夜が深くなると焚火のあたたかさが体に染みます。





驚いたのは頭上に広がる満点の星空。

また草原エリアまで行って、視界いっぱいの星空を楽しみました。

流れ星もたくさん見れて大満足です。



2日目の朝は皆寝坊、忙しない朝食とお片づけ。

本当あっという間でした。





ゴミは分別してゴミ捨て場へ。







帰り道、湖脇の駐車場に車を止め桟橋へ行ってみました。

ツツジに囲まれた通り道はなんだか秘密の花園みたいです。

どうやらこの桟橋はルアー釣りの人が使う場所のようです。









旅の締めは「愛妻の丘」。

景色が良さそうだったので寄ってみたのですが、結構有名な場所らしいです。

なんでも丘の上から奥さんへの愛を叫ぶのだとか。

ブリキの置物がいい味を出していました。

あまりにも景色がよかったので、写真をたくさん載せておきます。











今回かなり好き放題やったのですが、他にお客さんがほとんどいなかったというのも大きいでしょう。

キャンプど素人なので改善できそうなこともたくさんありましたが、

奇跡的な天気に恵まれてとてもいいキャンプになりました。

今回は行けませんでしたが会員割引で入れる温泉も近くにあります。

カンパーニャ嬬恋キャンプ場はあまり慣れてない人やライトなキャンプがしたい人にはとてもおすすめです。

反対にワイルドなキャンプを求める人には物足りないかもしれません。

どちらにしろ見晴らしがいいので、行って損はないでしょう。
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泥だらけのコンバース

2016年06月01日 | 日記
あの頃はあんなに思い悩んでいたのに、

過ぎてしまえば大したことではなかったなんてことはよくある話だ。



中でも思春期というやつは厄介だった。

先日ぼんやりテレビドラマを見ていたら、

漫画家の娘(中学生くらい)が誰かに「普通(の環境)が良かった」と訴えていた。

その台詞の位置づけとしては売れない父をなかなか受け入れられない娘といったところか。

安っぽい台詞に聞こえるかもしれないけれど、私にとってはリアリティーのある言葉だ。



私の育った環境は地元の子と比べてもあまりに特異だった。

昔の話をすれば、私は保育所には行っておらず読み書きは両親から教わった。

当時、若い人たち(両親含む)が集ってつくった村で育ったという感じかな。

家は驚く程山奥にあり、風呂は五右衛門風呂、下水が通っておらずトイレはボットン。



小学一年生になって担任のカイモリ先生が当たり前のようにした質問をよく覚えている。

それは「あなたのタンジョウビはいつですか?」というもの。

皆がすらすらと答える中、そのとき初めて誕生日という存在を知った私は他の人との壁を感じた。

私にもちゃんと誕生日はあるのだろうか、と。



人と違うと思ったエピソードを全部挙げればきりがない。

流行のおもちゃを持ったことがない。

部屋が欲しいと行ったら自分で作れと言われる。

中学の自転車通学では迎えにきてもらえず何度も雨に負けそうになった。

制服のお下がり、貰い物の服、テレビはMステじゃなく野球中継。

些細なことばかりだが、当時は周りの友達と違う「全て」を嫌悪していた。

劣等感というやつだ。



対照的に皆が持っているもの、やっていること、与えられた環境に憧れていた。

厳密には周りに対して混ざることのない憧れと反感を同時に持っていた。

さらに言えば、自分の育った環境は嫌悪しながらも大事に握りしめていた。



憧れの象徴だったのが、登校時に皆が履いてくる汚れていない靴。

というのも私の家は山の中にあり道は舗装されておらず、登校中靴に泥がこびりつくのだ。

下駄箱に並んだ泥だらけのコンバース、たったそれだけのことがとても恥ずかしかった。

雨の日は途中まで長靴で行き、大丈夫な場所から靴に履き替えるなんてことも多々あった。



いろんなことに牙を剥いていた思春期だけど、都合のいいことは未だに大事にしている。

それは靴がぼろぼろになり母に新しいコンバースの靴を買ってほしいとねだったときのこと。

「あんたは物持ちがいいから助かるよ。物を大切にするのはいいことだ。」

こう言われた時にぼろぼろのコンバースを思い、なんだかじんわりきたのを覚えている。

今思えば他の男兄弟に比べればという話だったかもしれないけれど、

それでも痛々しい自分の中に見つけた長所のような気がして嬉しかった。

真偽は置いといて、今でも馬鹿みたいに「私は物持ちがいい」なんて自慢することがある。



高すぎて攻略出来ないと思っていた思春期の山は、家を離れると気づかないうちに超えていた。

なんでみんなと一緒がよかったのかもう思い出せない。

コンバースは解決されることのないもやもやと一緒に後ろの山に置いてきた。

そして飽きることなく次の山が目の前にそびえ立つわけだが、それはまぁいいや。





余談だが、前述したドラマをこれまたぼーっと見ていたときのこと。

仕事に没頭するあまり家族との時間をつくれなかった旦那と、それに対し限界を感じる妻の修羅場。

極めつけは娘の誕生日に間に合わず娘は泣きつかれ寝てしまったというエピソード。

6歳まで誕生日の「た」の字も知らなかった私が「誕生日祝えないくらいで何考えてんだ!」と文句をたれると、

同居人が私をなだめる様に「これ一般家庭の話だから。」と言ってきた。

なんだか可笑しかった。
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