濁泥水の岡目八目

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「バルジの戦い」で米軍は「Nuts」ではなく「Gotz」と答えるべきだったと思う

2018-12-20 14:21:10 | 歴史談話


 今から74年前の1944年12月16日に、ヒトラーは西部戦線で大攻勢に出た。ドイツ国境近くまで進撃して補給の伸び切った連合軍に反撃を加えたのである。いわゆる「バルジの戦い」である。ドイツ軍が西に向けて三角形の形で突出したのでバルジ(突出部)と呼んだのである。この戦いの初期には多くの米軍が捕虜になったが、12月21日にはバストーニュにいた米軍101空挺師団とその他の部隊もドイツ軍に完全に包囲されてしまった。ドイツ軍第47装甲軍団司令官ハインリヒ・フォン・リュットヴィッツは軍使を米軍に送って降伏を勧告した。
 101空挺師団の代理指揮官をしていたアンソニー・マコーリフ准将はその降伏勧告を一目見て「Nuts!」とつぶやいたそうである。馬鹿な!とか下らん!という俗語である。そうして正式な拒否回答をどうしようか考えていると、側にいた副官が「今の言葉でいいでしょう。」と勧めたので「Nuts」がドイツ軍司令官への返答になったのである。これはアメリカ人が大喜びする逸話である。「Nuts!」と言ってやったぜ、と後々までも語り草になっている。
 しかしこの言葉には重大な欠点がある。ドイツ軍にはこの言葉の意味が全く分からなかったのだ。英語を話せるドイツ軍使者もあまりに俗語すぎて理解出来ずに、どういう意味ですか?とその場で聞いている。米軍関係者が懇切丁寧に使者に言葉の意味を説明しなければならなかったのである。痛烈な啖呵を切っても、相手にその意味が分からなくて首をかしげていては何の意味もない。アメリカ人が嫌われるのは、こういう独りよがりのためではないかと思う。
 この場合もっとふさわしい言葉があったのだ。それは「Gotz」である。なぜならこの言葉には別の意味が含まれていて、それは「Kiss my ass!」である。もしこの言葉が回答されていれば、ドイツ軍使者は一目見ただけで大笑いして「分かりました、死にたいんですね。」と言って帰っていっただろう。ドイツ軍司令官もそれを読んで笑いながら攻撃を命じただろう。楽しく殺し合いが出来たのに惜しい事をしたと思う。「俺の尻を舐めろ」とはドイツ語で「Leck mich am Arsch!」と言い、実在のドイツ騎士ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンがヤクストハウゼン城で包囲されて降伏勧告を受けた時に答えたとされているから、歴史的に由緒ある罵倒語である。
 それだけではない、ドイツの誇る文豪ゲーテがこの騎士を主人公にした戯曲「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」を自費出版した時にこの言葉を入れたのである。さすがにその後に削除されたそうだが、文豪ゲーテが書いたということでドイツ人なら誰一人知らぬ者はいない罵倒語となったのである。直接言わなくても「Gotz(ゲッツ)」と言えば「尻を舐めろ」の意味だと誰でも分かるのである。軍隊なら特にそうで、レマルクの「西部戦線異状なし」にも当たり前のように出てくる。軍人で知らない者はいないのである。

 ドイツ軍に理解不能な「Nuts!」ではなく「Gotz!」にしていればなぁ、と他人事ながらつくづく思う。

 


 

 


「パリは燃えたのか、嬉しいね」アドルフ・ヒトラー

2018-12-13 14:26:06 | エッセイ


フランスのマクロン大統領はゴーン逮捕について日本を批判したそうである、私はそれを聞いてフランス人について昔よんだ文章を思い出した。

 ユダヤ人は金銭交渉で取引を考えるが
 フランス人は自分の失う金しか考えない。
     
      レマルク「凱旋門」より

 フランス人はすぐに「フランスの栄光」を自慢
 したがるので、各国の笑い者になっている。

       ショーペンハウワー

 私は飲んだくれの怠け者なので、これらの本を読み返して確認するなど面倒ことはやる気になりません。真面目で勤勉な方々にお任せします。でも記憶に間違いはないと思いますよ。


私は日本の愛国者として何度も「真珠湾攻撃をさせた大馬鹿野郎共」と言うぞ

2018-12-06 14:22:47 | エッセイ


 今から77年前の真珠湾攻撃の原因が、日本に対するアメリカの石油全面禁輸とハルノートにあったことはよく知られている。日本の愛国者と称する人々は、こんな酷い仕打ちをされたのだから真珠湾攻撃も当然で日本は正義の戦争をしたのだと言う。しかし考えてほしい。アメリカは理由もなくこんな過酷な態度にでたのか?明らかに違う。アメリカ政府は日本に対して激怒していたのだ。日中戦争を止めようとせずに広大な中国を軍事占領し、三国同盟でナチスドイツと手を結び、しかもベトナムまで全面占領した日本に堪忍袋の緒を切ったのだ。
 日本の指導者達は、アメリカが石油を止めれば日本が干上がることは知っていた。馬鹿でも分かることだ。そして日本がベトナムを占領すればアメリカが怒ることも知っていたはずだ。まさかアメリカが喜ぶと思いはしないだろう。北ベトナムを占領してさらに南ベトナムに軍を送る前に、ここまでやったらアメリカが怒って石油を止めるかもしれないと誰も思わなかったのか?石油全面禁輸で困り果て、さらにハルノートを突き付けられてパニックを起こしちゃった。自分より強い相手を怒らすようなことをさんざんしておいて、怒った相手から凄まじい制裁をするぞと宣告されて慌てふためくなんて馬鹿丸出しである。そんな馬鹿が現在でもお隣にいる。
 いわゆる「徴用工」判決に激怒した日本政府の態度に慌てふためいている韓国は、戦前の日本とそっくりである。ナチスドイツと手を結んだ日本が無法国家チーム入りだと見なされたように、北朝鮮にすり寄って冷たい目で見られているのも同じである。韓国内の日本企業資産に手を出せば正に真珠湾攻撃であり、エレベーターに突っ込んだ韓国人の末路が訪れるのは確実である。