goo blog サービス終了のお知らせ 

自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

ツールドおきなわ2022。

2022年11月14日 10時13分37秒 | 自転車
木曜日に沖縄入りした





コンディション調整も兼ねてコースを試走する


全員が過去最高の仕上がり
パワーの数値も常人離れしている


自分はというと 11月に入って体調を崩し
仕事の忙しさも相まって パワーが全く出ず
なんとか普通ぐらいには戻ってほしいと祈りながら毎日を過ごしてきた





みんな良い顔をしている中で
私だけが冴えない
調子が良い日は 最低心拍が40まで下がるが
ここのところ45前後と 最悪に近い


レースのことを考えると 心配しか生まれないので
撮影のことだけを考えるようにした
そう 私は選手である前にディレクターなのだ(笑)



沖縄210kmは バケモノ揃いだ
どれだけ凄いかは ニセコクラシックで絶望感に似た一撃を喰らっている
どうしたら彼らに一矢報いることができるか?
五郎さんとレースのシミュレーションをして
作戦を練り続けた




レース当日 3時半起床
5時半に会場入り
私の仕事は スタート前の男子部員たちの様子を撮影し
スタート直前にオンボードカメラを回すこと
そしてレース中 自分のオンボードカメラで集団内の様子を撮ること


だが 集団についていける自信はまったく無い(笑)



7時27分 レーススタート



210km 獲得標高は3000m近い
自分にとっての勝負どころは 2度のフンガワの上りだ
20分近い上りを 2度にわたって
あのバケモノたちについていけるか…



雨の中を進む集団は200人
並ぶのに手間取って 最後尾近くでスタート
前で起こる落車に巻き込まれないために
隙を見ては前へ上がる
そしてできるだけ省エネで走るために
ブレーキをかけずに走ることを心がける
目の前の人だけを見るのではなく
10列ぐらい先まで見て 本当にブレーキが必要かどうかを見定める


集団内の男子部にできるだけ近づき
いろいろと撮影した


集団のスピードは時速45キロほどだが
集団内にいるとパワーは200wも出ていない
70km地点の1度目のフンガワまで1時間半
TSS60ほどで辿り着く
(1時間全力で走るとTSS100)


そして問題のフンガワ1発目
18分13秒 280W(5倍)
ギリギリ集団内でクリアできた



路面の濡れた下りでは
コーナーごとに落車した人が倒れていた
助けが必要そうな人もいなかったので
落ち着いて安全に下った



100km地点 奥の上りも5倍ほどだったので
なんとかクリア


海沿いの平坦区間で 男子部メンバーとして少し働いた
初めて男子部の役に立てたかな(笑)



120km地点から始まる 2度目のフンガワは
やっぱりダメで
5km地点で集団から千切れてしまった


それでも19分ほどで上れたので
強くなったんだなあと 嬉しかった



疲れてはいるが 致命的なダメージでは無かったので
このまま行けば それほど遅れずにゴールできそうだと思っていたら
そう簡単ではなかった


このタイミングで シフトレバーの右が動かなくなり
まさかのアウターローのシングルギヤに(笑)
平坦でクルクル軽いギヤを回していたら
せっかく坂で千切った人たちにも どんどん抜かれてしまった


右レバーのボタンをポチポチポチポチ
ひたすら押して
「頼む! 動いてくれ!」と祈り続ける
バックトゥーザフューチャーのマーティーが
エンジンのかからないデロリアンのキーを
ひたすら回し続けるシーンを思い出した(笑)




10分ほどしたら 突然ギヤが復活
目の前にいた集団にジョイン
596番のアルカンシェルみたいな尾崎さん
432番のスバルジャージの加賀さん
556番の五郎さんの弟子のマー君
一緒に走れて楽しかったです


楽しかったのも束の間
150km地点で脚が攣り始め 集団から脱落
さらに175km地点で急に気持ち悪くなり
100wでしか走れなくなった
命の危険を感じる気持ち悪さ
これが210kmのロードレースなのだ
体力だけではなく 補給やエネルギー循環など
いろんな要素を持ち合わせていないと 走れない競技


この体験は 必ず役に立つだろうと思いたかったが
あまりに辛すぎて ただただ自転車から早く降りたいと思いながら
最後の羽地の坂を上った
ゴールは苦しみからの解放でしかなかった(笑)


5時間45分 52位(トップから30分遅れ)





男子部がどう戦い
どんな結末を迎えたかは
番組でお見せするので どうぞお楽しみに



衰弱しすぎて 体が何も受け付けなかった
ゴールから6時間たって ようやくおにぎりを1つ食べた





食べなければ死ぬと思って 無理やり押し込んだ




秘密のコーチが 無事にゴールしたことを喜んでくれた
コーチには感謝しかない
おかげで 強くなれたし いろんなことを学ぶことができた

自分はまだまだ 知らないことが多すぎる
しかし たった1度のレースでも 全力で向き合うと
たくさんのことを知ることができる
自分はもう少し 全力で生きていたいと思った





さて ようやく1年間のレースが終わり
ずっと我慢してきた 焼きギョーザを山ほど食べようと思ったが
しばらくは お粥しか入らなそうだ…