鈴鹿市では平成26年度予算案に学校教室への扇風機設置が計上されています。 扇風機設置は風をまわすことで、子どもたちの体感温度を下げるための取り組みで、室温そのものを下げるわけではないのですが、発汗という身体の自然な仕組みとあわせることで効果があるといえます。 扇風機設置について異論はないところですが、PTAが独自で設置した学校と市予算で設置の学校とが併存することになることについては、今後なんらかの配慮があってよいのではないかと思うところです。
今回のブログでは扇風機のことではなく、この話がでると話題に上がるエアコン設置についてを考えたいと思います。
エアコンがあれば快適でしょう。そのことは否定しません。
また学校の周囲の環境などによっては、窓ガラスを閉める必要もあるでしょうから、そのような場合は設置するべきだと思います。
しかしすべての学校に設置すべきとするのなら、いろいろな要素について考えた上で設置に取り組むことが大切だと思います。
例えば室温を下げることについて、エアコンを使えば適温に調整できるでしょうが、下げるためにはなにが必要になるでしょうか。
機械を置いているだけで下がるわけはなく、エアコンを作動させないと下がらないわけで電気が必要になる。つまりエネルギーが必要ですし、その分のコストもかかると言うことです。ということは、室温と適温との差が大きいほど電気使用も多くなり、コストもかかると言うことになるでしょう。
ここからまず考えつく論点は「エネルギーコストと自分たちの負担の関係」について、コストの増大をどのように私たちは受けとめるかということです。
身近なことでは、使った分だけかかる電気料金について税金から賄うのか、それともPTAなどを通じて保護者が賄うのかという選択があるでしょう。後者であれば料金と負担の関係がわかりやすいものになりますが、前者を選択するのであればその財源がどのような経緯で支出されどのような影響があるのか、そのことを私たちも知るべきではと思います。どちらを選択するにしても、共通するのは合意形成が大切ということです。
また、すこし大きな話になりますが、エアコンを使うことがすべての自治体で採用されるとすれば、単純に考えて電気使用量全体が増大するため、その増大分は現在(原子力発電がほぼ行われていない)の発電量で大丈夫なのかということが考えられるでしょう。厳しいとすればどのような選択をするのでしょうか。原発の稼働容認とするのか、それとも自然エネルギーで賄うと考えるのかなど、どちらにせよきちんとした検証が必要です。
「そんなことは私たちが考えることではない」という人もいるでしょうが、それであれば、伴う結果や影響についても同じようなスタンスという前提であるべきではないでしょうか。
違う論点として「室内温度とエネルギーの関係」について、室温をどのように下げるかということがあるでしょう。この場合、室内温度と適温のギャップが大きいほど、その差を埋めるために必要なエネルギーも大きくなるという認識の共有が前提です。
エアコンを使うと考えて、室内温度が1度でも低いほうがエネルギー使用が抑制されるでしょうから、使用にあたっては、外からの熱が室内に伝わりにくいようにかつ室内の空気が外部に逃げないようにすること、つまり高断熱と高気密が効率的になるでしょう。
この室温に関し、窓や校舎を介した影響があります。夏に室温が上がるのは、窓からの直射日射であったり、日中に太陽光で校舎が温められることが大きく関係しているはずです。ということはエアコンを導入する前に、夏の強い日差しをどう遮るのか、校舎から伝わる熱をどう遮るのか、ということを検討し取り組むほうがよいのではないかと思います。もしこれらの効果が上がるのであれば、扇風機設置という形でも不都合はないのではないかと思いますし、自然環境や素材を活かす取り組みという選択もあってよいのではないでしょうか。また校舎の断熱については、冬季の冷気にも効果があるかもしれません。
今後、公共施設の維持・更新という課題が自治体に重くのしかかってきます。そのときエアコン設置を前提にすることで、他の選択肢が見えなくなるような思考停止に陥いらないことが大切だと思います。
子どもの健康ということから考えると、たしかに過度に高い気温は人間の行動にマイナスの影響を与え、学習には適さないと思います。しかしそれを即エアコンの導入につなげるのではなく、先に書いているような検討と取り組みで改善することを考えてからだと思います。
加えて、ジュニアバレーのコーチをしていてときどき見かけるのですが、日常的に自宅でエアコンを使っている子は体温調節がうまくいかないのか、 水分補給や休息をとっていても、 夏期に身体を動かすと体調を崩しやすくなっているようです。現在は学校の普通教室にはエアコンがついていないので、その分、暑さに発汗などでそれなりに対応できているのかもしれないと思いますが、エアコンが設置されるようになったとき、どのような影響があるかと考えます。身体の自然な機能を活かすことは大切ではないでしょうか。
また、少し引いた視点から子どもの健康を考えると、夏期の高温化が定着するようであれば、現在の学期のあり方を見直すことや、サマータイムの導入などを検討することもありでしょう。
扇風機の設置はありだと思います
ただ、エアコンについては多様な視点を取り入れた議論をすべきだと思います。ですのでここで是非をいうつもりはありません。
