濁泥水の岡目八目

中国史、世界史、政治風刺その他イラストと音楽

高円寺駅前での罵声と怒号による「選挙演説妨害」はナチスのやり口だよ

2019-04-25 14:14:18 | エッセイ

 彼等は「我々はナチスの敵である」と言うだろう。しかし重要なのは彼等の主義主張なのではなくて「そのやり方」である。この世には多くの主義主張やイデオロギーがあり、誰もが自分達は正しいと思い込んでいる。そして反対する者たちを敵と見なして攻撃する。私だってそうだし、時にはいささか感情的になりすぎているなぁと思っても抑えられないことだってある。しかし物事には限度があるし、決してやってはならないこともある。それを越えたら右であれ左であれ、どんなに人類愛や平和を訴えようと犯罪行為に等しいのである。そんな行為を許しては言論の自由が封殺されて、ナチズムのようなおぞましい思想が蔓延りかねないのである。彼等が我々はナチスと正反対の立場であるといくら主張しようと、やり口がそっくりなら同類と言わざるを得ない。
 かつて中核派と革マル派という過激な極左暴力集団がそれなりの勢力と影響力を持ち、特に大学内ではびこっていた。中核派は法政大学、革マル派は早稲田大学を根拠地にして日本各地で激しい乱闘と殺戮を繰り返していた。この両者は同じ組織から分裂したのであるが、政治方針と組織論で対立し別々の道を歩み出したのである。最初は相手を批判していただけなのだが、大学内や労働運動内での勢力争いから相手を不倶戴天の敵として憎しみ会い、血で血を洗う凄まじい武装闘争にまで発展したのである。当然に両者は相手を自分たちとは全く正反対の組織だと思い込んでいただろう。中核派は革マル派を「ファシスト・カクマル」と呼び、革マル派は中核派を「ウジ虫」と呼んでいた。昔は仲間だったが180度違う方向に歩き出して、今では自分たちとは似ても似つかないおぞましい姿に成り果てた奴らだと互いに決めつけていたのである。
 ところが昔は都内の大書店にこの両派の新聞と機関誌が置いてあったりしたものだが、必ず並べて置いてあった。中核派が「前進」で革マル派が「解放」の新聞、機関誌は両者共に「共産主義者」であった。彼等自身の思惑とは逆に、世間は彼等を「同類」と見なしたのである。やっている事が同じなんだから当然だろう。180度ではなく360度ぐるりと回って、今では仲良く同じ所に戻っている連中と思われていたのだろう。近親憎悪の兄弟喧嘩は凄いなぁ、と見ていたはずである。お互いにどんなに憎しみ会っていても、やっている事が同じであるなら同類にしか見えない。中核派と革マル派がその支配していた大学内でやっていたように、ナチスも権力を握ると言論を封鎖して自分達の好まない主張を人々に聞かせないようにした。リベラリズムとは自分に反対する主張であってもその発言を許して聞くことであり、議会制民主主義とは多くの主張を人々に自由に聞かせて誰に投票するかを判断させることである。
 高円寺駅前で選挙妨害していた連中はどう見てもナチスと「同類」だよ。
 

 

 

 


渋沢栄一は「命知らずのテロリスト」だった青春時代の気概を老齢になっても失わなかった

2019-04-18 14:26:06 | 歴史談話

 
  


