
五郎さんと 旅に出ていた
現地入りして最初に食べた夕食で
見事に食中毒になり脱水症状まっしぐら

まったく走れず 半日フイにしてしまった
初日に厄払いできたと言いたいところだが
苦難はこれだけではなかった

ステキな宿にたどり着き
五郎さんが食堂に出かけて行ったら
さっきまで寝ていた布団から ハチがブ〜ンと出てきた
まじか…
スズメバチだ
部屋の中を楽しそうに飛び回るスズメバチ
こりゃあどうすりゃいいんだ?
手をこまねいて考え込む(笑)
宿の女将に声かければ 殺虫剤を持って駆けつけるだろうが
これから寝る部屋に殺虫剤をばら撒かれたくない
ハエタタキ?
ない
冷凍スプレー?
当然ない
布団を振り回して戦っても
外れたらハチを怒らせて大変なことになる
なんとなく武器になりそうなものは
これだけ

手指の消毒スプレー(笑)
殺気を消して ゆっくりとハチににじり寄り
恐る恐る「シュッ」と吹きかけると
心なしか飛行スピードが落ちた気がする
やがてハチが壁にとまった瞬間
一気に距離を詰め
高橋名人の16連射ばりに手指の消毒液を吹きかけた
様子見のため手を止めてはいけない
やり切るまで連打し続けることが大事だ
50プッシュぐらいぶっかけて
動きが明らかに緩慢になったところを
ティッシュの箱で気絶させた

やりきった感が半端じゃない(笑)

旅に出ると 自分と素直に向き合えるのはなぜだろうか
たぶん 自分を守る必要がなくなるからだと思う
職場にいたら キャリア相応の働きを見せたいと思うし
家庭にいたら 父としての尊厳を守ろうとする
恋人といたら 男らしくありたいと思う
多かれ少なかれ 普段の自分は「理想の自分」を演じている
旅に出たら
そんな自分をかなぐり捨てることができる

みんな 自分の尊厳を守ることに精いっぱいで
「俺はすごい」「私はえらい」
そんなことばかり言いたがる
自分も他人も そんなこと言わなくて済む場所に駆け出すことが
旅なのだと思った
7月の走行距離 1414kmでした