黒沢清監督の映画を3連続で観たらどうなるかという話だ。
思い立ってここ数日1日1本のペースで黒沢清の映画を観ている。
『CURE』、『回路』、『カリスマ』の3本だ。
『アカルイミライ』と『トウキョウソナタ』は好きだけど、
監督の本領とも言われるホラー作品には手を出していなかった。
どうしても『アカルイミライ』とホラーが結びつかない。
『アカルイミライ』が大事すぎて壊されたくなかったというのも大きい。
結論から言うと3日連続で黒沢清映画は観るもんじゃない。
頭がおかしくなる。
面白いからこそ変になりそうだ。
『CURE』『回路』を観た2日目から違和感が手触りを持ちはじめた。
その日はとても変な夢を観た。
夢とは往々にして変なものだけど、それにしても変だった。
輪郭の不明瞭な黒い靄に取り憑かれて、その靄から逃れようとするのだけどできない。
なぜならその黒い靄は私自身で、私だと思っている肉体の方がおまけだったのだから。
靄は攻撃的で発散されるエネルギーは外界に悪影響を与える。
「悪」とか「恐」とかとにかくよくなものを垂れ流していて、絶対的◯◯。
その肝心の空白が思い出せない。
一番良くないものをいい表す言葉だ。
ハリーポッターの「名前を言ってはいけないあの人」みたいなとても恐い言葉。
本当に「◯◯」が存在するのかはもうわからない。
自分が逃れようのない暗闇の中にいて絶望的なはずなんだけど、気持ちは妙に晴れている。
「ははははは」と滑舌よく高笑いしていたような、していないような、爽やかな気持ちだった。
そして今日『カリスマ』を観た。
ストーリーや「カリスマ」が何を暗喩しているかという話は一旦置いておく。
ここで注目したいのは登場人物たちだ。
みんなおかしい。
狂っている。
人物をストーリーから無理やり引き剥がしたからこうなったのか、なんなのか。
どこにも主観がない。
幽体離脱して空から眺めているような感覚に陥った。
誰にも心を預けられないのに、みんな自分に見えるような変な感覚だ。
多分3本連続で観たからだと思う。
人間ってなんだっけ。
私って誰だっけ。
まともってなんだっけ。
人間ははなから狂っていたんだ、そうだ、そうだ、そういえばそうだった。
「はははははははは」
私は笑いながらモノクロームの林の中を走っている。
葉は落ちて枯れた林が遠くまで見通せる。
枝に遮られた日の光がキラキラと目の端に移る。
私は木漏れ日落ちる両の掌をまじまじと見て、ああこれが人間なんだなって妙に納得した。
映画の途中で寝ていた。
夢で映画の続きを見ていたのだろうか。
軸を見失っているのに嫌じゃないのがなんだか気持ち悪い。
このふわふわした気持ちはなんだろう。
もう後戻りできないような気さえする。
おおげさかな。
『回路』はピンとこなかったけど、『CURE』と『カリスマ』はとても面白かった。
映像が美してくていつまででも見ていられる。
イメージしていたホラーとは違った。
そもそも『CURE』と『カリスマ』はホラーじゃないのか。
これは間違いなく『アカルイミライ』作った人だわ。
今『アカルイミライ』を観たら全く別の映画に見えるかもしれない。
それが楽しみでもあり、怖くもある。
いつもと反対から見た多摩湖。赤い満月ぼわわーん。
思い立ってここ数日1日1本のペースで黒沢清の映画を観ている。
『CURE』、『回路』、『カリスマ』の3本だ。
『アカルイミライ』と『トウキョウソナタ』は好きだけど、
監督の本領とも言われるホラー作品には手を出していなかった。
どうしても『アカルイミライ』とホラーが結びつかない。
『アカルイミライ』が大事すぎて壊されたくなかったというのも大きい。
結論から言うと3日連続で黒沢清映画は観るもんじゃない。
頭がおかしくなる。
面白いからこそ変になりそうだ。
『CURE』『回路』を観た2日目から違和感が手触りを持ちはじめた。
その日はとても変な夢を観た。
夢とは往々にして変なものだけど、それにしても変だった。
輪郭の不明瞭な黒い靄に取り憑かれて、その靄から逃れようとするのだけどできない。
なぜならその黒い靄は私自身で、私だと思っている肉体の方がおまけだったのだから。
靄は攻撃的で発散されるエネルギーは外界に悪影響を与える。
「悪」とか「恐」とかとにかくよくなものを垂れ流していて、絶対的◯◯。
その肝心の空白が思い出せない。
一番良くないものをいい表す言葉だ。
ハリーポッターの「名前を言ってはいけないあの人」みたいなとても恐い言葉。
本当に「◯◯」が存在するのかはもうわからない。
自分が逃れようのない暗闇の中にいて絶望的なはずなんだけど、気持ちは妙に晴れている。
「ははははは」と滑舌よく高笑いしていたような、していないような、爽やかな気持ちだった。
そして今日『カリスマ』を観た。
ストーリーや「カリスマ」が何を暗喩しているかという話は一旦置いておく。
ここで注目したいのは登場人物たちだ。
みんなおかしい。
狂っている。
人物をストーリーから無理やり引き剥がしたからこうなったのか、なんなのか。
どこにも主観がない。
幽体離脱して空から眺めているような感覚に陥った。
誰にも心を預けられないのに、みんな自分に見えるような変な感覚だ。
多分3本連続で観たからだと思う。
人間ってなんだっけ。
私って誰だっけ。
まともってなんだっけ。
人間ははなから狂っていたんだ、そうだ、そうだ、そういえばそうだった。
「はははははははは」
私は笑いながらモノクロームの林の中を走っている。
葉は落ちて枯れた林が遠くまで見通せる。
枝に遮られた日の光がキラキラと目の端に移る。
私は木漏れ日落ちる両の掌をまじまじと見て、ああこれが人間なんだなって妙に納得した。
映画の途中で寝ていた。
夢で映画の続きを見ていたのだろうか。
軸を見失っているのに嫌じゃないのがなんだか気持ち悪い。
このふわふわした気持ちはなんだろう。
もう後戻りできないような気さえする。
おおげさかな。
『回路』はピンとこなかったけど、『CURE』と『カリスマ』はとても面白かった。
映像が美してくていつまででも見ていられる。
イメージしていたホラーとは違った。
そもそも『CURE』と『カリスマ』はホラーじゃないのか。
これは間違いなく『アカルイミライ』作った人だわ。
今『アカルイミライ』を観たら全く別の映画に見えるかもしれない。
それが楽しみでもあり、怖くもある。
いつもと反対から見た多摩湖。赤い満月ぼわわーん。
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