スターリンは1947年5月26日に死刑を廃止した。その人道的な方針に西側の左翼達は大喜びしたし、日本の左翼も褒めちぎった。しかし内務大臣ベリヤと国家保安相アバクーモフは頭を抱えた。公式文書に死刑にかかわる全ての記録を載せられなくなってしまったからである。もちろんスターリン体制下で死刑を廃止するなど不可能である。体制に逆らえばすぐにぶっ殺すのが基本政策だったからである。しかもその数が半端じゃない。1日に平均して1200人は殺していたという。銃殺に使う銃弾の量も膨大だし、銃殺する隊員達にも手当を出さねばならない。いくら慣れても人を殺すのは通常業務と一緒にはならない。それらの経費が公式文書に記入出来なくなってしまったのである。ソ連は表向きは近代国家であり、国家の記録はきちんと公表せねばならないのである。実態は暴虐極まりない古代専制国家そのものであったが。
近代的な暴虐国家として、ナチスドイツとスターリンのソ連は双璧である。ジョージ・オーウェルの「1984年」の全体主義国家はこの二つがモデルであるが、スターリン体制により近くなっている。ナチスは滅びていたが、スターリン体制は現存し左翼知識人達に支持されていたからだろう。オーウェルはそれを批判したのである。日本共産党はオーウェルを反共主義者として非難していたが、今はどうなんだろうねぇ。
えーと、オウムの死刑囚が7人処刑されたんだっけ。1日に1200人毎日処刑していたスターリンのソ連を褒めちぎっていたのは不破哲三だったよね。
最新の画像[もっと見る]
-
大人が子供を使っているのを見るとうんざりする 8ヶ月前
-
アタックオブザキラー「キャベツ」トマス・モアのユートピアには人を喰らう羊が出てくるが、近頃キャベツも人を襲いだしたらしい 8ヶ月前
-
ホスト狂いの娘たちは落語「へっつい幽霊」の懲りない若旦那にそっくりであり「世に馬鹿者の種は尽きまじ」と思う 9ヶ月前
-
東京が西に発展したのは関東ローム層により田畑が少なく土地が乾燥していて鉄道が安く引けたからだと思う 9ヶ月前
-
「非人」という文字をこのブログに書いたら「」となって消されていた。誰が消したの?かつての検閲みたいだね 9ヶ月前
-
映画「ベッカムに恋して」の主人公はインドとカナダ対立の原因となった「シーク教徒」出身である 10ヶ月前
-
アメリカのユダヤ人は教育に力を入れ社会的成功を勝ち取ったが、欧州では教育が「自分の仲間と別れる」ことにもなった 10ヶ月前
-
アンミカさんの御両親は、済州島虐殺が原因となって日本に逃れたのだと思う 10ヶ月前
-
ヒトラーは「アメリカはフェアじゃないよ、人間は動物に勝てない!」と言ってジェシー・オーエンスの表彰式への出席を拒否したという 11ヶ月前
-
「不思議の国のアリス」で芋虫の吸っている水タバコを近頃では「シーシャ」と呼ぶのだと知った 11ヶ月前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます