歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

音が遮る世界

2012年12月05日 | 日記
最近、ちょっとした葛藤をしている。

私は一人で外に出るとき、基本的に音楽を聴いている。
最新の低反発イヤホンを耳の奥まで押し込み、
音楽意外の音を完全に遮断している。

音楽好きには至福の空間である。

しかし、最近その自分に少し疑問を抱くようになっている。

今日の帰り道ある女性が私の足下にファイルを落としたが、
それに反応できず何とも言えない居心地の悪さを味わった。

目の前を歩く女子高生の落とし物を拾えたとしても、
その後に彼女が笑顔で言った一言が聞こえなかった。

ある意味、イヤホンで音楽を聴くというのは武装に近いものがある。
外の世界をシャットアウトして、音楽という壁の内側に引きこもる。

だから外側の動向にとても疎くなってしまう。

私が音楽で武装するのは不必要な情報を受け取りたくないから。
でもその代価として必要な情報まで見逃してしまうことになりかねない。
それは女子高生の「ありがとう」という声然り、
木が風に揺られてきしむ音然り。

案外聞き逃している外の音というのは刺激的だったりする。


ただ葛藤というのは、音楽というものもまた私には重要な情報だということだ。
これは天秤にかけようがないから今日は寝ることにする。
コメント
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