毎年、一年のはじまりに思うことがある。
それは前年よりたくさん映画を観るということである。
映画はなくても生きていけるが故、意識しなければ平気で観ないまま過ごせてしまうのだ。
映画好きと豪語する割に去年もそこまで観れていないのが現状だ。
気合いを入れて観た映画は約40本、10日に1本強の計算になる。
それでは世に創出される数多の映画に1ミリたりとも追いつくはずがない。
なぜたくさん観ることにこだわるのか、それは面白い映画を観ていないことが嫌だから。
音楽に関しても同じことが言えるけれど、いいものはあれもこれも知っておきたいという欲張りからきているのだと思う。
ところで、今年に入って観た映画は9本。
今のところ去年と同じペースだ。
去年と違うのは準新作ばかり借りていること。
以下、映画紹介。
「セッションズ」
監督:ベン・リューイン
出演:ジョン・ホークス、ヘレン・ハント
日本公開年:2013
ポリオにより首から下が麻痺した詩人マーク・オブライエンの記事「On Seeing a Sex Surrogate」が基になっている。
性生活が困難な主人公が童貞を喪失するために雇ったセックス代理人との物語。
「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン
日本公開年:2014
1960年代グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンの中心的人物だったフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録をベースに兄弟が脚色した物語。
名もなき男の苦悩と極貧生活、その中で奏でられる静かだけど確実に心揺さぶる歌々。
驚いたのは、劇中のライブ・シーンをすべて生で録音していることだ。
恐るべしオスカー・アイザック。
今一番サントラが欲しい映画だ。
60年代のアメリカに生まれた文化に憧れを持つ私としては外せない1本である。
「her 世界で一つの彼女」
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス
日本公開年:2014
近未来、人格を持つ人工知能型OSに恋をする男の物語。
SFにも関わらずリアリティがあるのは、これが起こりうる未来だからだ。
スマホアプリでは恋愛ゲームなるものが存在し疑似恋愛を体験できたりと、現実においてそれに近い価値観は確かにあるのだ。
それがいかに本物の愛に近づくのかという点において、切なさや虚しさが比例していく。
「THE EAST」
監督:ザル・バトマングリ
制作:リドリー・スコット
出演:ブリット・マーリング、アレクサンダー・スカルスガルド
日本公開年:2014
ナスカの地上絵に楽書きをしたことで話題になったNGOグリンピース、
日本の捕鯨に対し様々な形で反対運動を起こしてきたグリンピース派生の過激組織シーシェパード、
多くの支持を得て彼らは社会に対していろいろなアプローチを実行する。
この映画はいたずらの域を超え環境テロという過激な形でメッセージを訴える環境保護団体THE EASTと、
そこに潜入することになった民間警備会社の女性の物語。
過激な活動にうろたえつつも、少しずつ彼らの信条に影響されていく姿が描かれている。
「アメリカン・ハッスル」
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス
日本公開年:2014
1970年代にアトランティックシティで起きた収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を基につくられた映画。
詐欺師とFBIと政治家とマフィアの人間模様を描いた物語。
オープニングに流れるエレクトリック・ライト・オーケストラの”Long Black Road”が最高にかっこいい。
「チョコレート・ドーナツ」
監督:トラヴィス・ファイン
出演:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイヴァ
日本公開年:2014
日本で凄い話題になっているとも知らずに、何となく借りた。
歌手になることを夢見てショーパプで働くルディと恋に落ちる真面目な検察官のポール、
そして薬物依存症の母から見捨てられたダウン症の少年マルコの3人の物語。
同性愛や障がい者に対する偏見、現場に対応出来ない法律からはじかれる少数派。
優しさと悲しみに溢れた映画だ。
ルディが歌うボブ・ディランの名曲”I Shall Be Released"は観るものの胸を打つ。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ
日本公開年:2014
