濁泥水の岡目八目

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「殴れ殴れもっと殴れ、殴って吐かせろ!出来なきゃ貴様の頭をぶった斬ってやる。」 ヨシフ・スターリン

2018-07-12 14:26:33 | 歴史談話


 スターリンは1947年5月26日に死刑を廃止した。その人道的な方針に西側の左翼達は大喜びしたし、日本の左翼も褒めちぎった。しかし内務大臣ベリヤと国家保安相アバクーモフは頭を抱えた。公式文書に死刑にかかわる全ての記録を載せられなくなってしまったからである。もちろんスターリン体制下で死刑を廃止するなど不可能である。体制に逆らえばすぐにぶっ殺すのが基本政策だったからである。しかもその数が半端じゃない。1日に平均して1200人は殺していたという。銃殺に使う銃弾の量も膨大だし、銃殺する隊員達にも手当を出さねばならない。いくら慣れても人を殺すのは通常業務と一緒にはならない。それらの経費が公式文書に記入出来なくなってしまったのである。ソ連は表向きは近代国家であり、国家の記録はきちんと公表せねばならないのである。実態は暴虐極まりない古代専制国家そのものであったが。
 近代的な暴虐国家として、ナチスドイツとスターリンのソ連は双璧である。ジョージ・オーウェルの「1984年」の全体主義国家はこの二つがモデルであるが、スターリン体制により近くなっている。ナチスは滅びていたが、スターリン体制は現存し左翼知識人達に支持されていたからだろう。オーウェルはそれを批判したのである。日本共産党はオーウェルを反共主義者として非難していたが、今はどうなんだろうねぇ。
 えーと、オウムの死刑囚が7人処刑されたんだっけ。1日に1200人毎日処刑していたスターリンのソ連を褒めちぎっていたのは不破哲三だったよね。



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