鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

富士市復興計画について

2017年07月31日 15時11分48秒 | Weblog

今日は静岡県富士市にて、富士市復興都市計画を鈴鹿市議会総務委員会として視察しました。
テーマの中核は“事前復興”に置いています。事前復興は、大きな災害により被害を受けたと想定して、その後の復興のあり方を考えておき、大きな混乱を抑えながら、有事の際にスムーズに復興が取り組めるようにするというものです。この計画の被害想定は、南海トラフ地震によるものが想定され、液状化や津波の被害などが考慮されています。

富士市の取り組みでは、都市計画の担当部門が策定しているのですが、これは防災危機管理部門は復旧までを担当するものと考え、復興の局面はそれとは別のものと考えているからです。そのため、都市マスタープランの改定にあたり、住民参画も取り入れながら策定されています。このような取り組みは東京都かの自治体で進んでおり、それ以外の自治体ではまだ取り組まれているところは少ないとのことでした。

個人的な感想としては、このような事前復興の考えを踏まえた計画の策定、策定も含めた検討については、鈴鹿市のような基礎自治体において、持続的な自治を考えれば、必須の取り組みではないかと思います。大切なことは、国や県の動きを追うのではなく、配布している災害マップなどの情報から、自分たちで考えることであり、また市民の方々も参画して考える機会を持つことだと思います。

そのことを考えながら、鈴鹿市でどう取り組めるかを考えると、総合計画については“政策経営部”で、都市マスタープランについては“都市計画部”で、災害については“防災危機管理部”で取り組むことになっている体制の中、どのように富士市で行なっている取り組みを動かし始めるかということです。想定されるのは、今の鈴鹿市の状況の中では、どこが主となるかということで、三すくみのような状況になり動き出さないのではないかということです。
このようなことが良いこととは思ってはいません。そこをどう突破するのかが課題です。

自分としての案は、防災危機管理部が事前復興計画の策定について必要性を認識、その上で、総合計画の後期計画策定と都市マスタープランの地区別計画策定などを考慮しながら、都市計画部と政策経営部に策定の必要性を要請、総合計画2023の後期計画で策定に取り組むように記述するということかと考えます。その際は、もちろん住民参画を前提として、現在の都市マスタープラン策定の際にも行なった地区別検討会議を開催することが前提となるでしょう。

このとき、現在の鈴鹿市で課題になることは、地域づくり協議会関係の政策との連携で、明確に小学校区を住民自治の基礎単位と考えるようにするなども必要になると思います。それは、学校施設は被災時に避難施設になることからも妥当ではないでしょうか。そうした上で、地区別の検討会議を行いながらになるかと思います。

そして、今日の説明の中にあったのですが、“総合計画は町の最上位の計画ではあるけれども、政治に左右される部分がある。しかし、都市マスタープランや都市計画は、一度決めるとたやすく政治に左右されない重さがある。”という部分について、首長、議員としての関わりを再度考える部分がありました。

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これからのリスクを考える

2017年07月08日 00時04分13秒 | Weblog

九州北部の多くの地域で線状降水帯の発生による猛烈な降雨で、甚大な被害が出ており、まだその全容もわからない状況です。被災された方々、地域、自治体のみなさんについて、できるだけ早く安心できる状況になるようにと思うと同時に、一日も早く復興できるようにと思うところです。

今回の災害について、九州北部だけでなく山陰地方でも同様の降雨状況が見られていたことは、私たちにとって非常に多くのことを示唆していると思います。それは、やはり気候変動期に私たちは生きているのではないかということです。

近年、日本の各地で豪雨災害が頻発し、報道などでも何十年に一度の災害という表現が使われています。たしかに、その地域にとってはそのような表現があてはまるかもしれませんが、しかし、日本というくくりで考えれば、そのような豪雨の状況はすでに毎年起こりえるものになっていると言えるのではないでしょうか。ただ、それが別の地域で起こっているため、そのような見方になりにくいのではないかと思います。

このことに関連して、平成27年に「気候変動への備え」として一般質問を行なっています。この質問の際は、鬼怒川の氾濫で大きな被害が出たことをきっかけにしていたのですが、このときも線状降水帯のことが話題になっていました。この時に色々と調べると、過去の東海豪雨の際も同じような現象が起こっていたらしいことがわかりました。とすれば、同じような気圧配置や大気の状況、海水温の上昇などの要因が揃うと、同じような災害状況が再現されやすい、しかも同じ地域で、と考えられるように思います。

「気候変動への備えについて」(平成27年12月定例会)

とすれば、私たちの気候災害への備えについて、考え方を再評価、場合によっては戦略を考え直す必要が出てきているのではないかと思います。
その時の発想は、気候災害に対して「何十年かに一度の事態への対応」ではなく、「そのような事態に毎年みまわれるかもしれない、もしかすると、同じ年に何度もみまわれるかもしれない」という前提で、事前復興的な発想も取り入れつつ対応を考えるということだと思います。

事前復興の考えに関しては、平成27年3月定例会での一般質問「地震災害への備えについて」の中で取り上げて、鈴鹿市に質問しています。

「地震災害への備えについて」(平成27年3月定例会)

大きな被害を受けての復興はもちろん、事前に復興を想定した都市のあり方を目指すにしても、そのためには多額のお金が必要となるだけでなく、もしかすると、私たちがこれまで当たり前と思っていた考えを根本から考え直す必要に迫られるかもしれません。そのために、政治に関わるものはどう考えるべきなのか、どのような方向を目指すのか、より難しい状況になると思います。
同時に、市民ひとりひとりも持続可能な地域社会の一員として、災害被害に対してしなやかに復興のできる方策はどうあるべきか、もし被災した際にどう復興に取り組んでいくのか、今から話し合って合意形成に取り組むことも重要ではないかと思います。

そういう意味で今回の豪雨災害は、私たちに災害を想定しながら、これからの社会にどう向かい合うべきかを強く問いかけていると思います。

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