ジョーダン・ベルフォートの回想録『ウォール街狂乱日記 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』を原作とした映画。
"26歳で年収49億円を稼ぎ、世界の頂点に登りつめた。"―ジョーダン・ベルフォート
金と欲に満ちあふれためちゃくちゃぶっとんだ世界を、よくもここまでというくらい表現している。
少なからずキャンペーン業界で少し働き「ものは言いよう」の罪悪感を手にした私にとって、
ウォール街の株式ブローカーという言葉勝負の商売にいろいろと考えさせられるものがあった。
長いけれど見応えのある映画だ。
「かぐや姫の物語」
監督:高畑勲
日本公開年:2013
ジブリの二大監督の一人高畑勲、私はこてこての宮崎ファンで今まで高畑監督の作品にはあまり関心がなかった。
彼の作品は子どもが観るには少し渋すぎる。
私の感性が今やっと彼の作品を観るのに追いついたのかもしれない。
彼の物語の表現方法に感服する。
一つ一つの場面が水彩で描かれた絵のようで、一瞬たりとも目が離せない。
圧巻の一言。
「ダラス・バイヤーズ・クラブ」
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナー
日本公開年:2014
1992年に「ダラス・モーニングニュース」の記事で取り上げられたロン・ウッドルーフの実話が基となっている。
エイズにより余命30日を宣告された男が生きるために、利権に囚われた政府と製薬会社に戦いを挑む。
2015年に入って観た映画はまだ9本だけど、その中で文句なく一番好きな映画だ。
マシュー・マコノヒー演じる主役のロン・ウッドルーフの頑然とした様や偏見まみれの人間らしさに安心感を覚える。
マシュー・マコノヒーとジャレット・レトの鬼気迫る演技が心に焼き付いて、見終わってからもしばらくはその余韻に浸るだろう。
彼らはこの映画のために2人合わせて約40キロの減量をしたらしい。
劇中に流れるT.Rexの"Life Is Strange"がまたいい味出してるんだ。
あとAlexandra Streliski の“Prelude” もなかなか。
これは何回でも観たい映画だ。
と、こんな感じかな。
とにかく面白い映画を全部観たい。
観たい映画を観れるというのは贅沢なことだとつくづく思う。
それは前年よりたくさん映画を観るということである。
映画はなくても生きていけるが故、意識しなければ平気で観ないまま過ごせてしまうのだ。
映画好きと豪語する割に去年もそこまで観れていないのが現状だ。
気合いを入れて観た映画は約40本、10日に1本強の計算になる。
それでは世に創出される数多の映画に1ミリたりとも追いつくはずがない。
なぜたくさん観ることにこだわるのか、それは面白い映画を観ていないことが嫌だから。
音楽に関しても同じことが言えるけれど、いいものはあれもこれも知っておきたいという欲張りからきているのだと思う。
ところで、今年に入って観た映画は9本。
今のところ去年と同じペースだ。
去年と違うのは準新作ばかり借りていること。
以下、映画紹介。
「セッションズ」
監督:ベン・リューイン
出演:ジョン・ホークス、ヘレン・ハント
日本公開年:2013
ポリオにより首から下が麻痺した詩人マーク・オブライエンの記事「On Seeing a Sex Surrogate」が基になっている。
性生活が困難な主人公が童貞を喪失するために雇ったセックス代理人との物語。
「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」
監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン
日本公開年:2014
1960年代グリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シーンの中心的人物だったフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録をベースに兄弟が脚色した物語。
名もなき男の苦悩と極貧生活、その中で奏でられる静かだけど確実に心揺さぶる歌々。
驚いたのは、劇中のライブ・シーンをすべて生で録音していることだ。
恐るべしオスカー・アイザック。
今一番サントラが欲しい映画だ。
60年代のアメリカに生まれた文化に憧れを持つ私としては外せない1本である。
「her 世界で一つの彼女」
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ホアキン・フェニックス
日本公開年:2014
近未来、人格を持つ人工知能型OSに恋をする男の物語。
SFにも関わらずリアリティがあるのは、これが起こりうる未来だからだ。
スマホアプリでは恋愛ゲームなるものが存在し疑似恋愛を体験できたりと、現実においてそれに近い価値観は確かにあるのだ。
