精神科という分野が未熟で,人によってどうとでも云える分野であることを朝青龍問題は明らかにしました。曰く,神経衰弱状態,抑うつ状態,うつ病一歩手前,うつ病になるとは限らない,急性ストレス障害などなど朝青龍のお抱え医師から日本相撲協会の指定医,テレビ出演の無責任医師まで,云うことがみんな違います。しかも,注意して聴いていると,出てくる医学用語が共通しておらず,医師ごとに微妙に差があるのです。これは,用語定義が医師によって違っているからです。
それはともかく,朝青龍の問題は,この「大事小事―米島勉日記」に書いてきたとおりの筋書きで推移してきました。政治がらみ,資源がらみ,あげくは皇太子殿下まで巻き込んでしまったような展開です。
さて,それではこの問題にどのように幕を降ろすか。提案をします。
ここまで弱みをさらけ出してしまった朝青龍を来年の1月の初場所に期待する観客はもはやいないでしょう。しかし,日本相撲協会もここで引退を迫ることは資源国モンゴルとの関係において政治的,資源経済的に得策ではない。多分,陰に陽に各方面から圧力があるはずです。
したがって,日本相撲協会としての処分の形骸化を避けるため,あと1,2週間経過してから「人道的見地」においてモンゴルに帰国させる。その際,必ず「引退を約束する」誓約書を朝青龍から取っておく。公表する必要はありません。そして,初場所の番付編成会議前に,モンゴルから朝青龍自身に引退声明を出させる。曰く,「横綱の地位を全うする気力も体力もなくなった」。断髪式なんて必要ありません。日本にいないのですから。
これで,モンゴル政府やモンゴル国民を刺激することなく,モンゴル英雄としての虚像を残したまま消え去る。いかがでしょうか。
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