 渋沢栄一はおそらく日本人として初めて「資本主義の本質」を肌で感じ取った人物だったと思う。1867年のパリ万国博覧会に参加する日本代表団の一員として、彼は当時行われていたスエズ運河開削工事をその目で見た。3万人もの人々が、アリの群れのように深くて広い溝を延々と掘り進んでいる光景はさぞかし壮大なものだったろう。しかし彼が最も感慨を受けたのはその工事を行うための「事業資金」だったという。その資金は「スエズ運河株式会社」の株を購入した人々の金によって賄われていたのである。株を買った人々や組織は運河開通後の運河使用料によって会社から株への配当を受けて利益が得られる。つまり「人間の欲望」によって大事業が行われて、さらに巨大な富を生み出すのである。渋沢栄一はそれこそが「資本主義のパワー」であると感じ取ったはずである。
 なぜなら彼の知っていた国家事業は、権力による強制によって行われていたからである。幕府は各大名に普請を命じる。大名がそれに使う資金はもちろん人民から取り立てた税金である。あるいは豪商や豪農から寄付の名目で金をせびり取る。渋沢栄一はかつてそれを思い知らされていた。彼の家は豪農だったが、他の豪農たちと病気の父親の名代として領主の役人に呼び出された。役人はこのたび領主のための貴重な事業が行われるのだが、その金を身分の低いお前たちにも支払わさせてやるから有難いと思えと威張ったのだそうである。金をせびっておきながら有難がらせるのである。武士としては身分の低い相手に頭を下げて頼むわけにもいかないので、そうせざるを得なかったのだろう。しかし十代の渋沢栄一はあまりの理不尽さに反発して、他の豪農たちが説得したにもかかわらず「父の承諾を受けなければご返事できません。」と言い張って怒った武士と大もめにもめたそうである。
 それに比べて人々の欲望を解き放つ「資本主義のパワー」こそが欧米列強が世界支配している力の源泉だと感じて、資本主義をひたすら学んだのだと思う。


平成とモリカケ終わり安倍笑う 駄句泥酔

2019-04-11 14:24:54 | 川柳

   コウモリに経済制裁していいぞ

  どん底のリーマン・ショック級にしろ

  消費税廃止で一石二鳥だろ

  デフォルトで鍋に入った鴨葱に

  我々が撤退したら煮込むだけ

  核兵器捨てれば食える取引さ


     

 

  

  

  
 


国際労働機関に日の丸や君が代で「舐めた勧告」をさせた日本は自業自得だよ

2019-04-04 14:18:06 | エッセイ


 国連の機関がもし大国に「舐めた態度」を取った勧告なんぞをしたら、その機関の責任者一人一人の「出身国」に凄まじい脅しが裏からかけられるはずである。その国は慌てて、どこからか金を貰って大国にそんな嫌がらせをした自国の担当者を首にして呼び戻すだろう。日本と違って多くの国連にいる職員は教育レベルも知的レベルも低く、貧しい国から来ているくらい分かるはずである。国連で金に転んで一儲けできれば、国に帰って一生安楽に暮らせると思えば何でもやるさ。先進国から来ているトップも圧力の強い方に付く。そしてそれに付け込む「反日国家」が存在することも事実である。隠したくたって、もう隠せやしない。国連を理想の組織みたいに思い込んで、やるべき事を何もやらないでいた日本が舐められまくって「つまらん勧告」なんぞをされるのは自業自得だよ。本当に「怖い大国」に舐めた態度を取れば、その地位を去ってしばらくしてから「事故」や「強盗」に会って惨めな死に方をしたりするんだよ。その時はもうたいしてニュースにもならないけど、関係者たちには噂が広まりその国の恐ろしさを思い知るのさ。本物の「人権活動家」は命がけなんだよ。
  
 映画「スティング」でペテン師に組織の金を盗られたボスが、一人だけ逃げているペテン師をどんな大金を使ってでも殺せと命令する。金を失ったのにさらに大金をかけるのは、そうしないと組織が「舐められる」からである。組織から金を奪って逃げのびた奴がいると知られれば「じゃあ俺もやろう」と思う連中が必ず出てくるし、友好関係にあった別の組織も「あそこもヤキが回ったから喰っちまえ」と戦争を仕掛けてくる。裏社会も国際社会も「舐められたら終わり」なんだよ。肉食獣と草食獣が仲良く暮らせる「ジャングル大帝」の世界なんて子供のためのおとぎ話だからね。「話し合えば分かり合えるし仲良くなれる」なんて本気で信じている大人のいる日本は、本当に平和なんだと心から思うよ。