それがいかに本物の愛に近づくのかという点において、切なさや虚しさが比例していく。
「THE EAST」
監督:ザル・バトマングリ
制作:リドリー・スコット
出演:ブリット・マーリング、アレクサンダー・スカルスガルド
日本公開年:2014
ナスカの地上絵に楽書きをしたことで話題になったNGOグリンピース、
日本の捕鯨に対し様々な形で反対運動を起こしてきたグリンピース派生の過激組織シーシェパード、
多くの支持を得て彼らは社会に対していろいろなアプローチを実行する。
この映画はいたずらの域を超え環境テロという過激な形でメッセージを訴える環境保護団体THE EASTと、
そこに潜入することになった民間警備会社の女性の物語。
過激な活動にうろたえつつも、少しずつ彼らの信条に影響されていく姿が描かれている。
「アメリカン・ハッスル」
監督:デヴィッド・O・ラッセル
出演:クリスチャン・ベール、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス
日本公開年:2014
1970年代にアトランティックシティで起きた収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を基につくられた映画。
詐欺師とFBIと政治家とマフィアの人間模様を描いた物語。
オープニングに流れるエレクトリック・ライト・オーケストラの”Long Black Road”が最高にかっこいい。
「チョコレート・ドーナツ」
監督:トラヴィス・ファイン
出演:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイヴァ
日本公開年:2014
日本で凄い話題になっているとも知らずに、何となく借りた。
歌手になることを夢見てショーパプで働くルディと恋に落ちる真面目な検察官のポール、
そして薬物依存症の母から見捨てられたダウン症の少年マルコの3人の物語。
同性愛や障がい者に対する偏見、現場に対応出来ない法律からはじかれる少数派。
優しさと悲しみに溢れた映画だ。
ルディが歌うボブ・ディランの名曲”I Shall Be Released"は観るものの胸を打つ。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ
日本公開年:2014
ジョーダン・ベルフォートの回想録『ウォール街狂乱日記 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』を原作とした映画。
"26歳で年収49億円を稼ぎ、世界の頂点に登りつめた。"―ジョーダン・ベルフォート
金と欲に満ちあふれためちゃくちゃぶっとんだ世界を、よくもここまでというくらい表現している。
少なからずキャンペーン業界で少し働き「ものは言いよう」の罪悪感を手にした私にとって、
ウォール街の株式ブローカーという言葉勝負の商売にいろいろと考えさせられるものがあった。
長いけれど見応えのある映画だ。
「かぐや姫の物語」
監督:高畑勲
日本公開年:2013
ジブリの二大監督の一人高畑勲、私はこてこての宮崎ファンで今まで高畑監督の作品にはあまり関心がなかった。
彼の作品は子どもが観るには少し渋すぎる。
私の感性が今やっと彼の作品を観るのに追いついたのかもしれない。
彼の物語の表現方法に感服する。
一つ一つの場面が水彩で描かれた絵のようで、一瞬たりとも目が離せない。
圧巻の一言。
「ダラス・バイヤーズ・クラブ」
監督:ジャン=マルク・ヴァレ
出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レト、ジェニファー・ガーナー
日本公開年:2014
1992年に「ダラス・モーニングニュース」の記事で取り上げられたロン・ウッドルーフの実話が基となっている。
エイズにより余命30日を宣告された男が生きるために、利権に囚われた政府と製薬会社に戦いを挑む。
2015年に入って観た映画はまだ9本だけど、その中で文句なく一番好きな映画だ。
マシュー・マコノヒー演じる主役のロン・ウッドルーフの頑然とした様や偏見まみれの人間らしさに安心感を覚える。
マシュー・マコノヒーとジャレット・レトの鬼気迫る演技が心に焼き付いて、見終わってからもしばらくはその余韻に浸るだろう。
彼らはこの映画のために2人合わせて約40キロの減量をしたらしい。
劇中に流れるT.Rexの"Life Is Strange"がまたいい味出してるんだ。
あとAlexandra Streliski の“Prelude” もなかなか。
これは何回でも観たい映画だ。
と、こんな感じかな。
とにかく面白い映画を全部観たい。
観たい映画を観れるというのは贅沢なことだとつくづく思う。
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