濁泥水の岡目八目

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「仁義なき戦い」が面白いのは美能幸三(みのこうぞう)が文学青年だったから

2023-06-29 14:27:00 | エッセイ


 飯干晃一の「仁義なき戦い」は美能幸三の文章が面白く、特にヤクザ同士の会話が秀逸である。そんな文章は普通の人に書けるとは思えない。美能はありとあらゆる日本や海外の小説やノンフィクションを読みふけって、それを身に付けたのであろう。飯干晃一は美能幸三がインテリだと知っていたはずだが、全くそれには触れていない。ヤクザを解説する知識人の立場を守るのに邪魔だったからだろう。
 美能幸三は狂暴な知能犯でもある。彼が人を刺す時には太ももを狙う。腹だと命にかかわる場合があるが、太ももならまず死なない。一度刺したら相手がくしやっと縮んだので、ついでだからもう片方も刺したなんて平気で述べている。
    恐ろしいインテリヤクザである。

 


「徴兵制」など今の若い奴らには怖くて出来ない!と昔自衛隊幹部が語っていたよ。どの国も精鋭部隊はほとんど「志願」である

2023-06-15 14:12:30 | エッセイ


 なぜ志願かというと、自ら望んで選択したのでなければ過酷な厳しい訓練に耐えられぬからである。普通の若者を空挺隊員にして、パラシュートで毎日大空から飛び降りる訓練を強制的にやらせるのは無理だろう。自衛隊のレンジャー隊員も自衛隊の中でさらに志願して過酷な訓練に耐え抜いた者のみがなれる栄誉ある地位であり、脱落する者もいるという。だから階級が上でもレンジャー隊員には一目置くそうである。

 今回上官たちを射殺した18歳の陸自候補生は、昔でいえば入りたての初年兵で52歳の教官が下士官で、25歳の隊員が上等兵ぐらいなのだと思う。犯人は上官に叱責されたと語っているそうだが、武器が持てる軍隊ではよくあることでもある。スタンリー・キューブリックの「フルメタルジャケット」でも海兵隊の兵士が鬼軍曹を射殺しているし、戦闘中に将校や上官が部下に射殺される話は海外の実話でも小説でも良く読んだ。帝国陸軍にももちろんあった。ただひたすら隠されて世間に知られなかっただけでね。リンチや凄まじい虐めがはびこった軍隊に「徴兵」されるのを昔の多くの庶民は本当に嫌がったそうである。日本人の平和ボケの一因が帝国陸海軍の腐敗した制度にあることは否定できないと思う。

 ただ今回の件は、今の若者にはよほど注意しないと危険であると自衛隊も思い知ったはずである。志願して入って来ても何をするか分からない奴がいる。最近危険な若者が増えたと感じる。昔も悪(ワル)はいたけどたいてい見分けがついたから、近寄らなければ良いだけだった。