歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

武器はテレビじゃない

2014年07月26日 | 社会
皆さんいろいろ忘れていないだろうか?

暑いといろいろ麻痺して、物事を考えるのが困難になりがちだ。



最近テレビをほとんど見ていない。

それでもたまにつけた時に目に入ってくるフジテレビ27時間テレビのCM。

総合司会がSMAPだからか、広告がいつもより凝っている気がする。

モード学園やハルのCMに少し似ているかもしれない。

若者が食いつきやすそうな冷めた言葉が飛び交い、今回のうたい文句「武器はテレビ」につながっていく。

確かにかっこいいんだ。

でもこの言葉はひどい。

「武器はテレビ」・・「武器はテレビ」・・・・

SMAP CM「武器はテレビ。FNS×SMAP27時間テレビ」



テレビって怖いねぇ。

最近放送していたNHKの土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」で、

時の権力者原田平蔵が私立探偵の増沢磐二に自分の野心を語る場面がある。

原田を演じる柄本明の迫力が凄いのだけどそれは置いておこう。

それはテレビを主としたマスメディアを利用して皆の心を空っぽにすること。

平蔵
「戦争で負けて、この国にはどでかい穴が開いた。
その穴をこれからこのテレビジョンが埋める。
かつて我々が信じるべきとされていたもの。
仁義、礼節、忠誠。そういう何もかんもがあの戦争で全て灰になった。
大衆どもにはそれが不安でたまらんらしい。一種の癖だ。
みんな血眼になって次にすがるべきものを探してる。
だが、わしに言わせれば癖そのものを直せばいいのだ。
詮ない事に思い煩うのをやめ、ただただテレビジョンを見る。
プロレスに興奮し、音楽と共に踊り、落語に笑えばいい。
頭を空っぽにするのだ。ただ空っぽに。
そこにテレビジョンという風が流れていく。
悩みを忘れ、笑いと興奮に満たされ・・・」



原作は1953年にアメリカの作家レイモンド・チャンドラーによって書かれた『The Long Goodbye』。

書かれたのは丁度戦後だ。

世界大戦を経て傷を負ったのは日本だけではない。



テレビが人々の心の穴ぼこを埋めているのは今も同じこと。

何かにすがっていなければ、空っぽの自分と向き合わなければならない。

しかし皮肉にも何かにすがりつくことでまた空っぽになっていくのもどうしようもない。

いや自分なんてあってないようなものだから、

空虚の中でどうもがくかくらいの違いしかないのかもしれない。

最近「個性」とか「アイデンティティ」なんて言葉について考えているのだけど、

そのことはまたの機会にでも書こうと思う。



話を戻そう。

言いたいことはテレビは権力者にとっての武器であって、

我々にとってはあまり執着すべきものではないと言うこと。

ニュースを見て世の中を知った気になってはいけない。

同じニュースばかりがぐるぐると流れるおかげで、

もっと知るべきこと考えなければならないことをどんどん忘れてしまう。



テレビだけを情報源にしている人と様々なソースを活用する人の間に生まれる情報格差なんてものが近年問題視されているのも事実。

そういえば去年の夏は参議院選挙で盛り上がったな。

三宅洋平が選挙フェスなるものを慣行し、山本太郎は防弾チョッキを着ながらいろんな場所に現れた。

私も血眼になっていろいろなことを調べて、その情報を拡散し、その情報を手に語らった。

皆、今はどうだろうか・・・

トレンドじゃないんだから。



武器はテレビじゃないんだ。

自分から調べなければ情報は何も入ってこないんだ。

武器は人間のパワーだ!

ちょうどいいね、夏だし熱くなりましょう!



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2014-07-26 21:01:12
感動した。
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Unknown (tanpopo)
2014-07-30 03:23:00
なんだか嬉しいです。
返信する

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