エアコンを使うことが前提の生活をしていればエアコンありきの話になることは普通でしょうし、エアコンに頼らない生活をしていればそこからの発想がでるのも普通だと思います。
だからこそ多様な視点を考慮した議論をふまえて、方向性を考えることが大切ではないでしょうか。
今回のブログでは扇風機のことではなく、この話がでると話題に上がるエアコン設置についてを考えたいと思います。
エアコンがあれば快適でしょう。そのことは否定しません。
また学校の周囲の環境などによっては、窓ガラスを閉める必要もあるでしょうから、そのような場合は設置するべきだと思います。
しかしすべての学校に設置すべきとするのなら、いろいろな要素について考えた上で設置に取り組むことが大切だと思います。
例えば室温を下げることについて、エアコンを使えば適温に調整できるでしょうが、下げるためにはなにが必要になるでしょうか。
機械を置いているだけで下がるわけはなく、エアコンを作動させないと下がらないわけで電気が必要になる。つまりエネルギーが必要ですし、その分のコストもかかると言うことです。ということは、室温と適温との差が大きいほど電気使用も多くなり、コストもかかると言うことになるでしょう。
ここからまず考えつく論点は「エネルギーコストと自分たちの負担の関係」について、コストの増大をどのように私たちは受けとめるかということです。
身近なことでは、使った分だけかかる電気料金について税金から賄うのか、それともPTAなどを通じて保護者が賄うのかという選択があるでしょう。後者であれば料金と負担の関係がわかりやすいものになりますが、前者を選択するのであればその財源がどのような経緯で支出されどのような影響があるのか、そのことを私たちも知るべきではと思います。どちらを選択するにしても、共通するのは合意形成が大切ということです。
また、すこし大きな話になりますが、エアコンを使うことがすべての自治体で採用されるとすれば、単純に考えて電気使用量全体が増大するため、その増大分は現在(原子力発電がほぼ行われていない)の発電量で大丈夫なのかということが考えられるでしょう。厳しいとすればどのような選択をするのでしょうか。原発の稼働容認とするのか、それとも自然エネルギーで賄うと考えるのかなど、どちらにせよきちんとした検証が必要です。
「そんなことは私たちが考えることではない」という人もいるでしょうが、それであれば、伴う結果や影響についても同じようなスタンスという前提であるべきではないでしょうか。
違う論点として「室内温度とエネルギーの関係」について、室温をどのように下げるかということがあるでしょう。この場合、室内温度と適温のギャップが大きいほど、その差を埋めるために必要なエネルギーも大きくなるという認識の共有が前提です。
エアコンを使うと考えて、室内温度が1度でも低いほうがエネルギー使用が抑制されるでしょうから、使用にあたっては、外からの熱が室内に伝わりにくいようにかつ室内の空気が外部に逃げないようにすること、つまり高断熱と高気密が効率的になるでしょう。
この室温に関し、窓や校舎を介した影響があります。夏に室温が上がるのは、窓からの直射日射であったり、日中に太陽光で校舎が温められることが大きく関係しているはずです。ということはエアコンを導入する前に、夏の強い日差しをどう遮るのか、校舎から伝わる熱をどう遮るのか、ということを検討し取り組むほうがよいのではないかと思います。もしこれらの効果が上がるのであれば、扇風機設置という形でも不都合はないのではないかと思いますし、自然環境や素材を活かす取り組みという選択もあってよいのではないでしょうか。また校舎の断熱については、冬季の冷気にも効果があるかもしれません。
今後、公共施設の維持・更新という課題が自治体に重くのしかかってきます。そのときエアコン設置を前提にすることで、他の選択肢が見えなくなるような思考停止に陥いらないことが大切だと思います。
子どもの健康ということから考えると、たしかに過度に高い気温は人間の行動にマイナスの影響を与え、学習には適さないと思います。しかしそれを即エアコンの導入につなげるのではなく、先に書いているような検討と取り組みで改善することを考えてからだと思います。
加えて、ジュニアバレーのコーチをしていてときどき見かけるのですが、日常的に自宅でエアコンを使っている子は体温調節がうまくいかないのか、 水分補給や休息をとっていても、 夏期に身体を動かすと体調を崩しやすくなっているようです。現在は学校の普通教室にはエアコンがついていないので、その分、暑さに発汗などでそれなりに対応できているのかもしれないと思いますが、エアコンが設置されるようになったとき、どのような影響があるかと考えます。身体の自然な機能を活かすことは大切ではないでしょうか。
また、少し引いた視点から子どもの健康を考えると、夏期の高温化が定着するようであれば、現在の学期のあり方を見直すことや、サマータイムの導入などを検討することもありでしょう。
扇風機の設置はありだと思います
ただ、エアコンについては多様な視点を取り入れた議論をすべきだと思います。ですのでここで是非をいうつもりはありません。
エアコンを使うことが前提の生活をしていればエアコンありきの話になることは普通でしょうし、エアコンに頼らない生活をしていればそこからの発想がでるのも普通だと思います。
だからこそ多様な視点を考慮した議論をふまえて、方向性を考えることが大切ではないでしょうか。