濁泥水の岡目八目

中国史、世界史、政治風刺その他イラストと音楽

「ドイツ国民が我々を選んだのだ同情などしない、自業自得だ!」ヨーゼフ・ ゲッベルス

2021-10-28 14:35:03 | 歴史談話


 セバスチャン・ハフナーの「ヒトラーとは何か」には「この悪魔を侮るな」という言葉がある。ヒトラーは天才だったと言ってもいいだろう。人類になにがしかの貢献をした者を天才と呼ぶならおかしいだろうが、彼は「マイナスの天才」である。人類にこれだけの害悪をもたらした男もそういない。ゲッベルスもそうだった。彼の宣伝により、ドイツ国民は自分達が文明的で近代的な国で暮らしていると思い込まされた。戦争中に明るく楽しい豪華なカラー映画を人々に与えたのだ。正に悪魔的な才能である。愚劣な同調圧力のみにしがみ付き人々をうんざりさせた小役人根性の「大日本帝国」とはえらい違いである。


朝鮮戦争が始まると「電気自動車の時代が来た!」という喜びは米軍のガソリ ン放出であっというまに消えた

2021-10-21 14:26:47 | 歴史談話

 スターリンは1950年6月25日に朝鮮戦争を始めさせたが、これは約1年前の前のベルリン封鎖失敗への意趣返しだろうと思う。ベルリンへの輸送を遮断して西ベルリン市民を飢餓と凍死の危機に追い込み、「人権」などという彼からしたら下らない事にこだわる米英に圧力をかけたのだが、アメリカの思いもよらぬ作戦で失敗してしまった。ベルリン市民に必要な物資を全て空輸させたのだ。もちろんそれに使われるガソリンは膨大な量である。スターリンは敗戦国ドイツ人のために、貴重なガソリンを湯水のように使うなど想像もしなかったはずである。レニングラード封鎖のときに軍隊と共産党員には必要な食糧を与えながら、数十万人の市民を家畜のように餓死させた彼にしてみれば考えられない行為だったのだろう。その恨みを一年後に晴らしたのだ。
 アメリカは1949年に欧州で湯水のようにガソリンを使っていた。当然、極東に使用される量は厳しく制限されただろう。だから電機自動車にも望みがあるようにも思えたのだが、朝鮮戦争でガソリンが極東に回されるとそれは泡と消えた。
 


歴史は繰り返す。最初は「毛沢東の悲劇」として、二度目は「プーさんの喜劇」 として

2021-10-14 14:42:34 | 歴史談話

 ナポレオンとヒトラーとスターリンは「革命の申し子」であり、ほんの少し前か後に生まれていれば決してその地位につけなかったのは確実である。「コルシカの没落貴族の息子」がフランス皇帝となり「実科学校中退のオーストリア人」がドイツ総統となり「神学校中退のグルジア人」がロシアの独裁者になったのである。フランス革命やドイツやロシアの敗戦と革命の大混乱状態の中で彼等は生み出されたのだという。そして外国人であることがその統治に有利に働いたとさえ言う人もいる。その国民を冷ややかに見て、冷酷だが客観的に判断できるからだそうである。中国で最も成功したのが「清」という異民族王朝であったのもそれが原因なのかもしれない。
 これを言うと怒る人がいると思うが、米国の日本占領統治も大成功した。日本人の多くは米国の統治を喜んで受け入れたのである。戦時中の娯楽を禁止した愚劣ながんじがらめの同調圧力から解放されたからである。アメリカ人は本国では案外モラルにうるさかったりするが、日本人が何をしようと気にせずに好き勝手にさせたのだ。もちろん自分達に不利な言論は徹底的に弾圧した。占領軍なのだから当然である。占領が終わってもそれを取り消さなかったのは我々日本人の責任である。